Top/69-227

Choose your friends

取れ淫素保゜ってぃんぐ
レソトソ+ビョーキ野郎
※映画版準拠、本編開始以前にレソトソが薬物断ちをしているとき、という設定です
※エロなし、二人がラリってイチャコラしてるだけ
※妄想&捏造アリなのでご注意を

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

安フラットの一室。まだ日は高いものの、電気が通っていないので薄暗い。
「……で、禁ヤク生活一日目のご感想は?」
金髪の男は訪ねて来るなりそう尋ね、ニヤニヤしながら口唇の片端を皮肉に釣り上げる。
俺が黙って顔を背けると、そいつ──ツックボーイはわざわざ俺の正面に回り込み、下からのぞき込むようにしてクソッタレな笑顔を見せ付けてくる。
「人が聞いているのにそうやって無視するのは感心しないな、マーク・レソトソ君」
発音こそ俺たちの愛すべき(!)スコッ卜ランド訛り丸出しだが、このOO7オタクの腐れビョーキ野郎がさらりとスーツを着こなしてこんなキザったらしい台詞を吐くと、どういうわけかサマになるから余計に腹立たしい。
腹立たしいからなおいっそう無視を決めこんでやると、ツックボーイは「ハイハイ、降参降参」とでも言うように肩をすくめ、両手をヒラヒラさせて見せた。
そして当然のような顔をして、俺の真横にどさりと腰を下ろす。床には種々雑多のゴミが散乱しているが、奴は一向にお構いなしだし俺も気にしない。
何しに来た、という俺の問いには答えず、奴は何かを取り出す。
改めて見るまでもない──クスリだ。注射器をボールペンのようにくるりと回して見せると、ツック・ボーイは最高に嫌味な笑みを浮かべて片目を瞑った。
そして俺は、こいつがわざわざ俺の居場所を探してやって来た理由を確信するに至る。

「汝、ヘ口インの悦楽の極みを味わいたくば、断薬中の者の傍らにて打つべし」
聖書を読み上げる牧師よろしく大げさな口ぶりでフザケたことを言うと、奴は針を自分の腕に突き立てた。
そして、自分で自分を焦らすかのようにゆっくりとピストンを押す。
「んっ、ぁー……やべえ、これ、本気で上物じゃねえか……」
言いながら、そのまま後ろにどさりと倒れ込む。見慣れた光景。
恍惚とした表情で、顔面の筋肉は弛緩しきり、半開きの瞳の上では長い睫毛がざわざわと揺れる。
一部の隙もなくキメたはずのスーツ姿はすっかり乱れ、シャツの裾がズボンから飛び出し、クスリで痩せた腹が覗く。
あられもない、とはこのことだ。
「女の子もいいけど、こっちも最高だな。……まったく、やめようとする奴の気が知れねえ」
切なげな吐息混じりに漏れ出る声は、そのヘ口が本当に上物だということを物語っていた。

……。
…………。
…………………………………。
思案すること約二分。
「……修道院長のところに行ってくる」
これが最後、本当に最後の一発だ。
そう堅く心に誓って、俺は安フラットを後にしようとする。だが。
「待て、おい、待てよ」
振り向くと、奴が上半身だけ起こして何かの包みをひらひらさせている。
「大親友のサイモソ・ウィリアムソソ様が、どうしてお前の分を用意してないと思うんだ?」
──かくしてマ一ク・レソトソの脱ヤク宣言は、1日ともたずに撤回されることとなる。

ほどなくして俺たちは小汚い安フラットの床に仲良く体を並べ、仲良く左腕の静脈に注射針を刺していた。
隣りでツック・ボーイがモゴモゴと何かを言っているが、キマり過ぎていて呂律が回っていない。
だが言っている内容はわかる。それはこうだ。
──Welcome back to our shite club, Renton.
その軽口にfから始まる卑語で返すと、俺は目を閉じてめくるめく快感を受け入れる準備をした。

