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アラウンド70

皇帝×公爵 
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

お愛ぼいなと思うのは、をかしいのかもしれない。けれど銀髪の皇帝は、寝台で杯片手に書を捲る、
おのれより年長の白髪の男が愛らしく思えてならない。腰に羽根の枕を当てがい書を読んでいた公爵は、
っ……! と小さく喘ぎ、読みかけの書を枕元の飾り棚に置くと、おいたをする皇帝の不埒な手を
ぴしゃりと叩いた。老いてなお精悍な銀髪の皇帝は、麗しく老いた公爵の胸の双茱を、夜にだけ匂う珍しい
らんの花の香油をまとった指でツンとつつき、はだけた胸元から覗く公爵の双茱が悪いのだと
にやりと笑い悪さを続けた。公爵は思う。ただ同衾し語らうだけで、なにもない夜も二人ならいつも幸せだ。
できることなら今宵は、まろやかな酒を飲み交わしながら、ゆうるりと書を捲っていたかった。けれども、
ききわけのない皇帝が、杯を傾けながら胸の双茱をつつくため、公爵は書見用の眼鏡を外した。
なにもない夜も楽しめる。そんな歳になったはずだが、なにを求められれば老いた花芯がじわりと濡れて、
いつもこうして流される。数十年間、認めることが出来なかった恋心も、一度認めてしまえば木々の若葉が
萌えいづる様に伸びやかに、枝を広げて萌えさかる。麗老なる公爵は、陰萎ゆえ指玩に走り、「卿の胸は
えも言われぬな」 と嘯く皇帝の手を優しく払うと、恋い慕う皇帝の下肢に男娼のように傅いた。
をかしいと思う。かつては恥辱の極みだと思っていた。けれど今は皇帝の花芯を口に含める。その昔己を
投獄した男の下肢に傅きながら公爵は微笑み、寄る年波に負け、猛々しさを失って久しい皇帝の
下陰へ恭しく接吻した。挿入もままならない陛下を、この手と口で、勃たせてさしあげたい。老い衰え、
できぬことも増えたが、時の流れを今は寿げる。けれど時折、胸に蘇るあの男の眼差しだけがただ苦い。
きらきらと光る芳香花の精油を用い、皇帝の老いた花芯を優しく慰め、高ぶらせながら公爵は、緋紅色の
るこう草を思わせる鮮紅の目をした皇帝の最愛の友を思い出した。彼を殺めたのは公爵だ。その事実を
棚晒しにしたまま、わけあって皇帝と肌を重ねたのは40年前。今も皇帝の胸には彼が棲んでいる。心が
にわかにかき曇り公爵は自嘲した。皇帝の唯一無二になりたいと欲する、老いて貪欲になった己が憎い。
感傷的な物語の脇役の気分だ。切なげにため息した公爵を皇帝はきつく抱きしめた。皇帝が没したのは、
謝肉祭の三日目だ。皇帝は公爵を想いながらも、迎えに来た緋色の瞳の友の手を取り天上に旅立った。 Fin

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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