良い夢か、悪夢か。
更新日: 2012-07-23 (月) 23:39:14
初投下失礼します。
半生注意。洋画「印背ぷしょん」古部?×亜ー差ー
夢の中でエロあり。改行おかしかったらすみません。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
古部は彼女に囚われている。その想いで俺達を危険に晒してしまうほどに。
夜中に何度か機械に繋がって眠っているのを目にしたが、きっと彼女に会いに行っているんだろう。
今でも彼女を深く愛しているのは、誰が見ても明らかだ。
そのせいで任務中に彼女の”影”が俺達の邪魔をする。彼女に傷付けられたこともある。
正直、古部は彼女を失って以来完璧に任務をこなせる状態にまで戻れていないのだ。
だが俺は、古部を咎めることができない。
もう二度と会えない人に会いたいと望むことを止める権利なんて誰にもない。
それに、どうやったら彼を立ち直らせられるかもわからない。
彼女の代わりなんているはずもない。
俺達のためにも、何より古部自身のためにも、なんとかこの状況を
変えなければならないのはわかっている。彼もそう感じていると思う。
だが結局誰も解決策など見つけられないまま、時間だけが過ぎていく。
そして俺が選んだのは、おそらく彼と同じ――いや、彼よりも利己的にすぎる答え。
「……情けないな、俺も」
そう自嘲し、俺は自分が使っているスペースに戻った。
身体を横たえられるサイズの長椅子に腰掛け、機械から伸びる
チューブを手首に繋ぐと間もなく鎮静剤が回ってくる。
やがて瞼が重くなり、深く長い夢の世界へと落ちていく。
そう、俺がどれだけ古部のせいで危険な目に遭っても何も言えずにいるのは。
「良い夢を……」
俺が彼に許されない感情を抱いているからだ。
■■■
俺の夢、俺の潜在意識。登場人物は、皆俺の意識の投影だ。
「亜ー差ー」
古部は柔らかな笑顔で俺を迎え入れる。こんなに穏やかな表情は、現実ではもう久しく見ていない。
常に何かに追われ、追い詰められ、出口の見えない迷路の中で苦しんでいる。
その苦しみから彼を解放してやれるのは俺じゃない。
「亜ー差ー、どうしたんだ?」
「あぁ…何でもない」
立ち尽くしていた俺は小さく笑顔を返し、古部に歩み寄った。
舞台は以前ミッションに使ったホテルの一室。
どこにでもあるような、だが現実には存在しない空間だ。
少し大きめのベッドが二つ並んでいて、その一方に古部が座っていた。
「おいで」
彼は立ち上がり俺を抱き寄せる。夢だとはいえ、姿形はもちろん声も仕種も
いつもつけている香水の匂いまで現実の古部と何ら変わらない。
寸分違わず再現できるほど、俺が彼に執着しているからだ。
その肩に顔を埋めて彼の匂いを感じながら腕を回す。
「……あぁ、古部…」
体温も感触もこんなにリアルなのに、これは現実じゃない。
それは空しいことだが、心のどこかで安心もしていた。
夢の中の出来事の証拠など何も残らない。例え何をしても、何をされても。
俺の呼び掛けに応じるように古部がゆっくりと俺をベッドに押し倒す。
お互いに相手の服を脱がせながら気持ちを昂らせていく。
そして彼は、いつも熱の籠った視線と共にこう囁く。
「愛してるよ……亜ー差ー」
それは俺が一番聞きたくて、絶対に聞きたくない言葉。
嬉しさと惨めさが入り混じって泣きそうになりながら俺は彼の身体に手を伸ばした。
古部の指や唇がゆっくりと俺の身体を這う。その動きや帯びた熱に翻弄される。
この世界の形を保てなくなりそうなほど古部の存在だけが心を占めていく。
「ぁ…っ!」
不意に古部が口に銜えた俺のモノを吸い上げ、上擦った声と共に身体が揺れた。
声を出してしまったことを恥じた俺は手の甲で口を押さえ、少し落ち着こうと大きく息を吐く。
だがそんな様子に気付き、古部はもっと強い刺激を与えるように動きを速めた。
