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灯台守の話

九曲鳥人Rより戸坂×R。最終話後の捏造話です。
エロ有りで割とイチャイチャするだけ。ハマって日が浅いので間違いなどあったらすみません
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

夜の港は恐ろしい。波の音がどこから聞こえてくるのかわからなくて、一歩先は空中ではないかと怯えてしまう。
真っ暗闇では足元が見えず、やたらに何かを踏みつけるがそれが何かはわからない。明かりといえば先に見える灯台だけだ。
灯台はぴかり・ぴかりと明滅を繰り返している。夜の散歩には心細い光だったが、それでも戸坂が迷うことはなかった。
向かっている先がその心細い光そのものだったからだ。
灯台のふもとに着くと、暗闇の中に立っている轟.天.号の姿が浮かんだ。普段は関係者以外立入禁止のこの場所も、
今日だけは「関係者」の手によって開けられている手はずだった。戸坂は急な階段を見てため息をつく。

あの騒動のあと、Rは皆より遅れてなんとか春.高を卒業した。そして今は憧れの灯台で寝起きをしているらしい。
どんな手を使ったのか、人として雇われているのか備品としてもぐりこんでいるのか、それはR以外誰も知らなかった。
とはいえ、最低限の環境と米と炊飯器さえあれば満足できるRにはうってつけの仕事だろう。
撮影会で嬉しそうに報告をしたRに、戸坂はいつもの調子で灯台から夜明けを撮りたいから入れろ入れろと
無理矢理約束を取り付けたのだった。

「やあ。戸坂さんは風邪ですか」
「階段がきついんだよ。ロボットと一緒にするな、ばか者」
「ぼくはアンドロイドですよ」
曲げたピースサインを突き出したRは、いつもと変わらず詰襟に下駄履きという格好で炊飯器のそばに座っていた。
戸坂は上がった息を整えながら部屋を見渡す。
「えらく殺風景だな」
炊飯器のほかには寝袋が転がっているばかりだ。元々泊まりこむための部屋ではないということだろう。
戸坂は大荷物でやってきてよかった、と安堵した。

コンロでレトルトカレーを温めている戸坂をRはぼうっと見つめていたが、戸坂が炊飯器を指さすと炊飯器をさっと抱いた。
「さからうのか。わたしは元部長だぞ」
「ぼくは前部長です。元部長の方がえらい」
「とーうぜん!わかっているなら炊飯器を渡したまえ」
そう言うとRはあっさり炊飯器をよこしてきた。世代の交代でもはやRは前部長ではなく、戸坂と同じ元部長になっていたが
お約束の会話の楽しさに戸坂はそれをRに教えていなかった。
このアンドロイドときたら、教えられたことはみんな真に受けて、理不尽なことも困り顔ひとつで済ませてしまうのだ。
戸坂は、甲画部は、そんなRを好きなのだった。

皿に盛ったご飯にとろりとおかゆをかけたRは、気の抜けたような表情でスプーンを動かしていたが、やがて「ああ」と呟いた。
「どうした」
「なんですか」
「今、ため息をついただろう」
「食欲がないんです。ご飯も一升食べられるかどうか」
「じゅうぶんだと思うがな」
「ぼくは、とうだいに入れてご飯も食べられて幸せです。とうだいに入ったのはお父さんが『とうだいに入り頂点へかけのぼれ』と
言ったからです。ぼくはお父さんに歯向かって今もここにいるのをないしょにしている。これでいいのだらうか」
戸坂は水筒のコップをいじりながら応える。
「まだそんなことで悩んでるのか。お化け屋敷に売っぱらったり世界征服させようって親父に」
「ここにいていいのかわからないんです」
「うりゃ!」

煮え切らないRにコブラツイストをかけてしまうと、Rは「あう」とうめいた。
「だーいじょうぶ!と言ってるだろうが!博士がまた何か企んだらわたしが叩きつぶす。もちろん甲画部も全力をあげるのだ。
おまえはひとまずここでほとぼりが冷めるのを待てばよかろう!」
「わかりましたから、放してくださいよ」
「聞くのもばからしいがおまえはどうしたいんだ」
戸坂は向き直ってRの肩をぎゅっと掴んだ。
「わたしはOBの人になって、甲画部に行って…」
「それはもうやってるだろう。つまりだな人間なら仕事をし恋人を作り結婚…は戸籍がいるからおまえには関係ないが、
ともかく好きなことをして好きな人と一緒にいるわけだ。この先ずっとの話だ。おまえは何が好きなんだ」
Rはそう聞かれて遠くを見るような目つきになったが、ぺたりと床に座り込むと壁にもたれて考え込み始めた。
「おい?」戸坂が電源でも切れたかと顔をのぞきこむと、不思議に静かな顔をしたRの目があった。
「ぼくは戸坂さんが好きですよ」
面食らった戸坂はずり下がってきた眼鏡を押し上げる。
「そ そうか…うむ、まあわたしも好きだが、いや、そういうことではない!」
「なんでしょう」
「わからなくても無理はないが好きにも色々ある。愛は特別な感情であって、互いを根源から欲するようなだな…」
「すごく好きなのが愛ならぼくは戸坂さんがすごく好きです」
「いや…」

