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現代版ジョンシャロ

B/B/C シャー/ロック ジ/ョン×シャー/ロックです。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オクリシマース!

「さっきも言った」
帰るなりソファに仰向けに寝ている”お帰り”も言わない同居人に咎められた。
「…今日は何、ペン?携帯?」
「携帯。上着」
呆れた。またか。
一目見ればわかる。両手を尖塔の形に合わせ口元にあてていればだいたい行先は精神の宮殿だ。
要するに、ふか~い考え事の最中だ。
僕が二時間前から買い物にでかけて居なかった事にすら気づかずに、
”上着に入ってる携帯を取ってくれ”と僕に話しかけてしまうほどの。
ちょっと起き上がって数歩行けば取れるのに、彼はそれをしない。
「手足があるんだから自分で取れよなまったく」
そんな事を言ってもどうにもならない事はよくわかっているから、黙って上着に向かった。
「……おい、無いぞ」
「そんなはずはない。よく探せ」
偉そうに。
内ポケットも外も、布の底まで探ってあたりを掻き回しても無い。絶対無いぞ。
「上着じゃないんじゃないのか?」
…返事が無い。
いきなりさらに深い思考へと行ってしまったようだ。くそ、地下牢にでも入ったのか?
ああもう仕方ない。洋服のどこかに入れてるんだろう。身体検査だ。
仰向けに寝ているシャー/ロックの横に立ち彼を見下ろした。
目を閉じてお祈りのポーズをしているかのような彼の姿はまぁ、嫌いじゃない。
どこか神々しいとすら思う。

ソファの前に跪き、シャツの上から手探りで探す。
見た目からしてこの体にフィットしたシャツの下には何も無さそうだが、彼は何を考えるかわからない所があるから念のため。
しかし人間の指先の感覚は実に正確だ。防弾着的なものは元より、インナーすら着ていない事がわかる。寒くないのか?
体温は…6度5分って所か。見た目と生活に反して実に健康的。
おっと、ボタンに指がひっかかったと思ったら簡単に二つほど外れてしまった。
なんでこんなに胸元がパツパツなの着てるんだか…
胸の膨らみは若干柔らかいが明らかに胸筋。普段研究ばかりしているのになんでこんなに盛り上がってるんだ?
ポケットがあったとしても胸に押しつぶされてここに入る余裕は無さそうだ。
これまたピタッとした細身のパンツに奇麗にしまわれたシャツを引っ張りだし、念の為捲って目視で確かめる。うん、何も無い。
上半身に無いって事は下半身か。
パンツも細過ぎて腰骨に阻まれて前のポケットには手が入らない。当然ここには無いだろう。
て事は、彼の下敷きになってるパンツの後ろのポケットが一番怪しい。
上半身から下半身に向かって腰の左右に手を回し、ねじ込むように彼のポケット付近に手を伸ばす。
そのままジリジリと手を進めて掴むように探った所で、シャー/ロックがビクッと動いて慌てて起きようとした。
が、僕が胴に覆いかぶさるように居るから起きあがれずさらに慌てている。
「大丈夫、僕だ。シャー/ロック」
振りむいて顔を見せてやると彼は何が起こっているかわからないという顔で目を数回瞬かせると、「ジョ/ン」と言った。
「やあ。お帰りシャー/ロック。気分はどう?」
「何してる?」
「君が携帯を取ってというから探してる」
「携帯なら上…」
「上着に無いからこうして探してる」
「そんなはずはない」
シャー/ロックはやっと自分で確認しようとしているようなので一旦引こうと手をグリグリと動かした。
「ハッ…」
またシャー/ロックの身体が跳ねる。随分色っぽい反応するんだな。
その拍子で抜けたので身体を離すとシャー/ロックは何もそこまでというほど慌てたように飛び起きた。
そして自分の違和感に気づいたらしい。
シャツのボタンは中途半端に外れ、裾はだらしなくはみ出している。…しまった。
みるみる怪訝な顔になった。ああもう。

