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La'cryma Christi 六弦×四弦

 ____________         V系バンド、「基督の涙(和訳)」の
 | __________  |         元下手6弦×4弦だって。
 | |                | |     \______  ___________
 | |  |>PLAY       | |               |/ シッテル?
 | |                | |           ∧_∧  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

 どうせお前なんて帰ってしまう癖に。
 空は既に白みはじめていて、遮光性の強いカーテンの隙間から細く光りが漏れだして
きている。決して狭い部屋ではないけれど、互いの表情はその小さな光源だけで
すっかり見てとれて、だからこそ秀瀬はどうにか、そんな下らない台詞を飲み込む事ができた。
 康司は少し傷付いた顔をして、それでも立ち去らずにいる。聞き飽きた謝罪の言葉で
こちらが痛みを覚える前に、強く怒鳴り付けてもっと傷つけてやろうかと思ったけれど、
そんな表情を見せられてしまったから、喉が詰まったようになって、結局何も言えやしない。
 困った事になった、と秀瀬は半端に身体を起こしたままで考える。お互いに、見たくない
ものを見た。触れたくない所に触れてしまった。
 まるで高校生の恋人同士のような膠着状態を脱するきっかけを作ったのは、意外にも
康司の方だった。何かを決めたような、決めかねているような、曖昧な表情だったけれど、
まっすぐにドアの前からベッドへと二歩、三歩と大股で歩み寄る。
「何」
 必死で罵倒する言葉を探していた秀瀬は、むき出したままの肩に触れられて、
弾かれたように康司を見る。物理的な距離だけは近付いたものの、まだ言葉を探し倦ねている
二人の視線が絡む。
「……俺が」
 そろそろと康司が言葉を発した。切り出しておいて、まだ迷う。秀瀬は黙ったまま続きを
待った。こういう時は、焦らない方がきっといい。
「正直、どっちも選べへんって言うたら……軽蔑する?」
 もう十二分に考えさせてやったのではないかと秀瀬が少し苛立ち始めた頃、唐突に康司が
言葉を続けた。
「……当たり前や、こんドアホ」
 もっと酷い言葉を投げ付けてやろうと思ったのに、言えたのはやっとそれだけだった。
それをきっかけにしたように、康司の腕が伸びてしっかりと抱き締められる。大きな図体をして、
甘えでもするかのように秀瀬の肩に顔を擦り付けて康司はひどく悲し気に言う。
「俺の事、捨ててもええよ」
 秀瀬はそれには答えないでしっかりと彼の背を抱き返しながら、漠然と、この手を離す事は
当分出来そうもないとだけ思った。

 ____________         
 | __________  |         攻は既婚者らしいよ
 | |                | |     \______  ___________
 | | □ STOP.       | |               |/ ワカリヅライネ
 | |                | |           ∧_∧  
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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