こうも気の抜けた声で愛を語られてはさすがの戸坂も頭を抱えてしまった。そして自分の中に混乱とないまぜになったものが沸き上がって
くるのに気がついて余計に言葉が出てこなくなった。戸坂は嬉しかったのだ。暗い海原で、心細い光を吐くこの部屋で、
光線を発する頂のすぐ下で、この間の抜けたアンドロイドが好きという言葉を自分に向けているのが。

それでも戸坂はじっと自分を抑え、Rの前にしゃがみこむとその唇にゆっくり小さなキスをひとつ落とした。
口をつけている間、Rは目をつぶりもせず、両手の指をだらんと床に投げ出していて、それを見た戸坂は理性が切れるのを
また抑えこまなければならなかった。
「何をするんですか」
「わたしが言っている好きというのは、こういう行為を伴うものだ。おまえはこんなことがわたしとしたいのか。
おまえ、そもそも感情が起こっているって実感はあるのか。わたしに起きているような気持ちがあるのか」
質問にRは首をかしげ、再び動かなくなった。震えがきそうな気持ちで戸坂が見つめていると、Rはやがて身を乗り出し、
口づけを戸坂の頬に返した。
「あっつっ!」
頬の刺されたような痛みで戸坂が思わず尻もちをついたのを見て、頬を赤くしたRは困ったように笑う。
「ばか者!」
「戸坂さんが難しいことを聞くからじゃないですか。難しいことを考えると熱が出る。ぼくはお湯がわかせます」
「いいから早く温度を下げろ」
ひりひりする皮膚の痛みを指でなでながら、戸坂も少し笑った。

「…下がったか?」
「下がってきましたけど、何するんですか」
「何ってなあ…」
何をするんだろうか、こいつと。苦笑交じりにRの手を掴み方向を示すと、Rは素直に寝袋の上へ寝転がった。下駄を脱ぐ乾いた音がする。
掴んだ右手はまだほんのりと熱い。戸坂が眼鏡を外して傍らに置くとRの姿はぼんやり霞んだ。
「なにか、二重三重に問題がある気がするが」
「やめますか」
「大丈夫、まかせて…と言いたいもんだな」

戸坂はRに覆いかぶさるとまたキスをしたが頭の中ではどうしたものかと途方に暮れていた。服を引っぺがそうにもRは玉ねぎのごとく
学生服を着込んでいるし、脱がせたところで体がきちんとできているのか知らなかった。何より自分だけが気持ちよくて
Rは何も感じていないかもしれないのが嫌だった。ひどい言い方をすれば、よくできたダッチワイフを戸坂は抱いているのかもしれなかった。
Rの口腔に舌を差し入れてみれば自分と同じように歯も舌もあって、唾液のようなものさえそこにはあって、アンドロイドだとは
とても信じられなかった。
「う…ふ、…」
小さな吐息に、戸坂がRの顔へ目を凝らしてみれば、その目はいつもよりいっそうぼんやりとしている。なんとなく添えていただけの
指を耳朶にすべらせると、Rはびくりと首を曲げて逃げた。
「あ、う、…」
それを追いかけるとまた小さく、しかしはっきりと甘い声をあげる。大きな目が潤み始めているのが戸坂の影の中でも確かに見えた。
「おまえ、気持ちいいのか?ちゃんと」
「み、…耳を触られたら気持ちいいに決まってるじゃないですか」
答えた声は打って変わって色気のない、いつもの緊張感をそぐあの声だ。
(こいつ、知識でしってるから反応してるだけなんじゃないか)
戸坂は肩透かしを食らったような気分で不思議そうに自分を見つめる男を見下ろした。
「どこでそんなこと覚えたんだ、偏っとるぞ、R」そういいながら耳の付け根に舌を這わせると、やはりRはぞくぞくとした感覚に
身をすくめているらしい。脱がせないのなら、できる限りの偏った「知識」を教えこんでやりたくなる。
だがそれは次に備えて、とここまで考えて、戸坂はこの次この先を考えている自分に呆然とした。
「どうしたんですかぁ…っふ、ぅ」
再び覆いかぶさり体を探る。人間の平熱ではありえない熱さをアンドロイドの体は放っていて、電気毛布を抱きしめている
ような気分になった。首を、あごを、額を、戸坂はまさぐって、耳にかわる性感帯を探した。
手首に口づけて腕が強張ればそこを責め、足の裏をなでて脚が跳ねればそこを責めた。

