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崩壊

ナマ注意。某大御所テクノバンドで鍵盤×太鼓。病んでる。捏造注意。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

あのころは楽しかった。毎日2人で夜が明けるまで騒いで、疲れたら眠って。
いつからだろう。取り巻く環境がこんなに淀んでしまったのは。
こうして君といても、楽しくなくなってしまったのは。
そして、その線の細い身体を抱いてみたいと、そう思い始めてしまったのは、いつだったか。

悪いのは俺じゃない。どんどん膨らんでいく、あの化け物だ。

他愛もない話が途切れ途切れに続いていた。お互い、もう何も話すことなどなかった。
静寂を埋めるようにグラスを口に運び、気まずい雰囲気をアルコールでごまかすだけ。

「僕、もう、帰ろうか」
そう言って立ち上がる素振りを見せた幸宏を、ソファへ押し付けて圧し掛かった。
もしもあのころだったなら、ふざけて取っ組み合いでもして笑い合っただろう。
そして、こんなどうしようもない感情なんて湧いて来なかった。俯いて、思わず顔をしかめる。
困惑した様子で、幸宏がおれを見上げた。

「どうしたの、教授」
「別に、何でもないよ」
「痛いよ、放して。ねえ、どうしたの?」
君を抱きたい。自嘲気味に笑って、幸宏の首元へ顔を埋めた。

「一回くらい。いいでしょ、俺と」
「な…、やだよ、放してよ!」
「君の力じゃ無理だよ」
抵抗し始めた身体を押さえ込んで抱きしめた。優しくなんてしていられる余裕がない。
頬に手をやってこちらを向かせる。顔を背けられないよう首筋を攻め立て、紅い花を散らせた。
諦めたのか、抵抗する様子を見せなくなったのを図って口付け、軽く唇をはむ。
ためらいがちに薄く開いた唇を退け歯列を割り、奥に引っ込んだ舌を引き出して絡めた。
鼻にかかった声が耳をくすぐる。こうなればこっちのものだ。
唇を離すと視界に入ったのは幸宏の恐れが入り混じった目。

何してるんだ、おれは。そんな思いが酔いの回った頭を掠めた。
けれど、火の点いた身体は止められない。

「大人しく抱かれてよ。気持ちよくしてあげるから」
ぜんぶ壊れていく。あの化け物のせいで、すべて崩れていく。

――友達だったのに。

そんな声が聞こえた気がした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
全盛期はバンドの名前が一人歩きして大変だったろうなぁと。
ありがとうございました。


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