ナマモノ 雪と灰 作詞
更新日: 2011-05-01 (日) 20:25:56
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| ナマモノのリアルエピソードからの妄想だモナ
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 二人とも30代半ばのオサーンだけどね
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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誰もいないミーティングルームで独り机に向かって、雪は頭を抱えていた。
先ほど、何とかひねり出したワンフレーズを書き付けてから15分。
その間、作詞作業はまったく進んではいない。
ぼんやりと頬杖をついて、白い壁紙にデザインされた凹凸を数え出す始末である。
(出てこねー……)
シャープペンをドラムスティツク代わりに揺らして、サビのメロディを鼻先で小さく歌ってみる。
いいメロディだ、と何度も思った事をまた思う。
雪の作った曲の中で初めてシングルに採用された、そして数ヶ月に渡って週に一度はテレビで流されるであろうタイアップの付いたこの曲に、これだけの良いサビメロを付けてくれた灰。そしてこの曲に自分で作詞してみろと言ったのも灰。
それがこのバンドの常であったので、当初、雪は灰が詞を付けるものだと思っていた。のせられたのか何なのか、現在、雪はこうやって言葉の切れ端を捏ね回している。
「あー……」
無意味に声を発したところで、不意にドアがノックされた。
窺うようにそうっと引き戸が開き、灰が顔をひょこんと覗かせた。
「どう? 順調?」
「じぇーんじぇん」
いっそ投げ遣りにも言う。
雪が机から身を離してセブンスターの箱を取り、一服の姿勢に入るのを見るとと、灰も黒いパーカーのポケットから煙草の箱を取り出す。
灰はガタンガコンと鳴らしながらパイプ椅子を引っ張ってきて、雪の正面に座った。会議机ひとつ幅分の距離。灰皿は共有。
「見せてな」
咥え煙草の灰が作詞メモをさらっと取り上げて、目を通し始めた。
詞をメロディに乗せているのか唇が少し動いて、「まだまだやねぇ」と1000万枚以上のCDを売り上げた作詞家は苦笑した。
「日本語難しいねー……」
「SitとかFuckとか使えないし?」
「それはいいんだけど。……助けて。大変らよ~」
雪は、ゆるゆると突っ伏してしまう。
色素の抜けた傷んだストレートヘアが、サラサラと机に零れると、灰はその長髪に指を絡めた。
「大丈夫~、大丈夫」
相変わらずの、のんびりした口調で、適当にも聞こえる慰め方だ。
「ね。俺ね、あなたの詞で歌ってみたいよ」
だから頑張ろうよ、と言い足して、髪を弄ぶ手を引き寄せて髪先に口付けた。伏せている雪はそれには気付かない。
「……。それってさぁ」
「ん?」
「すごい口説き文句だよね」
雪が顔を上げると、随分と近くに互いの顔があった。
思わず雪は息を詰めて、灰のやたら長い睫毛を凝視してしまう。
束の間流れた緊張した空気を壊すように、灰はにやっと笑んだ。
「口説いてるんやもん」
笑いながらサラリと身体を退き、短くなった煙草を消して立ち上がる。
雪も、灰皿に乗って灰になっている自分の煙草を消した。そろそろ灰皿も溢れ出しそうになっている。
「それじゃあ、俺も作業に戻ろかな」
「もうちょっと進めたら、赤ペソ先生頼むと思うけど」
「いつでもええよ。……なあに、見送り?」
ドアへと向かう灰の後ろから雪が付いてくるので、引き戸の取っ手に手を掛けた灰が振り返って首を傾げる。
「っていうか、俺はトイレ。行かないの?」
灰はドアに手を添えたまま、開けようとしない。防音用のパッキンがキュウと鳴いた。という事は、押さえつけて閉めているという事だ。
なぜ、と雪が訝しんだ時、掠め取るように灰の唇が雪の頬に触れた。
雪には、磨りガラスの向こうにスタッフが行き交うシルエットが見えている。
「あっ…のねぇ」
灰の突然の行為に、雪は絶句するしかない。
「続きは、詞があがったらね」
驚く表情を見た灰は実に満足げな顔をしながら、自分の作詞部屋へと戻っていった。
「それって……出来上がったらご褒美とか、そういう事? ってゆーか、ご褒美になるのかね……」
ペタリと閉まるドアの前に残された雪は、釈然としない思いで呟いた。
その後、しっかりとオリコソ1位を獲得したこの曲が出来上がった時、果たして「ご褒美」がどうなったのかは、また別の話。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ イロケガナイネ スマソ
| | | | ピッ (´・ω・` )
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