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夏を告げる雨

ナマ注意です。
元青心・高低、現原人バンド唄×六弦です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

――ウソだろ、おい。勘弁してくれよ・・・
消えたい。消えたい。今すぐ俺の分の面積だけ、床が抜けてくんねえかな!
男と女が絡み合う真っ最中、俺は固く目を瞑ったまま出来るだけ小さく小さく
なるしかなかった。

そもそも、俺がずっとヒ××の部屋にいたのが悪いのだ。
そのまま、転寝してしまったのが悪いのだ。
けれどまさか、こんな状況に巻き込まれるとは思わなかったぜ、と俺は部屋の
隅っこで丸まったまま小さく嘆いた。

昔の仲間と飲みに行く、と夕方出て行ったあいつは、真夜中にしたたかに酔っ
払って何故か女と部屋になだれ込み、そしてそのままおっ始めやがった。
俺は二人がベッドに倒れ込む音で目を覚ましたのだが、暗かったので二人は
俺が驚いて目を見開いているのに気付かなかったようだ。
「やだちょっと、人がいるわよ」
「んん、大丈夫大丈夫、寝てるから、分からんって・・・」
調子よくヘラヘラしながら女に抱きついている様子のあいつは、ああ男の情け
ない性丸出しで、こっちが恥ずかしくなる。
俺はもうどうにも出来ずに、部屋の隅っこで全てを諦めた。

否応なしに耳に突き刺さる、女のイイ声。
あいつの息遣い。激しいキスの音、布団の擦れる音。
カセットもイヤホンも、多分俺の足の方。着けときゃ良かった。

じっと押し黙って、二人のやってるのを聞いてるなんて、俺まるで変態じゃね
えかよ。一応、被害者の筈なのに。

オイ、あんた。そいつ臭くねえ?多分三日くらい風呂入ってねえぞ。
でも普段よりマシか、その前にビニールプールで行水してたから。

イライラして、急に起き上がって言ってやるための言葉を色々考えてみた。
でも、俺臆病だからきっとそんな事出来ないだろうな。
あっという間に酔いが醒めて、泣きそうにうろたえるだろうあいつが可哀相だし。
俺だって、記憶にないけどもしかしたら過去に似たような事、してたかもしれな
いし。
心を無にするために“俺は貝、俺は貝だ”と自分に言い聞かせてみてもやっぱり、
音は突き刺さってくる訳で。

ああ、コイツこんなふうに女を抱くんだ。
ああコイツ、こんな声出すんだ。女にはこんな事言っちゃうんだ。

何故だか分からないけれど、俺は部屋の隅っこでひとり、無性に泣きたくなって
いた。

――何なんだよ、すげえ、惨めったらしい
バカ、バカ、バカ、バカ、バカ。

やがて事が済んで、二人は寝てしまったらしい。
静かな夜の終わりが、青白く窓に映っている。
俺は物音を立てないように、部屋から私物を抱えて引き揚げた。

その日は、昼過ぎまで寝た。
ヒ××は最近いつもそうしてくれるように、俺の部屋まで昼飯を一緒に食おう
って持って来たついでに、マー××マー××と無邪気な犬のように俺を揺さ振っ
た。
「朝起きたら、横に女が寝ててなあ、でも、僕ぜーんぜん覚えとらんのよ」
しまったなあ、と残念そうに笑い話にしようとするヒ××に、俺は生返事をして
気まずくカレーパンを齧っていた。

――夜の事なんて、全部誰かの夢だったら良かったのに

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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