Falling chandelier
更新日: 2012-10-30 (火) 03:11:36
生。某セ糾弾の才ハ゛力三人。
遺跡前の設定で……。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
髪を切った。最近は忙しくてなかなか切りに行くことが出来ず、
すっかり伸びっぱはなしになってしまった。
せっかく切るならすっきりさせようと、思いきって短めにしてみた。
このぐらい短髪にしたのは久々だ。
散髪して初めに行く職場というものは、なんだか緊張する。
もうそこまで若くないんだから、そんなに気にする必要はないんだけど。
王求場入りして□ッ力ール―ムに向かうと、見慣れた背中が目に入った。
既に苑さんが着替えを始めている。
一番最初に会う干ームメイ卜がよりによってこの人かと、俺は溜息を吐きたくなる。
どうせいずれは見られるものだしと、割り切ってから□ッ力ール―ムへ入った。
「はよっす」
「おー」
軽く声を掛けると、苑さんは興味なさそうに素っ気なく答えた。
こちらには目もくれない。俺が気にしすぎだったのかと、少し気恥ずかしくなる。
自分の□ッ力ーの前に行き、俺も着替えを始める。
アソタ゛―シャツに袖を通していると、ふと横から視線を感じて、顔を上げた。
苑さんのどこか冷たい目が、こちらを見ている。
俺が見つめ返しても、苑さんは何も言おうとしない。
「何すか?」
自分の長めに伸びた髪の毛を指差して、無表情のまま答える。
「髪、切ったんだな。」
「はい、まあ。」
俺がよく分からない返事をすると、俺を馬鹿にしたような笑顔を見せた。
苑さんが俺によく見せる表情だ。
こういうことに無頓着そうな苑さんでも気付くのか。
…いや、結構切ったんだから、気付かない方がおかしいか。
短く切り揃えられた髪の毛が不意に気になってきて、手で触れてみる。
そんな俺を、苑さんはにやにやしたまま眺めている。
―もしかして、『似合ってる』だとか、そういう類のことを言ってくれるのだろうか。
そういうちょっとした期待をも、この人は平気な顔をして打ち砕く。
「似あってねぇな。」
分かってはいたけれど、期待した俺が馬鹿だった。
「そんなに似合ってないっすか?」
「うん。全然。」
苑さんのこのニヤけたような表情は、何を考えてるか分からないから苦手だ。
冗談だと思いたいけれど、もしかしたら本気なのかもしれない。
なんだか恥ずかしくなってきて、俺はひたすら髪を弄っている。
苑さんに文句の一つでも言ってやろうかと思っていた矢先、誰かが入ってくる気配がした。
振り返ると、重たそうな荷物を抱えた富士他さんがこちらに向かってくるところだった。
俺らと挨拶を交わすと、富士他さんはまっすぐに□ッ力ーへ行き、荷物をしまい始める。
その様子をぼんやりと眺めていると、こちらを振り返った富士他さんと目が合った。
「おー、岳ヒ□、髪切ったな。」
富士他さんは目を丸くして、俺の頭を見つめている。
先ほど苑さんに言われたことを思い出して、思わず手で前髪を隠してしまう。
「なんで隠すの。」
「…いや、なんとなく…。」
そんな俺を嘲るように、後ろで苑さんが鼻で笑う音がした。ちくしょう。
「ええやん、すっきりして。」
ぞのさんの不敵な笑みとは違って、富士他さんは屈託のない笑い方をする。
「そうっすかね。」
「うん、似合う。」
前髪から手を離すと、富士他さんが笑いながら俺の頭をぽんぽんと叩いた。
素直に嬉しかった。しかし、背中には苑さんの視線が突き刺さったままだ。
たぶん不機嫌なんだろうなと、頭の片隅で感じ取る。
だらだらと着替えている俺らをよそに、富士他さんは手早く着替えを済ませた。
「先行っとるわ。」
そう告げると、さっさとどこかへ行ってしまった。何やら急いでいるようだ。
□ッ力ーの前にしゃがみ、脱いだ服を畳んでいると、後ろから苑さんが近付いてくるのが分かった。
俺は気付かないふりをする。
何を言われるのだろうかと考えていると、不意に頭に手を載せられた。
びっくりして後ろを振り向くと、苑さんが屈んで俺のことを見下ろしていた。
「俺だって、似合ってると思うよ。」
ちぐはぐなことをぶっきらぼうに言いながら、苑さんが大きな手で乱暴に俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
さっき富士他さんがやったような優しさは微塵も感じられなかったけど、
どこか恥ずかしそうにしている苑さんがなんだか面白くて、俺はつい笑ってしまった。
「何笑ってんだよ。」
「…いや、別に。」
この人も、本当は優しいのかもしれない。
そんなことを考えた途端に頭を叩かれたから、ああやっぱり苑さんは苑さんだったと、
先程考えたことをすぐに撤回した。
苑さんはそれきり何も言わず、□ッ力ール―ムを出て行った。
一人になった部屋の中で、□ッ力ーに取り付けられた鏡を眺める。
鏡には、さっぱりとした自分の顔が映っている。やっぱり切って良かったなと、こっそり思った。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
規制に引っかかり、投下に時間がかかってしまいすみません。
代行の方、ありがとうございました。
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