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What Her Name Is

∞高炉、艦長×黒服弟
青年編Chapter7終盤の例のイベント後

作中の設定にきちんと従うならこういう現象は起こらないのでしょうが、スペースオペラだからね!ってことでひとつ。

※地雷注意※
・本編のストーリー終盤における重大なネタバレ複数
・艦長と女性キャラの関係(公式準拠)を示唆する描写あり
・いろんな意味で痛めのエロあり。流血注意

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 遙か昔、爆発する人口を支えきれなくなった辺境の惑星から、数万隻の移民船が旅立った。
 ある船は不慮の事故により失われ、ある船は未知の疫病により壊滅し、またある船は世代が下るごとに深刻化した住民の生殖能力低下による人口漸減で、最終的に移民そのものが消滅した。
 自然界の淘汰システムにも似た厳しい生存条件をかいくぐり、幾世代にもわたる長い長い旅の末、一隻の移民船がパルメリアという名の惑星に辿り着いた。
 人類のマゼラン銀河進出の起点となった、始まりの地。
 彼らはそこにアッドゥーラと呼ばれることになる国を建国し、苦難の果てにようやく見いだした安住の地を「ファウンダーグラウンド」と名付けた。
 そしてさらに時は流れた。人類が大小マゼラン全域に生息圏を広げ、いくつもの国家が覇権を競い合うようになった現在、ほとんどの人間は、その名を伝説の彼方に埋もれた曖昧な存在と認識している。
 艦隊の進路の先——アッドゥーラレーンの外れには、そのファウンダーグラウンドに通じるボイドゲートがある。

 ブラフシェラ教皇とエルダータ枢機卿に伴われて〈始祖移民船〉に向かったユーリ艦長から、予定の探索は終了した、これより帰還する、との連絡が入ったのは、銀河標準時で五日ほど前のことだ。
「ちっと帰りが遅すぎる。どっかで道草食ってんのか、宙域の状況なり機関の故障なりで身動きがとれない状態なのか。ユーリの奴は殺しても死なないだろうからいいとして、アッドゥーラのお偉いさんに何かあると色々厄介だからな。迎えに行ってやってくれや」
 面倒くさそうな口調の中に心配を滲ませたロエンローグ卿の言葉を受けて、私は救援艦隊を編成した。 
 アッドゥーラ側が許可した者以外のファウンダーグラウンド宙域への進入は禁じられてはいたが、あちらの重要人物を対象に含めての救援活動に文句を言われる筋合いもあるまい。