深く銜え込まれたかと思うと、舌で先端の方ばかりを責め立てる。
その間も彼の手は俺の内腿を触れるか触れないかくらいの絶妙な加減で撫で回す。
くすぐったいような感覚に、ますます体温は上がっていく。
「ふ……!ぁ、う…っっ!」
「っは………亜ー差ー、どうして声を堪えるんだ?」
俺のモノを一旦解放し、顔を上げた古部が訊いてくる。口を塞いだ手を退けられ頬に彼の手が重ねられた。
「あ、まり…聞かれたくない…」
「どうして。いい声をしてるのに」
そう言って頬を撫でながら身を乗り出す。
俺は恥ずかしくて顔を背けたように装って彼からのキスを頬で受け止めた。
普通なら当たり前に行われるであろうことを拒むことでこれは現実じゃないと自分に言い聞かせるためだ。
それにキスなんて欲しくない。古部が俺にキスするはずがないからだ。
古部には愛する人がいる。いなくなってしまっても忘れられずに苦しんでいるくらい愛した人が。
そんな男が俺に愛を囁いたりなんてするはずがない。
だが、ここは夢だ。俺の夢。俺が作った世界。
共有していない限りここで何をしてるかは誰にもわからないんだから好きにすればいいのに、と井ー蒸なら言うだろう。
確かにその通りだ。だけど俺にはそれができない。
俺を好きになる古部なんて古部じゃない。俺が好きになったのはそんな人間じゃない。
古部が俺を好きになるなんてあり得ない。絶対にだ。
そう頭ではわかっている。だけど心はそうはいかなかった。
彼に触れてほしい。
彼に抱き締めてほしい。
彼と一緒にいたい。
彼を感じていたい。
彼が、欲しくて欲しくて堪らない。
だから俺はこうして夢の世界に逃げる。
あり得ない古部の虚像を作り上げて、どうにもならない劣情をそんな彼に抱かれることで消化しようとする。
バカみたいに手間をかけた自慰行為。嬉しくて、切なくて、空しくて、惨めな自己満足。
目が覚めた時に感じるのは押し潰されそうなほどの罪悪感と結局何も起こらなかったのだという落胆、そして少しの安堵。
感情が昂ったまま、時に泣きながら目を覚ます度に考える。俺がこんな行為から抜け出せる日は来るのだろうか、と。
あまりハマりすぎるとミッションに支障をきたしかねない。
それこそ古部のように――…
「ぅあっ…!!」
突然の刺激に思考が引き戻される。いつの間にか彼の指が俺の中に入ってきていた。
内側を探られる感覚に耐えられず、かろうじて身体に纏わりついていたシャツを噛んで声を殺そうとする。だがそれも無駄な抵抗だ。
「ん、う……っはぁ、あ…っ!」
彼の指は的確に弱い所を探り当てる。俺の意識の投影なんだから当然だ。俺がしてほしいと思うように彼は行動するのだ。
「っく……ぁ、あっ!?」
だが、さっきから俺が期待するのとは違うリズムでの刺激が続いている。
いつもなら時間をかけて徐々に身体を慣らしていくのだが、今日は少し急いているような気がする。
確かに、今日はあまり余裕がない中で潜っているから心のどこかで焦っているのかもしれない。
――ここにずっといられればいいのに。何も考えず、ただこうしていられたら――…
ふと考えて、自分の女々しさに嫌気がさした。こんな無意味なことに溺れてどうする。
だがこうしているとついそう考えてしまう。快楽に浸っているとそれ以外考えられなくなる。
「あ……んっ、はあ…っ」
掻き回される快感に滲んできた涙が目尻に溜まる。それを拭うように伸びてきた指に少し驚いて目を開けた。
「……?」
「亜ー差ー」
そこにはいつもと違って真剣な顔をした古部がいた。いつもなら穏やかに微笑んでいるだけなのに。
「俺を見ろ」
「え…」
「俺のことを考えろ」
こんなことを言われたことはない。言われるまでもなく彼のことしか考えていない。
「なに、を」
「俺はお前しか見てないのに」
「っ!?」
古部の顔をした彼は言う。古部が、俺のことを?
