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恋人を撃ち落とす日

タイトルの曲に触発されて書いた目盾の鉄キ前提のキッド独白。
曲知ってたらわかる通りナチュラルに死ネタなので要注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 乾いた、けれど響く音。
 手元で一瞬弾けた火花は、多分あいつの命。その具現。
 ぱりんと砕けて散ったのは、引き金を引いた俺の、全て。

恋人を撃ち落とす日

 指先、掌から腕へ全身へ駆け抜けていく振動は、馴染んだものと同じで、けどやっぱり全然違った。
 目の前の映像はスローモーションに、なんてなりやしなくて、馬鹿みたいにあっけなく、彼、が俺の元まで落ちてくる。
 咄嗟に抱き留めたりなんかしたら、あらら、ひょっとして片腕いっちゃったかも。
 妙に鈍い音を他人事みたく聞いて、でも正直ホント他人事みたいなモンだから放っておくことにする。
(だって、もうどうだっていいし)
 やらなきゃいけないこともその上で望んだことも現実になった。
 まだ二つほど残ってるけど、片腕あれば事足りる。
 それより何より、この腕の中のヤツのことだ。
 重い上にゴツイ体をよっこらせっと上向かせる。身じろき一つしないから大丈夫だとは思うんだけど、コイツの無敵さは折り紙つきだからねぇ。
 いきなりがばっと起き上がって、また暴れださないとも限らないし……なーんて期待でもするみたいに思って、けど頭ン中ではわかってて、まるで筋を知ってる劇でも見てる、みたいな気分。
 顔をこっちに向かせてみる。目は開いてて、だけどどこも見てない感じで、変にギラついてもいない。
 ちょっと前までは、俺だって殺しかねない剣幕だったってのにねぇ。
 くすりと笑いがこぼれちまうのはしょうがない。ホンット凄いカオしてたんだから。
 でも今はいつもの、彼、だ。
「ごめんなァ、鉄馬」
 こんなことしかできなくて。

 不思議な、もんだね。
 最強をと目指して握った銃は大抵明後日の方へ弾を吐いたってのに、こんな時ばかり調子がいいよ。

 ――あぁ、でも当然、だよねぇ。

 せめて苦しむことのないように、逝かせてやりたいってモンでしょう。
 救ってやれるようなことなんてなぁんにもしてやれない俺の、たった一つしてやれることだったから。

 突如発生した『狂獣化』のウイルス、その元凶たる保菌者が、何の因果か、鉄馬丈その人で。
 いっそ感染しても構わないからとは口にしないまま、俺が仕留めると言ったのは武者小路紫苑だった。
 それだけの、二次元の世界では掃いて捨てるほどあるようなよくあるお話。
「今、行くからさ」
 ラストシーンも、だからそういうモノで構わないだろう、と手にしていた大口径の銃を上げた。

 最後の銃弾は空っぽの頭に。
 今も変わらず愛しているよ、と先立たせてしまった君に伝えに往こう。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

今さら過ぎても何だろうとこの二人で見たかったんだ……


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