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神さまという名の呪縛

・生物注意報。
・ひっそりとショウギ界。同ネタの短期間投稿ごめんなさい。
・十八世酩人×十九世酩人。何かの公/開/対/局の後とか。ゲロ甘。もう既にデキチャッテル的な。
・下手文章。別人18号。現実乖離ご容赦。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

部屋に戻るとソファに座り込んだ盛家が一枚の紙を凝視していた。
「凄いなあ…うん…」
対局中のように頭を掻きながら何やらぶつぶつと呟いているので、なんだろうと覗き込んで紙の正体を確認すると、ああ…と納得した。
それは参考のために貰ってきた棋/譜のコピー、それも先日羽舞自身が指したばかりのタイトル戦の棋/譜のコピーだった。

「そんなに面白いですか?」
ネクタイを外しながら同じソファに座り込み、研究の最中かと思うほど熱心に棋/譜を読み続ける盛家に訊ねる。
盛家は相変わらず凄い指し手を見つけた少年のように、目を輝かせながら片時も棋/譜から視線を離さない。

「いやあ…毎回思うことだけど、君と渡鍋さんの対局は凄いなあ。」
「渓川先生との対局のときも思っていたけど。」
「…まるで神さまの対局みたいだ。」
満面の笑顔で嬉しそうに語る彼の口から出てくる言葉は、全て自分とその将/棋への賞嘆の言葉。
本来なら喜ぶべきことなのだろう…けれど、嬉しいどころか彼がその言葉を口にする度に、
もやもやとした嫌な感情が湧きあがってくる。

せっかく久しぶりに二人きりになれたのに、
さっき君と将/棋を指したばかりなのに、
なんでこの男は他の人との将/棋の話ばかりするのだろう。

彼を研究用に借りているこの部屋に呼んだのは自分だった。
打ち上げの後、他の関係者と共に途中で別れた彼は、しばらくして約束通りこの部屋を訪ねてきてくれた。
先に自分用の部屋に彼を通し、別の部屋で途中だった所用を済ませた後、
やっと彼と二人になれると部屋に戻ったら…彼は何故か棋/譜の方に夢中になってしまっていた、という訳だ。

どんどん無表情になっていく自分に気づきもせず楽しそうにしている彼にさすがにイライラが募ってきて、
乱暴にその手から棋/譜を取り上げた。
「あっ…ちょ………うわあっ!?」
棋/譜を床に放り投げると同時に彼の大きな体を思いっきりソファに押し倒す。
突然圧し掛かられて呆然としている彼の胸に顎を乗せ、じっと彼の瞳を睨みつけて訴えかける。

―そういう話をするためにここに呼んだんじゃないんですけど。

しばし睨み続けていると、呆けていた彼の表情がバツの悪いモノへと変わり、
圧し掛かっている自分を抱きしめ返しながら「…ごめん。」と呟いてくれた。
彼の太い腕の暖かみを感じ小さく溜息をひとつ吐くと、自分も彼の厚い胸板に頬を摺り寄せて静かに寄りかかる。

わかってくれたのならそれでいい。
自分も無理矢理作ったこの時間をこんなことで無駄にしたい訳ではない。

やっと触れられた彼の体温に身体中の力が抜けていくのがわかる。
すると抱きしめられたままゆっくりと体勢をひっくり返され、ソファと彼の間に挟まれた状態で彼を見上げる。
広い肩幅。自分とは違う厚みのある身体。
視線を上げると彼の瞳は先程とは明らかに違った色を帯びていて、
じっと見つめてくれるその視線に自然と口元に笑みが浮かんでしまう。

なんとなく消化不良だったその日の対局が終わった後、自制が効かず舞台袖で彼の袖下を引っ張り、
驚いた顔をして振り向いた彼の瞳を見つめて視線で訴えた。

―まだ、足りない。
―こんなくらいじゃ、全然、満足できない。

あの時の視線の意味を彼は正しく理解し、そして今自分に与えようとしてくれる。嬉しくてしょうがない。

笑顔を向けると彼も笑顔で返してくれて、…そのままゆっくりと唇が降りてきた。

『…まるで神さまの対局みたいだ。』

彼は時折自分を神のようだと言う。
自分は選ばれた人間では無い。君こそが選ばれた人間の一人だと。

そんな風に言わないで欲しい。
自分は君の前ではただの将/棋指しに戻れるのに。
何の名誉も栄冠も肩書も無い、ただひたすらあの81升の盤上の真理だけを求め無我夢中で指し続けたあの頃のように。

接吻がどんどん甘く深くなってゆくにつれて自分も彼の頭を引き寄せて、溺れる人のように必死にしがみつく。

ずっとこうして自分を見失わないで、繋ぎとめていて欲しい。
もう君なしでは、自分は呼吸もできないから。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ムシャクシャしてまたやった。タツジン線ケッショウとかオウザ線とか沸き上がり過ぎた萌えをぶつけました。
昼は19世×18世。夜は逆。というイメージ。色々すみません。
18世→19世はダダ漏れですが、19世も18世に実はもの凄い執着してたら超萌えるとか思いました。
前回の投稿に反応してくださった方々、泣きそうなくらい嬉しかったです。ありがとうございました。
最後まで読んでくださった方もありがとうございました。

保管庫作りました。請求制ですがよろしければ。→ttp://msks00000.web.fc2.com/
こっそりやっていますので本スレにはレスしないでいただけるとありがたいです。


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