「先ぱ…、戸坂さ…っ」
「うん?」
「…は、なにか変な…、が、きます…ど、すればっ…?」
「そのままでいい」
「うぁっ…いや…だ、」
耳元で低く「だいじょうぶ」とささやいてやると、細い体をぎゅうと戸坂に押し付けてRは震えた。
しばしの間があって、抱きつく力がゆるんだかと思うとRはあうあう、とうめきながらどさりと寝袋に四肢を投げ出した。
涙のたまった目、上気した頬からはうっすらと湯気が立っている。はあはあと息を荒げているのを戸坂は興味深く見つめた。
「…不可思議な気分です」やがてむくりと起き上がったRはまだ余韻の残る表情で言った。
「わたしだって不可思議だよ。おまえよりずっとな」
「いやあ、不思議だった。それではまた明日、おやすみなさい」
「おい待て」
寝袋に潜り込んでいこうとするRを引き止めると、Rはきょとんとした顔で戸坂を振り返る。
「なんですか」
「男同士だからはっきり言うが、イッたのはおまえだけだぞ」
戸坂は最中に苦しくて前だけをくつろげていたそこに手をやってきまり悪そうにそう言った。Rはふ、と微笑むと戸坂の
顔を両手で包み込む。
「ぼくはどこへも行きませんよ」
「違う違う!」
「おやすみなさい」
「人の話を聞かんか!」
Rは気持ちがよかったかもしれないが戸坂はまだそうではない、ということを説明してやると、Rは「なるほど」と呟いて
戸坂の股に目をやった。
「R、おまえその服を脱げるか」
「いやです!」
断固とした口調に、戸坂はやっぱり、と胸中で嘆息した。

「じゃあ…フェラチオ、はわかるか?」
「怪獣ですか?」
聞いているものとてない小さな部屋だったが、戸坂はRの耳に手を当ててぼそぼそとささやく。
「えー。それ、するんですかあ」
「こればっかりは無理にとは言わんが…」
「いいですけど…」

あっさりと承諾したRは戸坂の下着に手を伸ばすと、不器用に中の昂ぶりを取り出した。
Rが少し驚いたような顔になったのを見て、戸坂はやはりRの体は完全ではないか、一度も詰襟を脱いだことが
ないのではないかと思った。意外にも抵抗がなかったのは、それがどんな部位かわかっていないのかもしれない。
Rがゆっくりとそれを口の中に飲み込むと、戸坂は風呂のような熱さに思わず声を漏らした。
「おうふえあいいえうあ」
「はなっ…さなくていい…」
途切れ途切れに説明すると、Rはその通りに頭を動かし始めた。しばらく試行錯誤するうちに、なんとなくそれらしい
動きを覚えたらしい。
「あ、R、…っ、く、ぁ」
「う、ぐ…っふ」
初めてのRに悪いと思いながら、どうしても腰が動きそうになる。気を紛らわせるためにRの頬をなでると、Rはちらりと
戸坂を見返した。Rの髪の毛はさらさらしていて気持ちがいい。人間と同じ、いやひょっとすれば戸坂よりも細くて
柔らかいかもしれなかった。何の気なしに左目の前にかかっている前髪をかき上げてやろうとすると、思わぬ力強さで腕を掴まれた。
口に戸坂のものを咥え込んだRが困り顔で見上げている。その顔を見た途端、下半身から駆け上がってくるものを
感じて、あっと思わないうちに戸坂は達した。
突然の感触に狼狽したらしいRの口からあわてて引き抜くと、白濁がぱたぱたと寝袋に落ちた。
「すまん、R…」
「うげえええ」
「ばか、なんで飲むんだ」
「重湯だと思ったじゃないですか」
苦しそうにげほげほと咳き込んだRは、そばの炊飯器から飯の塊をつまみ出すと口へ押し込んだ。

