Top/65-13

KING OF MY HERO

虎&兎 の空折です
・助走が長いので今回の投稿では全然な状況までしかありません。<続く>
・最終的にもドEROは無い予定です。   ・話しの展開の為、オリキャラが出てきます。嫌いな方は注意。    ・女子登場注意    ・擬態ハァハァ!!
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

イワンは一人、トレーニングを続けていた。外では雨が降っている。強固なビルの中では音こそしないが、そのどんよりとした雰囲気は、室内の雰囲気を重々しくさせていた。
ダンベルフライを止めると、ゴトンとダンベルを置き、熱を持った胸に手を当てた。他の男性ヒーローに比べて圧倒的に弱々しい自身の身体。鍛えてもなかなか期待通りの結果にならない。
遠目に、ベンチプレスを軽々と上げるアントニオの姿があった。横でサボッてくだを巻いている虎徹を、面倒くさそうに時折一蹴している。ベンチプレスの重さに押しつぶされそうになる自分とは大違いだとイワンは思った。
「HI!順調かい?」
声をかけられ、イワンはその方向を向いた。返答に一瞬詰まってから、ハハ、と空笑いをしてみせる。
「あ、はい……順調です」
「それは良かった!」
真っ白な歯を見せて笑うキング・オブ・ヒーローがそこに居た。そして、屈託なく、人を疑う事を知らない笑顔でイワンを見つめている。
イワンはタオルを拾い上げ、取り繕うように汗を拭いた。
「ヒーローは毎日のトレーニングが欠かせない。大変だが、がんばらないといけないな!」
「そうですね」
淡々と答えたイワンだったが、イワンの予想に反してキースは何かを感づいたらしく、首を傾げると呟いた。
「元気がないのかい?」
「え?」
「いや、いつも通りの折紙君だが……いや、いつも通りでない折り紙君のような……」
思わず顔を上げたイワンと、キースの視線がぶつかる。キースの眼差しは、まるで保護者のような温かさを含んでいた。
「どうしたんだい?」
ニッコリと笑い、白い歯を見せる。
「スカイハイさん……」
イワンの胸の奥が締め付けられる。この人になら全てを言っても大丈夫なのではないかと一瞬頭を過ぎった。
全てを言ってしまいたい。全てを知ってもらいたい。
ごくりと唾を飲み込んで、縋るような瞳でキースを見つめる。

「あの……」
「折紙サイクロン。ちょっと」
トレーニングルームにアニエスが顔を出し、手で廊下を指す。
何事かとキョトンとしているキースに軽く礼をすると、イワンは頷いて、アニエスに従いトレーニングルームから退出する。
廊下に出たところで、用心深く周囲を警戒しながらアニエスが口を開いた。
「シュテルンビルト市街のサウスゴールドで今日殺害予告があったの。対象は政治家トム・サリバンの娘よ」
「はい」
「先日の法改正で、サリバンが圧倒的な支持を受けて可決した法案があるでしょ。その復讐だと声明が出されてる」
「・・・・・・はい」
「まだ、予告だから事件があるとは限らない。だから貴方に行ってもらうことになったわ」
「・・・・・・僕が、戦えないから・・・・・・ですか」
その言葉を聞き、アニエスは怪訝な表情をした。イワンは自信なさげに俯いており、アニエスと目線を合わせようとしない。
「ばかね。あなたの能力を使うのよ」
アニエスは、イワンの腕を掴んだ。ハッと顔を上げるイワンに向かって、鼓舞するように言う。
「まだ事件が起こってないからこそ、あなたにしかできない解決法があるのよ。自信持っていきなさい!」

イワンはアニエスに連れられ別室に向かった。
会議室のドアを開けると、女性がアイマスクをつけて椅子に座っているのが目に入る。思わず立ち止まった。
「あなたの姿を見られるのは、営業に差し支えがあるからよ。――おまたせしました、ルビーさん」
アニエスはイワンの頭の中などお見通しだとでも言うように、さらりと説明をして部屋の鍵を閉める。
二人は女性の前に立った。アニエスが女性を指す。
「彼女がルビー・サリバンさん。トム・サリバン氏のお嬢様で、大学に通ってるわ」
「よ、よろしくお願いします」
ルビーが震えた声を出して、会釈をした。
アイマスクをしたその目は確認できないが、茶色の髪が肩のあたりまであり、健康そうな普通の女の子だとイワンは思った。
アニエスがイワンに視線を投げる。
「いい?あなたが擬態をし、家の中で犯人を待ち構える。現時点では予告だから、
 ウチ以外のマスコミにも嗅ぎ取られないようにしなさい。ヘタにばれると危ないわよ。
 カメラは外部から2台で家屋を撮影してるわ。動きがあれば、すぐに連絡を頂戴。応援はいつでもいけるように待機させておくから」

「はい」
「もちろんヒーローの突入とともにカメラも入るから、きっちり仕事してよね」
「……はい」
「できれば室内にもカメラをセットしたいところなんだけど……声明に撮影禁止って書かれちゃってるからできないのよね」
「あの、それって……その状況なのに外から撮影するってことは……」
イワンが不安げに声を出した。アニエスが微笑んだ。
「そう。相手を怒らせる可能性もある。だからこそ、貴方なのよ、折紙サイクロン」
『納得できるような……できないような……』
「それとも、撮影もナシ?もちろんポイントだって無いし、いい格好だって見せられないケド」
「あ、いえ。あの……遠くからならいいです……」
「じゃぁ頑張って」
アニエスがぐい、とイワンを押し出す。
目の前には、椅子に座った女性。緊張気味に肩をすくませ、膝の上で握られた拳は小刻みに震えている。
「えっと……ルビーさん、ちょっと手に触れますよ」
イワンがそっとルビーの拳に手を添える。ルビーはビクリと身体を震わせた。
「あっ、ご、ごめんなさい!」
あわてて手を離し、頭を掻くイワンの姿を、アニエスは呆れたように見ている。イワンがあたふたと喋りだした。
「あの、ルビーさん、あなたに触れますけど……痛いとか、怖いとか、そういうのは無いので、安心してください」
アニエスは懇切丁寧に説明をするイワンを今にも「まどろっこしい」と一喝しそうになりながら、自分を抑える。
イワンの説明が功を奏したのか、ルビーは漸く緊張を解いて頷いた。
ゆっくりとルビーの肩に手を当てイワンが集中する。爆発的な眩い光が部屋を包み込み、アニエスは顔を覆った。
一瞬の突風の後、静寂が訪れる。
「完了しました」
ルビーの声で目を開けると、アニエスの前には二人のルビーがいた。
立っていたルビーは自分のアイマスクをはずすと、アニエスへ恥ずかしそうに微笑みかけ、座っていたルビーのアイマスクをそっとはずし

た。
座っていたルビーは、椅子から転げ落ちそうな勢いで驚き、口に手をやる。立っているルビーは、イワンの声で言った。
「拙者が折紙サイクロンでござるよ!君を、守ってみせるでござる!」

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!  マダ モエマデ タドリツカネー!!


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