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某バンドのVo×G

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                    |  朝っぱらからナマモノで申し訳ない
                    |  某バンドのVo×G
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  3年ぶりにファンに出戻りしてこれかよ
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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狂ったように自分の名を繰り返すのをからかおうとしたら一段と激しく突かれ、呻き声になった。
するとまた心配そうな目で「ごめん…辛い?」と聞いてくる。

何度目だよ。なら止めろよと心の中で悪態をつきながら俺はかぶりを振った。
変わらない問答、変わらないこいつの泣きそうな顔、変わらない俺達。
こうやって身体を重ねるのは何度目だろう。

俺は元々惚れた腫れたとかそういったことにあまり興味がなかった。
といっても別に過去恋人がいなかった訳でもなく、もちろんいた方がいいとは思う。
ただ、恋人といる時間を作るより例えばギターを弾くとか、
例えば友達と飲むとか他の事のほうが自分にとっては重要なだけで、
決して枯れてるとかそういう意味じゃない。断じて違う。
でも恋愛ドラマを一人で観ていてしょっぱい気持ちになったり、街でカップルをみかけたりすると無性に人恋しくなり、
雑誌とかでよく「彼女が欲しい!」なんて口走っていた。
だからあいつに最初告白されたと時は男同士とかバンドのメンバーとかいう以前に
「そんなに同情されてんの?!俺!」という気持ちだった。

3年前の夜、突然ウチのボーカルに呼び出されあいつの家に行った。
普段から仲のいいバンドなのでメンバーの誰かの家に行くというのは珍しくなく、俺も音作りか何かの相談だろうと思って向かった。
相変わらず綺麗に整頓され、少し殺風景すぎる気もする部屋。
インターフォンも押さずに家に上がりいつも通りにソファに座って隣に置いてあったあいつのらしいお茶を勝手に啜りながら
「どしたの?今日は」と聞くと突然肩をつかまれる。
驚いて顔を上げると今にも泣き出しそうな顔をして、「好きなんだ。亜季良君が」とこれまた泣き出しそうな声で言われ、
あまりにも突然の事に俺はどこかのギャグ漫画よろしくとお茶を噴出し、「は?」と素っ頓狂な声を上げてしまった。
今思えばあの時湯のみを落としていたらそれこそギャグ漫画な展開になっていたなと思う。
あまり冗談を言うようなタイプでもなく、確かにしばしば可愛いと形容されるこの男が本当に「そっちの人」だったのかと素直に感心する。
多分、この言葉だけだったなら俺も無理にでも笑って断るところだったろう。
「あ、のさ…」
「駄目なんだ…亜季良君が傍にいないときっとおかしくなる、俺……」
そう言われて言葉に窮した。長いこと一緒にいてこいつの性格も分かっているので、この言葉が大げさでないだという事も分かった。
本当に俺じゃないと駄目なんだ。俺がこいつを選ばないと本当にこいつは壊れてしまう。
既に告白ではなく脅迫だった。こいつもそれを分かっているんだろう、でも言うしかなかったという顔でうつむき、小さく泣き出す。
30秒ほどの沈黙の後、半ば諦めるように俺は「いいよ。お前のものになる」と吐き出した。
返ってきた言葉は「ごめん」と消え入りそうな一言。涙を拭い、抱きしめてもまだ泣き続けた。

あれから3年。あいつは俺との時間を求め、口付けを求め、身体を求めた。
俺はそれを全て受け入れた。拒んだ記憶もない。
そんな事を思い返しああ、俺ってば貞淑な妻じゃない、これ。と自嘲気味に心の中で笑うと強い刺激に現実に引き戻される。
激しい痛みと快楽に目の奥がチカチカする。限界が近いらしい、たまらずあいつの腕に爪を立てる。
脚を捕まれ、身動きができないので顔だけ向けると相手も限界らしく、目が合ったら深く口付けをされた。
息ができない苦しさに狂いそうになりながら同時に果て、そのまま強く抱きしめられる。
ああ、また泣いてやがる。俺はあいつの頭をぽんぽんと撫でながら終わった事に安堵の息をついた。
この男に泣かれるとどうしていいか分からなくなる。こっちまで泣きたい気持ちになって落ち着かない。
傷ついた顔も泣き顔も見たくない。俺の持っているものなら身体でもなんでも与えるから笑っていて欲しいとすら考える。
いつからこんな風に思うようになったんだろう。最初のころはまたかよ、と笑い飛ばすこともできたのに…。
これが愛だというなら、なんで俺たちはいつもこんなに不幸そうなんだろう。ドラマの中のキラキラした恋人達や、
昔、彼女と過ごしていた甘い時間とはあまりにもかけ離れている。
「ひとつになりたい」
耳元でそう囁かれた。ああ、そうなれれば簡単だ。
離れることもない。こいつの泣き顔も見なくて済む。

なんて不毛な考え。あまりにも下らなすぎて二人で笑った。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 世の中のカップリングとは真逆らすぃ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) というかポエムでスマソ。
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

  • このCP、実は好きなのでうれすぃ… -- 2018-09-28 (金) 22:55:39

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