寝袋を並べて寝ていると、Rがこちらを向く気配がした。
「戸坂さん、戸坂さん」
「なんだ」
「ぼくは戸坂さんの恋人の人ということでせうか」
「…そうでせうね」
「戸坂さんもぼくの恋人の人になるといい」
「そりゃ、そうなるに決まっとろう」
「ありがたや、ありがたや」
拝んでいるRに手を伸ばすと、熱の冷めた肌が手に触れた。
「戸坂さん、恋人の人は何をするんですか。フェラチオ以外に」
「おまえ、その単語を人前で口にするなよ。うむ、そうだな。
たとえばお手々をつないで…いや…ともかく、ずっと一緒にいるんだ」
「あい」
光のくるくる差し込む部屋で、Rは戸坂の手を握りながら眠った。

ひどく懐かしい匂いで戸坂は目を覚ました。当初の目的を思い出して跳ね起きたが、幸いまだ夜は明けていない。
ふと横を見るとあの馴染みの炊飯器がうっすらと外の光を受けてくつくつと歌っていた。Rが炊いているのだろう。
そのRはといえば、自分の寝袋から出て、なぜか戸坂の寝袋にしがみついたまま眠っていた。
腹から炊飯器のコードが伸びているのが見える。床で寝て体が痛くないのか、と思ったが、アンドロイドには
なんでもないことなのだろう。
戸坂はそっと起き上がると、靴を履いてカメラを取った。朝日が差さないうちに灯台の周囲の景色を確認しておきたかった。
少し迷って、寝ているRにジャンパーをかけた。
階段を降り、東に伸びている道を進む。昨日灯台まで来た時の道だった。
外は肌寒くて、アンドロイドに格好をつけた自分を戸坂はほんの少し恨めしく思った。

辺りの道はまだ薄暗い。コンクリートと海と草木が見えるばかりでなんということもない風景だったが、逆に言えば
邪魔になるものがなくて撮りやすいのかもしれない。それよりも戸坂は寂寥感に打たれて足が止まってしまった。
どこに行っても変わらないようで、どこに進んでも戻れないような、なんともいえない道なのだ。
昨日は真っ暗闇で恐ろしかったが、先に灯台の光が見えていた。だが今は漠然と続く風景の方が寂しく、恐ろしい。

「いい風景ですねえ」
「うわっ」
気の抜けたような声に驚いて振り返ると、ジャンパーを肩に引っ掛けたRが炊飯器を抱えてすぐ後ろに立っていた。
「Rか。カメラも持ってないだろうにどうしたんだ。炊飯器じゃ写真は撮れんぞ」
「ずっと一緒と言ったじゃないですか。だからこれ、このとおり」

飄々と言ってのけるRを前にすると昨日のことが夢のようで、戸坂は額をRの額に押し付けてみた。
小脇に抱えられた炊飯器は柔らかな匂いを振りまいて、そうしているうちに電子音がピーッと鳴って炊き上がりを告げた。

Rの目はわずかな朝の光を受けて眇められ、まばたきをすると白目がぴかりぴかりと光るようだった。
「眩しいなあ。ご飯が炊けましたよ」
そういってRは戸坂に向かって柔らかく微笑んだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
アンドロイドかわいいよアンドロイド

  • まさかのCPで、こんなにも萌えるとは…よいものを拝見させていただきました。ありがとうございます。 -- 2012-04-30 (月) 22:52:58
  • 萌えた…しかもなんか涙が出てくる… -- 2012-05-02 (水) 10:12:12
  • これは萌えるーーーGJです! -- 2012-05-13 (日) 00:42:31
  • おいしくいただきました。ありがたやありがたや。 -- 2012-08-28 (火) 01:23:31
  • ご飯がおいしい -- 2012-09-26 (水) 16:57:33
  • 読み切りで再熱して探しました!かわいい…萌え…GJでした! -- 2012-11-12 (月) 04:22:30
  • 素晴らしいです…!二人ともなんて可愛らしいんだ! -- 2012-12-29 (土) 23:47:11
  • 良きものをありがとうございます! -- 2013-01-20 (日) 17:15:28
  • この2人でこんな素晴らしいものを読めるだなんて・・・!ありがたやありがたや -- 2013-02-24 (日) 19:32:15
  • 本気で萌えた…! あ〜るを読み返してうっかりこの二人に萌えてしまってから探していたけれど、こんな素晴らしいものに巡り逢えると思っていなかった! ありがとうございます。 -- 2013-08-19 (月) 10:07:22
  • ありがたや -- 2013-12-14 (土) 16:40:08
  • すばらしいとしか言いようがないです。ありがとうございます。 -- 2014-07-17 (木) 00:20:03

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