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陽光

ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

「月光」からの続き。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

僕は浅い眠りから覚めて、ひたすら途方に暮れていた。
何を考えようとしても、どうしようどうしよう、としか頭の中は回らない。
言い訳なんて何も考え付かないよ。
ベッドの中、隣りには、乾いた涙の跡を残してぐったりと意識の無い君。

一晩中、君を解放してあげなかった。
僕は夢中で、どれだけ君を食べ尽くしても飽き足らなくて、ずっとずっと
君と繋がっていたくて。何度も何度も君を抱いた。
しまいに君が泣いて、もう無理、もう許してと懇願しても、全然止められ
なかった。
揺さ振って、何度も奥まで突き上げて、まともに息も出来ない君の唇を更に
貪って。
掠れた声さえ出せなくなっても、ぐちゃぐちゃに溶け合ったまま、掻き乱し
続けた。

深い呼吸に合わせて上下する、華奢な背中。
触れるとしっとりと汗ばんで熱く、まだ夜の有り様を残しているようだ。
それは、夜の僕のひどい仕打ちを物言わず突き付けているようで、いたた
まれない。
ああ、ごめんね。本当にごめんね。

乱れた長い髪を何度も撫でる。以前よりは幾らか健康的になったけど、決し
て強くない、やっぱり繊弱な君。肩や首筋に張付いていた黒髪が、僕の指の
間を滑ってゆく。
こわれものみたいな君に、あんな無茶をする気なんてなかったんだ、最初は。
君が幸せそうに笑って、唇が重なった時、理性が吹っ飛んだ気がする。
本当に馬鹿だ、僕は。

ふいに君は身じろぎして、その目がうすく開いた。
ぼんやりと、茶色の目が何かを探すように緩慢に動く。そして僕を捉えた。
「あ、あの、あの・・・あの、」
僕は口をぱくぱくさせるしか出来ない。
「・・・・・」
君はしばらく無言の無表情で僕を見つめていたけれど、やがて気だるげに
身体を動かして、ベッドサイドの煙草に手を伸ばす。うつ伏せのまま煙草
に火を付け、深く吸い込んでからゆっくりと煙を吐き出した。
「・・・オハヨ」
「・・・おはよ、う、ゴザイマス」
そしてまた沈黙が流れる。謝らなきゃ、絶対怒ってるよ、幻滅されてるよね、
そう一人でびくびくしている僕より先に、また口を開いたのは君だった。
「・・・ごめんね」

「へ?」
「それ・・・」
君は恥ずかしそうに目を細めて振り向き、僕の胸を指差す。
初めて気付いた、君の爪の痕。君の痕が幾つも僕の身体に刻まれていた。
「多分、背中にも付けちゃってると、おもう」
いつもと変わらない舌足らずの口調で、訥々と言う君に僕は思わず泣き出し
そうになる。
「そんな事!全然、何でもないやん。僕の方こそ、マー・・・っ」
怒涛のように謝罪の言葉を吐き出そうとした僕の口を、君は遮った。
僕の頭を引っ掴んで、些か乱暴に噛み付くようなキスで。
驚いて固まる僕の唇を、君はぺろりと舐める。
そして僕から手を離すと、煙草を灰皿に押し付け糸が切れたようにベッドに
沈み込んだ。
「いーんだよ」
僕に背中を向けた君の声は怒っているような、笑っているような、照れ隠しの
ような。
「でも、しばらくは、させてやんねーから」
「・・・はい」

しおらしく返事した僕の声に、君の背中から力が抜けるのが分かった。
なんて無防備、なんて穏やか、君、全然怒ってないんだね。僕は本当に、どう
したらいいんだろう、どこまで君に甘えて、どこまで君を想えばいいんだろう?

僕は君を抱き込んで、その背中に沢山の想いを込めてキスを落とした。
君は僕が回した腕に、優しく手を重ねた。
恋人でもなく、家族でもなく、ただ同じものに掴まれ、同じ歩幅でこれからも
歩いてゆく、どうしようもなくいとおしい、僕のいとしい君。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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