「おい、言っておくが誤解はするなよ」
「ジョ/ン、僕に何をした?」
「シャー/ロック。僕は何もしてない。上着に携帯が無いから着ている洋服の方にあるかもと思って探っただけだ」
「僕のシャツのどこに携帯が入ってるって言うんだ!一目見れば無いのは明らかだ!」
「凹凸が無いとは思ったよ。でも君の事だ。もしかして中に何か着込んでいるかもってね」
「あの下半身の触り方はおかしい!」
「…そんなつもりは無かった。でも、君はどうやらそこが敏感だったようだね」
「そんな事はない!あんな風に触られたら誰だって、…」
口ごもるシャー/ロックに驚いて目を見開いたら、それを見たシャー/ロックの口がへの字に曲がった。
「いいかジョ/ン、僕が敏感かどうかなんて僕は知らないし、どうでもいい。ああ早くしないと考えがどこかへ行ってしまう!早く携帯を!」
「だから、上着には無いって言ってるだろ。とりあえず僕の携帯を貸してやるから、ほら。」
わかりやすく話を逸らしたな。なんで僕がご機嫌を取るはめになってるんだ。くそ。
「僕のじゃないと駄目だ!」
「駄々をこねるな。調べたい事は何だ?メールか?」
シャー/ロックに画面を向けて受け取るように手を伸ばすと同時に、図ったかのように僕の携帯が着信した。
「…マイク/ロフト。」
シャー/ロックの顔がさらに歪む。マイク/ロフトからか、なんてタイミングの悪……いや…まさか。
画面を確認すると、発信者は『シャー/ロック・ホー/ムズ』だった。ああ、なんてこと。
シャー/ロックはツーンと音でもしそうなほどそっぽをむいてしまったので、結局僕が応対する。
「…もしもし?」
「やあ、ドクタージョ/ン・ワト/ソン」
シャー/ロックの推理通りの人物が出た。携帯は彼の兄が持っているらしい。一体何故?
「シャー/ロックはお目覚めかね」
「何故あなたがシャー/ロックの携帯を持っているんです?説明してください」
「先ほどそちらへ行ってね。とある案件を依頼しようと。ところが、いくら話しかけても答えなくてね。ま、昔から宮殿に行くとそうだった。
 しかしこちらは急いでいたんでね。君がいてくれたら話は早かったんだが。とりあえず必ず連絡がくるようにね。」
「携帯を盗んだんですね。まったく。」

「彼が部屋に居ない君に携帯を取ってくれと話しかけていたから、取ってやったまでだ。彼、なんて言ったと思う?」
「なんです?」
「”ありがとう、ジョ/ン”…可笑しくてね。」
それで携帯を渡さずそのまま持って帰ったってわけ?呆れた兄弟愛だな。
シャー/ロックはそんな事があったのは忘れているみたいだ。
「…シャー/ロックは相手が殺し屋や悪党ならすぐに宮殿から帰って来ますよ。
 帰って来なかったなら、あなたはシャー/ロックの信頼を得ているって事でしょう。早く返してあげてくださいね。必要みたいですから」
「……フフフ、そうしよう。悪かったね。それで、依頼というのは---」
通話を終えて盛大な溜息を吐く。
見ろ。シャー/ロックは癇癪を起していて依頼どころじゃないぞ。こうなる事はわかっていただろうにマイク/ロフトめ。
だが今の依頼はシャー/ロックにとってとても魅力的な事件だ。全部見通しての事なんだろう。
そんなだから嫌われるんですよ。まったく。
ああ良かった!この兄弟に関わっている限り僕に退屈は訪れそうにない!
さて、どうやってこの大きな子供を大人しくさせようか?…そうだ、さっきちょうど大人しくできそうないい手段がわかったんだったな。
うん、いい考えだ。この兄弟にはたまにお灸を据えてやらないといけない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

57 ありがとうございます


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