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光が瞬く間に

sfの巨匠二人、時をかける先生と短編の神様。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

作り出したか現れたのか、現実なのかSFなのか。
「分類なんて無意味なモノさ。
もし君の身に何か起こったとすれば、
それは君では無く君の先祖のせいだよ。」
なんて、貴方なら言う気がする。
ここ数日冷え込んでいたのが嘘のように暖かい。
今日だけはストーブを使う事も無いなあ・・・と、
日の射す書斎で一人ペンも動かさずに考えていた。
春眠暁をなんとやら。春は性質が悪い、
暖かいのはありがたいが
つい夢うつつの世界に落ちてしまう。

ああ、こうなったらもう駄目。
布団まで行くことすら億劫だ。
ここなら転寝しても風邪は引かないだろう、
まあ別に引いたところで何でもないが。
誰に聞かせるわけでもなく言い訳をこぼしているうちに、
少しずつ意識が世界からフェードアウトされていった。

夕方まで起きることは無いと思ったのに、
気づけばつい先刻までの書斎の風景。
陽の光は更に空を包み込んでいるらしい、
眩しく感じるほどに。
起きたばかりだが感覚は覚醒している。
気持ち身体も軽い。でも何か違う、なんとなく、何か。
なんだ、貴方ですか。
まだ迎えに来るのは早いと思いますよ。
宇宙には興味があるけれども、そういった兆候はありませんので。

随分若返って・・初めて会った時と変わらないじゃない。
スラリとした長身痩躯、年の割りに幼くあどけない、
だけどなかなか読ませてもらえない
その美しいポーカーフェイス。
ずるいなあ、僕だけこんなに年取っちゃって。
その薬欲しいですよ。
それとも宇宙に行くとみんな若返るのか?
まあ向こうに行ってからの楽しみにします。
だからタネは明かさないで下さい。

手を取って何をするつもりでしょうか。
「宇宙人」は透けるものだと思っていたから少し驚いた。
そして、あまりにも懐かしい体温にも。
長くしなやかな指先が、花を愛でるように優しく僕の指先を包み込む。
束の間の一瞬が永らく開いた空白を埋めるような、
そんな都合のいい、けれど酷く心地良い何か。
はにかんだ微笑みは相も変わらず気品に満ちている。

ああ・・またどうしてこんな時に、こんな事はめったに無いのに。
美しいだけでは唯の思い出だ。
宇宙での下世話な風俗、愚かしい宇宙人、最新の乗り物、
聞きたい事が山ほどある。
出来ることならこのまま貴方を帰したくない。
もう二度とカレー食べてる時に肥料の話はしませんから、
安心して一緒に居ましょう。
駄目なのですか?その曖昧な笑顔は・・
保志さん、暁を覚えない僕を許してくださいね。
ごめ・・な・・・さい・・・。

起きたのは予想通りの午後3時。
身体の芯から暖かいのは、中身は忘れたが夢のせいか。
特に感じる指先の温もりは・・
この年で指でもしゃぶっていたのだろうか。気持ち悪い。
それとも、ありえないが、美しい誰かが暖めてくれたのか(不細工は嫌だ)。
まあなんでもいい。とにかく気持ちよく寝られた。オオタのせいか?

そういえば、とある古い友人は妙に僕の指先が好きだったようだ。
彼曰く「程よく綺麗だから好きなんだ。綺麗過ぎないから余計愛しい。」
褒められているのか貶されているのか、よく分からないが・・・。
さて、もう一度寝ようかな。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

長時間失礼いたしました・・・

  • もえました。。このお二方にすごく興味がわきました、ありがとうございます。。。 -- 2013-02-26 (火) 16:27:51

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