 速度と探索能力に特化して三部隊を編成した分艦隊の指揮官たちと捜索担当宙域の割り振りを打ち合わせていると、不意にオペレーターが安堵の声を上げた。
「ゲートアウト反応確認、ユーリ艦隊です!」
 どうやら私の仕事は徒労に終わったらしい。 モニターの向こうでぽかんとしている分艦隊長たちと顔を見合わせ、苦笑する。
 だが、ゲート付近に先行させていた無人哨戒機からの映像が入った途端、ブリッジに再び緊張が走った。
 ボイドゲートからこぼれ落ちるように吐き出されてきた五隻の艦は、一隻残らず満身創痍だった。
 僚艦を守って最前線でビームとミサイルの雨を受け止め続けたのだろう。砲塔も装甲板も吹き飛ばされ、露出した構造材に耐熱タイルがかろうじて張り付いているグン・ゼム級など、どうにか航行能力を保っているのが不思議にすら思える。
 幽霊船の群れと見まごうばかりのこの惨状を目にして、アッドゥーラの騙し討ちに違いない、すぐにムスカール軌道上のロエンローグ艦隊に連絡して報復攻撃を行うべきだ、と声を上げる者が出たのは、人間が宇宙で生きることを否定する「始まりの国」に我々が覚える不信が、それだけ根深いものだということなのだろう。
 だがその直後、同じようにひどく被弾し優美な外装が見る影もなく損壊した、エルダータ枢機卿の〈デヴァ・クルシプス〉が姿を見せたことで、不毛な殺戮は回避された。
 だが、あんな辺境で彼らは何と戦ったのか。
 ユーリ艦長の状況判断の速さと撤退戦指揮の巧みさは、私自身が小マゼランで体感している。そのユーリ艦隊をこうも追い詰めたのは一体何者なのか。
 追撃があった場合、足の遅い艦を置いてきたため火力に乏しいこの戦力で、半壊状態の彼らを庇いつつ逃げ切ることは可能だろうか。
 航路図と味方制宙圏までの距離を脳裏に描きつつ全艦に第一級警戒態勢を命じ、ともかく現状を把握しようとユーリ艦長を呼び出す。
 通信に出たのは艦長ではなく、オペレーター長として旗艦のブリッジに詰めていたティータだった。
 緊張を隠せない声で状況報告を求めたこちらに、惑星パルメリアからの帰途、皇帝随伴艦のゲートシステムを利用して跳躍してきたギリアス皇太子の奇襲を受け、それを退けたこと、追撃の可能性はおそらくないことを要領よく整理して説明する。
 ユーリ艦長の姿が見えないことへの不安を察したのか、ティータは笑って付け加えた。
「ユーリならさっきどやしつけて部屋に帰らせたところよ。半舷休息を命じておいて、自分は延々ブリッジに張り付いてるんだから。あれじゃみんな気を使って休めないわ」
「……ご苦労様です」
 負傷したわけではない、ということを言外に伝えてくれたティータの気遣いに、ようやく肩の力が抜ける。
 周囲の状況に細かく気を配り、必要なら艦長にも厳しい意見を直言できるこの女性は、ユーリ艦長とは違った意味であの艦隊の要なのかもしれない。
 安心したのはわかりますが何か忘れていませんか、という顔でこちらを見ている副官に気づき、警戒態勢の解除を指示する。
 手早く双方の情報を交換しあったあと、ティータはチャンネルを個人通話に切り替え、声を潜めて私に伝えた。
 〈始祖移民船〉から戻ってきて以来、ユーリ艦長の様子がおかしい、と。
「おかしい、とは?」
「ん、仕事はいつも通りきっちりやるんだけどね。時々ぼんやり遠くを見てる、っていうか、ずっと誰かを探してるみたい、っていうか。ユーリとは彼が宇宙に出た頃からのつきあいだけど、こんなこと初めてよ」
 彼のクルーの中でも最古参の部類に入るティータは、弟を心配する姉のような表情で目を伏せた。
 合流後に艦長を訪ねる旨を伝えて通信を切った後、私はかすかな違和感を覚えた。
 ユーリ艦隊のメインオペレーターは、以前からあの女性だっただろうか?
 惑星ザクロウでの会話は何についての話題だった?
 何かがかみ合わない感覚を拭い去れないまま、私は副官にシャトルの用意を命じた。

「いらっしゃい。艦長ンとこに夜這いっスか?」
 似合わない敬礼と下品な軽口で出迎えてくれた顔なじみの保安クルーに敬礼と苦笑を返し、通い慣れた艦長室へ向かう。
 まっとうな軍人ならまず激怒するであろうこの手の冗談を咎める気になれないのは、彼らが私を客人ではなく生死を共にした仲間として扱ってくれていることがわかるからだ。
 彼らの思考は「人類は宇宙に出るには未熟すぎる存在である」と説くアッドゥーラ教のそれとは対照的なものだ。
 確かに宇宙は人間の生存には適さない世界だ。
 だがその過酷な環境を切り開いてきたのは自分たち0Gドッグである、という自負が彼らにはある。
 隔壁の一枚向こうに死があるからこそ笑って立ち向かうのだ。状況が絶望的なら笑い飛ばすのだ。不景気な顔をして死にたくはない。
 彼らのこうした愛すべき気質を隠蔽に利用することにはかすかな罪悪感があったが、隠さなければならない事実が消滅した現在、それはカモフラージュではなく、何ら痛痒なく口にできるただの笑い話となった。