英国の日没は早い。さっきまで高かった日はもう傾きかけている。
角度が変わり、黄金色の夕陽が汚れた窓越しになだれ込むと、瞬く間に部屋中を同じ色に染め上げた。
いや、それは単にトリップで誇張された光景なのかもしれないが。
そんな夢うつつのなかで、ふと俺は遠い昔の日々を思い出す。
あいつも俺もまだ餓鬼で、日が暮れるまでサッカーをしたあとは、こんな風に寄り添って草むらに身を横たえたものだ。
もっともあの頃は奴も俺もヘ口インのヘの字も知らなかったし、場所だってこんなゴミだらけのフラットでなく、何より頭上に広がるのはどこまでも広く澄み切った空だった。

  ……なぁ。
    ……ん?
  ……ちょっと昔のことを思い出してた。
    ……実を言うと、おれもだ。

隣りで、ふっと笑みを漏らす気配がする。
いつもの人を小馬鹿にしたような嫌味なものでなく、奴がなかなか人に見せない、本心からの笑顔。
だがそんな甘やかな郷愁も長くは続かず、上等のヤクだけが見せてくれる鮮やかな幻覚に呑み込まれていく──。

トリップから醒めると、すっかり日が暮れて暗くなっていた。
ツック・ボーイは汚れたジャケットを丁寧に手で払い、シャツをズボンに突っ込むと、ネクタイを締め直しにかかる。
これからまた女の子でも引っ掛けに行くのだろう。
俺はデニムのポケットに手を突っ込み、しわくちゃに丸まった紙幣を何枚か探り出す。
「いくらだ?」
細身のソリッドタイを鏡も見ずに器用に締めながら、奴は空いている方の手を振って見せた。
「レソツ坊やが半日ガマンできたご褒美だ。そのブツは喜んで進呈しよう」
「ふざけるな。カネは払う」
「お前のその悔しそうな顔を見られたんだ、代金としてはそれで充分だな」
来たときとそっくり同じ格好に戻ったビョーキ野郎は、やはり来たときとそっくり同じ嫌味なニヤニヤ笑いを顔に張り付け、言った。
……少しでも友達だと思った俺が馬鹿だった。こんな腐れ野郎に義理を立てる必要はない。

そうだなぁ、とヤク道具一式を片付けながら、ツック・ボーイは思案げな表情をして見せた。毎度のことながら言動がいちいち芝居がかってワザとらしい。
「そうだな、今度お前が禁ヤクするときは、おれも一緒に付き合ってやるよ」
「……何のつもりだ?」
「決まってるだろ。苦しむお前をよそに軽々とこなして見せて、優越感に浸っ──」
「とっとと失せやがれ(Fuck off)!!」
返事の代わりに、奴は背を向けたまま片手を挙げる。そして歩き去る。
まったく、俺はなんだってあんな野郎とつるんでいるんだ。
怒りにまかせてタバコを引っ掴み、火をつけた。
肺腑いっぱいに煙を吸い込み、そして吐き出す。
暗い部屋に広がる紫煙を眺めながら、こんな毎日がいつまで続くのだろう、と俺はふと思った。

人生を選べ、出世を選べ、バカデカいテレビを、洗濯機を、車を、コンパクトCDプレーヤーを──クソだ、バカバカしい。
じゃあ、「OO7オタクのビョーキ野郎といることを選ぶ」のは?
──一番ありえない。言うまでもないだろ──俺は笑う。
俺は立ち上がると、一瞬でも浮かんだバカげた考えをタバコと一緒に放り投げ、踏み消した。
──……だいたい、選ぶまでもなく奴はいつでもそこにいる。ヘ口インみたいなものだ。
──…………。
──………………なかなか得難いヘ口インだ、程度には言ってやってもいいが。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
初投稿でミスやらトラブルやらが多く、ご迷惑をおかけしました。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP