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仁-JIN- 龍馬×仁

JIN-仁- 龍馬×仁
現代同棲妄想です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

連日降り続いた雨がやんだ。
今朝はからりと晴れ上がり 窓から零れるその光で目が覚めた。
(ほんと…晴れ男なんだなぁ…)
日もずいぶん高くのぼっている
南方仁はぼんやりとした頭でそんなことを思った
隣でまだ寝息をたてる男をちらりと見やれば
(子供…だな)
思わず笑みが零れた
男の癖のある柔らかな髪に指を絡めれば 何事か呟いた後もぞもぞと身を寄せてくる
大きな体に似合わぬその様子に こみ上げる愛しさを隠しもせず微笑み指を絡め続ける

「…せんせぃ…?」
男の目がこちらを向く
はっきりとした二重の力強い瞳 その瞳も今は眠気に負けてとろけている
「もう、朝かぇ…」
「はい。すごく良い天気ですよ龍馬さん。」
昨日までの雨が嘘みたいだ とそう伝えれば
ちらりと窓を見やり 眩しさに目を細めた後それから逃げるように戻ってくる
「眩しいのぅ…」
「はい。お出かけ日和です。」
「…もうちっくと雨が降っちょってもえぃのに」
「え?」
意外な言葉に思わず分からぬという目を向ける
「今日は買い物に行く日だから、さっさと雨なんかやめば良いって、龍馬さん言ってたじゃないですか」

昨日の夜
降り続ける雨を窓辺から見ながら確かに言ったのだ
(まっこと…よう降るのぅ…あいたはせっかくのでーとっちゅうのに)
(デートって…)
(なぁんじゃ。間違ってないろう。)
(あ、はは、まぁ)
(あいたの朝には晴れちょったらえぃの)
(そうですね。荷物も多くなるでしょうし。)
(てるてる坊主でも作ろうかの!)
まるで子供のように雨がやむのを願った男が 今は掌を返すように雨が降れば良いと言う
「龍馬さん?」
何も言わぬ男の真意を探ろうと顔を覗き込むように近付いた
途端
頭を大きな手で包み込まれ 引き寄せられ
「え?…っ!」
口付けられた

「っ…りょ、まさ…んっ」
めまぐるしくてついていけない 息継ぎさえままならない
苦しくて
「ふ、ぅ…んぅ…」
甘ったるい自分の声と
粘膜の絡まる音と
「せん、せ…」
男の 龍馬の
「…もうちっくと」
欲を孕んだ けれどどこまでも優しい
「せんせぃとこうしちょきたいがじゃ」

「!」
あぁ
そんな顔をするから そんな目をするから
こうやってまた 俺は
「えぃかえ?せんせ…」
俺は
「――はい」

―――……

結局その日は買い物には出なかった
出られなかった
朝に見た日の光はそのキラキラした光から穏やかな西日に変わろうとしていた
「せんせ…大丈夫かぇ?」
朝日だろうが夕日だろうが
太陽がとても似合うこの男の顔を今は少し恨めしげに見上げる
「夕飯…自分で作ってくださいね…」
あの時
受け入れたのは自分なのだから文句は言えないことぐらい分かっている
だが しかし それでも
こちらは腰も立たずへばりきっているというのに
まだまだ余裕の残る顔をしているこの男には
一言二言の嫌味も言いたくなる
男として
「これじゃ仕事してたほうが楽だな…」
何の為の休みなのだと一人ごちる

「せんせ…」
ぶつくさと呟き続ける想い人に
さすがに申し訳なく思うのか
龍馬は眉をハの字に下げて仁の様子を伺っている
「すまん…ちっくと、加減できんかったき…」
「ちっくと?」
すかさずじとりと睨まれる
「いや、その、なんじゃ…先生があんまり可愛らしゅうて、ねゃ」
たはは、と乾いた笑い声だけが響いた
「せんせぃ…堪忍しとーせ。ちゃんと謝るき。の?こんとーりじゃ」
ついに男は居住まいを正し
頭を下げた

この男はただただまっすぐに自分を想ってくれている
親友として 恋人として
すべての想いが優しさに満ちている
こんな風に大人げなく拗ねてみせるのだって
本当は彼のその想いに浸りたいだけなのだ
愛されていると
そんなことは分かりきっていることなのに
つい先程まで
彼はそれを惜しげもなく自分に与えてくれていたというのに
それでも
もっと
もっと
いつから自分はこんなに貪欲になったのだろう

そんなことを思い
苦笑いを漏らしながら
下げられた頭がこちらに向くよう
そっと手を添えた
「すみません。ちょっと意地悪したかったんです。」
大人げないですよねぇ と
ふにゃりと笑う
「意地悪ぅ?」
「だって。龍馬さんまだまだ余裕じゃないですか。わたしはへとへとなのに。」
悔しいじゃないですか と
建前だけを伝える
人の心の機微に聡いこの男のこと
それが建前であるとは感じているだろう
けれど
やっぱり
今は
(このぐらいのプライドは許されるよな)

「もう、意地悪は終いかぇ?」
一人満足顔の仁に問えば
「はい。終いです。」
ふわりと
いつもの優しい笑みを向けられる
「ほうかぇ」
その笑みにつられるように龍馬も笑う
彼がそれで良いと言うのなら今はそれで良いのだろう
彼の笑顔に嘘はない
龍馬はそう思った
「ほいたら遠慮のぅ、せんせぃの横で眠れるぜよ」
ニッと笑って布団にもぐりこむと
ごくごく自然に寄り添ってくる仁が愛しい

隣り合って眠ることに慣れた男の無意識の癖が
まるで自分にだけぴたりと馴染む唯一の物のような気がして
ただただ純粋に嬉しいという気持ちと
自分だけのものだという独占欲と支配欲が
龍馬の中でないまぜになって渦巻く
この言い様のない気持ちも
南方仁に出逢ってから抱くようになったものだ
いつかこの思いが
自分を
南方仁を
壊してしまうのではと恐ろしくなったこともある
(まっこと…)

龍馬はそっと仁の髪に手をのばした
すでにうとうとと舟を漕いでいる彼の
自分とは違うさらさらと流れるような髪を梳くようにすれば
(まっこと…無自覚とは恐ろしいのぅ)
うっすらと微笑みを浮かべ
その身を任せてくる
(こがぁな顔をして…加減をせぃちゅうんが無理な話ぜよ)
放っておけば
再び頭をもたげようとする欲望に
ひとり 苦笑いを漏らす
「せんせぃは罪作りなお人じゃのぅ」
安心しきった顔に声をかける
が 先ほどまで言葉を紡いでいた口許からは
ついに穏やかな息遣いが零れはじめた

「眠ってしもうたがかぇ?」
うっすらと開いた唇に胸がときめく
心だけでは飽き足らず
彼の体を抱いて抱いて抱きつくしてもこの様である
いずれ
自分は本当に南方仁に壊されるかもしれない
もうとっくに壊れているのかもしれない
けれどそれが悪いことだとは龍馬には到底思えなかった
ただただ
南方仁という男が愛しくてたまらなかった

「まっこと、せんせぃは………ねゃ」
己の腕の中で
無防備な寝顔を晒す仁を見つめて
詰まるところ
この顔には勝てないのだ とそう思う
阿呆かと呆れられても
龍馬にとってはそれこそが真実で
今はただただ
この腕の中のぬくもりを離さぬよう
ただそれだけを思いながら
龍馬は仁を抱く腕に力をこめた

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

二人で買い物に行かせようとしたところ結局家から一歩も出ず…
買い物も書きたいなー!

  • この二人すごく好きです!ご馳走さまでした(*´y`*) -- ましょ? 2011-06-29 (水) 15:15:19

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