 夜を共にすることがなくなった後、ユーリ艦長と私の関係は、客将と軍人という本来の姿に戻った。
 私情を引きずることのない彼の態度に私は寂しさよりも好ましさを覚え、自分もまた同じように行動できることに安心した。
 そう、これでいい。
 私はまだ、彼と共に戦うことはできるのだ。

 眠っているようなら伝言だけ残してそのまま帰ろうと思っていたが、ドアをノックすると室内からいらえがあった。
 濡れ髪を拭きながら出てきたユーリ艦長の姿に一瞬心臓が跳ね、物欲しげな目をしていなかっただろうかと表情を繕う。
 結局のところ、私はいまだに演じるべき役割を全うすることはできずにいるのだ。
「『むさくるしい格好でうろうろされると迷惑だから、シャワー浴びていいかげんに寝なさい!』とティータに怒鳴られた。あれが嫁さんじゃ、トーロも苦労するな」
 私のささやかな動揺を気にする様子もなくそう笑った艦長は、ティータの心配とは裏腹にいたって普通に見えた。手振りで室内に招き入れられる。
「大方の状況はティータから。ご無事で何よりです。各艦の損傷はかなり激しいようですが」
「ああ、まさかあんな辺境まで皇子さま自ら追いかけてくるとは思わなかった。あいつのあの無鉄砲さはもう病気だな」
 寝不足による高揚状態なのか、艦長は饒舌に答えた。だがその饒舌さに、私は何か空疎なものを感じた。
 部屋の奥に目をやると、今回の探索で入手したものなのか、ヴォヤージ宙域で小マゼランへの道を開いたのと同じ形状のエピタフと、まるで座っているかのように椅子にもたれた、動かないドロイドが見えた。
 私は軽く息を吸い込むと、艦長の目を見据えて本題の質問を投げた。
「〈始祖移民船〉で何があったんです」
 艦長の表情がわずかにこわばる。数秒の沈黙に明確な拒否を読み取った私はため息をついた。
「まだ公表するわけにいかない内容でしたらかまいません。忘れてください」
 数え切れない死線を潜り抜けてきたユーリ艦長がこれほどまでに動揺するとは、あの場所には一体何があったのか。
 だがそこでどんな衝撃的な出来事があろうと、今の彼には強い愛情に結ばれ、彼を支える女性がいる。彼を心配するのは私の役目ではないのだ。
 胸の奥の鈍い痛みを、表情に出ないよう抑え込むのにはもう慣れた。
 何故かその女性の顔を思い出せないことを不思議に思いながら作戦会議の予定を告げて退出しようとした私に、艦長がどこか助けを求めるような目で訊いた。
「チェルシーを、覚えているか?」
「は……?」
 聞き覚えのない名前に私が記憶を手繰ろうとした瞬間、艦長が私の腕を掴み、重力が消失する感覚とともに天井が見えた。
 一瞬詰まった息と背中に走った痛みに、床に叩きつけられたことを理解する。
 私にのしかかった艦長が、喉の奥から乾いた笑いを漏らした。
 先程までの過剰なまでに揺れていた表情から一変して何の感情も伺うことができなくなったその顔に、私は心配や同情ではなく純粋な恐怖を覚えた。
 ティータの懸念は正しかった。今のユーリ艦長はまともな精神状態ではない。
 彼はあの場所で、決して失ってはならない大切な何かを失ったのだ。
 怒りと悲しみと自責と諦めと。凄まじい内圧で膨れ上がったそれらの感情は、すでに彼の心を押し潰してしまったのはないか。
 肩が外れるのではないかと思うほどの力で押さえつけられ、着衣を乱暴にはぎとられる。
 抵抗する気はすでになかった。ここで私が彼を拒めば、たぶんこの人はこのまま狂う。
 ろくな慣らしもないままそこに怒張したものがねじこまれる。無理な方向にかかった力をどうにか逃がそうとするがうまくいかず、思わず上げかけた悲鳴をかろうじて堪える。
 粘膜が裂ける感覚とともに熱を伴った痛みが背骨を駆け上がり、強烈な不快感が胃を裏側から掴む。
 許容量を超えた知覚の濁流に混乱する頭に浮かんだのは、彼と最後に寝たのはいつだったろう、という場違いに呑気な疑問だった。

 背後から私を貫いている艦長が、うわごとのように何度もその名を呟く。
 それは彼の大切な誰かの名前なのだろう。だが私はその人を知らない。
 どういうわけか悔しさや妬ましさはなかった。
 そして、彼がその人を喪ったのであろうことがわかって、何故か私も寂しさを覚えた。
 血なのかそれとも他の体液なのか、抉られている部分ではなく頭蓋骨の内側を跳ね回るような痛みとともに、内腿を生暖かい感触が伝う。
 そんな状況でも、抱かれることに慣れた身体は内壁を擦り上げられるたびに痛みに混ざった快感を拾い、萎えたままのそれはでたらめに精を吐き出す。
 雄と雄である以上、この人と私が完全に溶け合い、次代に命を繋ぐことはない。それが可能な誰かに空しい嫉妬を覚え、彼の前から逃げるように去ったのはいつだったのか。
 彼の瞳に私は映らない。今の彼にとって私はただ衝動を爆発させるための道具にすぎない。
 これは強姦ですらない。彼の自傷行為だ。
 それでも、脈動する熱を身体の奥に感じながら、私はどこか幸せだった。

 美しい女性が見えた。
 淡い緑の髪。
 湖水の透明さを湛えた、悲しげな瞳。
 おそらくはただの幻なのだろう。この女性を私は知らない。
 だが、彼女が何を言おうとしているのかはわかったし、その言葉を私が守らなければならないということも確かだった。
 ——ユーリを——。
 それはきっと、いつかどこかで交わされていた約束。

 どのくらいかわからないが、失神していたらしい。
 目を開くと、ユーリ艦長が今にも泣きだしそうな顔で私を見ていた。
 迷子になった子供のような表情の、その頬に手を伸ばす。
「何があろうと——」

 ゆっくりと身体を起こし、冷えきった唇にくちづける。

「あなたの背中は私が守りますよ、『ユーリ』」
 ユーリ艦長が目を見開いた。
 私が彼を役職なしの名前で呼んだのはこれが最初だ。そしてたぶん、最後になるであろうという気がした。
 決壊しそうな感情を必死で抑え込んでいるようなその顔を見る。
 彼は泣きたいのだろうか。泣きたいときは、泣いてもいいのですよ。いつか私が言われたように、そう言うべきなのだろうか。
 だが私はそうしなかった。
 泣くことは、想いに区切りをつける行為だ。今の彼にそれをさせてはいけない。私に向いているわけではないその想いは、ここで断ち切ってはならないものだ。
 何故かそう思ったのだ。

「俺を、殺してはくれないのか?」
 どうにか服装を整え、まだ少しふらつく足で部屋を出ようとした私に、床に座り込んだままの艦長が言った。
 どれだけ無様な真似をさらそうと生き続ける、そう宣言していた彼の口から出たその言葉の意味をはかりかね、私自身が言ったことだったのを思い出す。
 あのやりとりは、遠い昔の出来事のように思えた。
「わかっているはずです。あなたはもう、私が殺せる存在ではありません」
 あなたを殺せる人がいるとすれば、と言葉を続けようとした私は、その人物が誰なのかを思い出すことができなかった。

***

 魚の群れのようにゲートの向こうに消えていく艦列を見送りながら、私はぼんやりと考えていた。
 ユーリ艦長たちに道を開いたあのエピタフは、一体誰の墓碑銘だったのだろう。
 そもそも何故あれは「墓碑銘」と呼ばれているのか。
 ——彼を名前で呼ぶのには最後まで慣れなかったな。
 緊迫した事態にそぐわない思考の流れに私は苦笑した。これは未練だ。
 軽く頭を振って迷いを切り捨てる。
「ファラゴ少将を呼び出してくれ。封印していた例の二番艦が必要とされる日が来た、とな」
 戦慄の表情を見せた副官に復唱を促す。
「急げ。併せて八時間後の自動発信で、恒星ユルグスから五十光年以内の居住惑星すべてに対し、超新星警報と避難勧告を」

 ほどなく少将が個人通信画面に現れた。向こうも断続的に戦闘が続いているらしく、疲れた表情でため息をつく。
「お前があれをユルグス極点面に配置しろと言ってきた時も驚いたが、本当に使う羽目になるとはな」
「閣下は私に脅されてキーを渡したのです。後に悪名を残すのは、シュナイツァー兄弟だけでいい」
 十年前の出来事を知る者の間では禁句となっている兄の話を持ち出した私に、少将が眉をひそめる。
「お前の艦隊はどうする」
「危険宙域を迂回してそちらに合流する余裕はありません。ゲートを通じて小マゼランに脱出させます。あとは部下たちがうまくやってくれるでしょう」
 言葉にしなかった「それが可能ならば」という前提を読み取ったのか、ファラゴ少将は沈痛な面持ちで頷くと、画面から姿を消した。

 解凍した承認キーで、姉妹艦が失われたあと名を与えられることもなく封印されていた「二番艦」のエクサレーザー制御システムを、自分の端末にリンクさせる。
 これを使えば、この宙域は拡大するスターバーストに呑み込まれ、近隣の星系にも致死量のガンマ線が降り注ぐ。敵だけでなく、味方や民間人にも相当数の犠牲者が出ることになるだろう。
 だが大量殺人者と罵られようと、故郷を失った人々の怨嗟を背負い込むことになろうと、連中にここを突破させるわけにはいかない。
 悲壮感も罪の意識も何故かなく、奇妙に安らいだ気分の自分にふと気づく。
 私はすでに正気と狂気の境界を踏み越えてしまったのだろうか。
 もしかするとあの時の兄も、こんな気持ちであの決断を下したのだろうか。

 もしも十年前、兄がマゼラニックストリームで戦死しなかったとしたら、遠からず私の存在が兄を破滅させていただろう。
 兄は私の愛に——妄執に応えてしまったからだ。
 だから私は、愛されはしないが必要とされているユーリ艦長との関係に居心地の良さを覚えたのだろう。ユーリ艦長が私ではなく彼女を愛していることがわかっていたから、安心して彼を愛することができたのだ。
 だが「彼女」とは一体誰だ?
 パズルのピースがひとつ足りない。
 いや、そうではない。
 断片的に浮き上がってくる記憶が、ひとつの事象として認識される前にどこかへ拡散している。

「敵先鋒、約二十分で交戦距離に入ります!」
 索敵士官の緊張した声が、再び場違いな考えに沈みかけた私を現実に引き戻した。
 ひとつ深呼吸してメインモニターを睨む。
 今は目の前の戦闘に集中しろ。発射までの時間を稼げずに、みすみす彼らへの追撃を許す結果になっては目も当てられない。
「総員対艦戦用意! 何があろうとここは通すな!!」
 負けいくさにつきあわせる羽目になってしまったクルーたちに心の中で詫びながら、可能な限り落ち着いた声を作って全艦に命令を伝える。
 それが達成不可能なものであることは、最初からわかっていた。

 不規則に舷側を掠めはじめたビームがシールドの干渉波と接触し、可視光線に分解されて散乱する。
 生まれては消えるその光に目をすがめつつ、私はあのときのユーリ艦長の言葉を思い出していた。
 ——人が光の速さを超えるようになって、それは本当にいいことだったのか。

 共にそれを見ることは叶いそうにないが、いつか彼は、星の海の向こうにその答えを見つけることができるのだろうか。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

作戦会議で他の面子が発言しまくる中ひとりだけ「……」な弟さんと、色々あった後大マゼラン側の状況を知らされた時の艦長の動揺ぶりでここまで妄想余裕でした。
機動力皆無な感じのあの艦は事前にしかるべき場所に置いておかないと間に合わないと思うので、こういう解釈に。

なんかもう色々とやらかしてしまった連作におつきあいくださった方、投下に協力してくださった代行者様、ありがとうございました。

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