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サヴダージ

立て続けにすみません。投下させてもらういます
海外足就月却。葡赤鷲10と現西班牙白水色9。白水色9が赤鷲にいた頃の話です。相部屋は捏造です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )
オオクリシマース!

あの時は確かに彼の心臓の音が離れていても聞こえていた。
むしろ、心臓が一つにつながっているような気さえしていた。
今は自分のものしか聞こえない。

生まれて育った大陸を離れて、もうすぐ10年が経とうとしている。
生まれてからハタチを過ぎるまで常識だったうだるような暑さの中での12月は、雪の降る12月に変わり、も うそれが自分の中の冬に変わりつつある。

眠りに落ちる前に、こんな風にナーバスになることはよくあることだった。
こんな時は悪い想像ばかりしてしまう。例えば、もし負けてしまったら、だとか、相手の執拗なマークで痣だらけの身体をピッチに横たえる自らの姿が脳裏に際限なく浮かんでは消えて行く。
年上のチームメイトたちに相談しはしたが、生来の性格はなかなか変えられないもので、今は誰に相談することもせずやり過ごすようになっていた。
しかし、今日はいつもとは勝手が違うのだ。()

昔詩人は、この国の崖にたち、ここは地の果て、と謳ったという。
確かにあの崖から見る景色は、地の果てから見るような景色だった。果てしなく広がる海。
地球の下側、南半分からやってきて、情熱の国を去り、とうとう地の果てまでやってきた。
そして、この郷愁の国で、とうとう親友と巡り会えた。

もう17歳と19歳じゃないんだね、そっとそう呟くのが聞こえたとき、親友の顔からちょうど視線を外していた。その言葉にあわてて顔を上げたが、そこにあったのはいつもの彼の明るい笑顔だった。
言葉を発した時、どんな表情をしていたか、どんな気持ちで彼がそう言ったのかは、そこからはもう推測することは出来なかった。

14歳で故郷の田舎町を離れ、大都会に足を踏み入れた時、同じ国の中なのに気候がちがうことに驚いた。
30歳を迎えた今、故郷からは遠く離れた国にいても、もうその違いにはあまり驚かなかった。
それまで住んでいた国の隣の国に移動しただけ、ということもあるにはあったが、それよりも、
わずかな違いはあれど、ボールを蹴って、ゴールを目指し、ネットを揺らす。人々がそれを見て、踊るように身を弾ませて声を上げる。スタジアム全体が揺れ、熱を帯びる。
やってることは何も変わらない、ただ、ともに戦う人間が違うだけで。
隣に寝ている彼は動かない。安らかな寝息を立てている。
彼の精神は健全そのものだ。まっすぐ生まれ、まっすぐ育ち、辛いことだって多くあっただろうにその鬱憤晴らしに誰かを傷つけることもない。
近しい人からは皮肉屋と呼ばれている自分にはない、明るい光、それは灯台の光そのものだ。
同じチームで少年時代を過ごし、少年時代の終わりと共に二人はバラバラのチームでプレイした。
しかしまた運命が、彼を自分に近づけてくれた。

そっと存在を確かめようと、ベッドから腕を伸ばし、体に触れようとする。
あと少し、指先が身体に触れるか触れないかでその指は届かない。
諦めた。彼の身体には触れられない。力なく腕が下がる。
隣のベッドで寝ている彼の衣擦れの音が聞こえ、起き上がる音がした。慌てて寝たふりをしていると、そっと頭を撫でられた。
彼は今まで起きていたのだろうか?いや、それはないだろう。
それでも、それを合図にして、彼は深い眠りに落ちた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

白水色9が赤鷲からいなくなった時はショックでした…赤鷲10は白水色9に依存している


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