違う。彼は投影だ。俺がそうしてほしいと望んでいるから、その通りに話しているだけだ。
彼は違う。
「なぁ亜ー差ー」
これは彼じゃない。
「俺を見ろよ」
やめてくれ。もう何も言うな。
「亜ー差ー」
「…止めろ…」
「どうして」
これ以上俺を惑わすな。自惚れさせるな。これは夢だ。そうわかっていても、心が期待してしまう。だから。
「止めてくれ。頼むから…」
「それはできない」
そう言って彼が顔を近づけてくる。さっきと同じように顔を背けようとしたが、今度は彼の手がそれを許さなかった。
ゆっくりと唇が重なる。お互いの体温が触れる。その瞬間、心の奥に秘めていた感情が一気に溢れ出した。
「あぁ……!!」
俺は堪え切れず彼を強く抱き締めた。口を少し開けると彼の舌が滑り込んでくる。
自分の舌を絡め取られ、唇を啄まれ、唾液が溢れそうなほどのキスを交わす。息もできなくなりそうなくらい俺は夢中で彼を貪った。
本当はずっとこうしたかった。膨らみ続けた想いは、とうとうこんな夢を見せるまでに成長していたのだ。
「はぁ…は……っ古部…!古部…っ」
「…亜ー差ー…!」
「抱いてくれ……もっと強くっ…!」
さっきとは違う感情の涙が溢れ出す。心臓が痛いくらい脈打っている。
俺は泣きながら彼にしがみ付いた。その懇願に応えるように彼の腕が俺の背中を優しく撫でる。
「抱いてやるよ…お前が望むだけ、何度でも抱いてやる」
「古部っ…!」
再びキスが落とされ、俺はベッドに縫い付けられる。
両手を頭上で固定され、彼の身体がほんの少し離れるだけで俺は行かないでくれと泣いた。
彼はどこにも行かないと俺を宥め、ゆっくりと俺の中に自身を飲み込ませていった。
「あ、ぁあう…っ!!」
押し入ってくる質量に仰け反ると身体がよりベッドに沈んだ。いつもこうしてたはずなのにいつもより熱く感じられて、過度の興奮と少しの恐怖に呼吸が速まる。
胸が痛い。苦しい。怖い。
「はっ、はぁっ……嫌だ、いや…っ」
「亜ー差ー…大丈夫だ。俺を見ろ」
「いやだ…もういやだ……!」
一気に色んな感情に襲われパニックを起こしかける俺に彼は何度も言い聞かせる。
「大丈夫だ。何も怖いことなんてない」
「助けて……助けてくれ…っ、もう……!」
もう耐えられない。感情の大きさに、強さに、重さに。
「ふっ、俺…は、お前の…こと、が……っ!」
「……言わなくていい」
「っぅあっ!!」
まるで俺の言葉を遮るように突然突き上げが始まった。衝撃に身体を跳ねさせながら俺は声を上げる。
「知ってるよ…お前の気持ちは」
「あっ!や、やめっ…!!」
初めて感じるような満たされる感覚。同時にまだ足りない、もっと欲しいと渇望する心。
俺は泣きじゃくりながら彼の激しい律動を受け止める。自分でも信じられないような姿を晒していた。
「…っ古部、んんっ、は……古部…っ!!」
「………っ」
「も……だめ、だ…っ!イく、っあ!イっ……!!」
きちんとセットされていたはずの髪を振り乱し、がくがくと身体を震わせる。彼は拘束していた手を離して俺を抱き抱え、最奥まで届くように深く腰を打ち付けた。
「ぁあっ!!っや、あっ!――――っっ!!!」
「亜ー差ーっ…!!」
思わずしがみ付いた彼の背中に爪を立て、大きく身体を反らせながら俺は達した。受け入れているソコが強く収縮を繰り返し、やがて彼も息を詰まらせ熱を放った。
タガが外れてしまっていた俺はそれだけでは満足できず、何度も彼に止めないでくれとせがんだ。もっと抱いて。もっと満たして。もっと壊して、と。
いくら絶頂を迎えても足りない。むしろその度に彼をより強く求めてしまう。涙も声も枯れ果てて、身体に力が入らなくなっても彼を離さなかった。
世界の形が歪んでいたのは涙のせいか、それとも形を保てなくなるほど彼しか見ていなかったからか。まるで二人の身体が一つになったような錯覚を覚えながら俺は意識を手放した。
■■■
プシュー…と機械が排気する音に目を覚ます。時計を見ると、潜ってから3時間は過ぎていた。
何て夢だ。あんな夢を見るなんて。いつもより罪悪感が重い。底なしの自己嫌悪に涙すら滲んでくる。
俺は古部になんてことを…夢とはいえあんなことをさせてしまった。惨めな自己満足のためだけに。
しばらく彼の顔をまともに見られないかもしれない。大事なミッションが控えているのに。
あまりの情けなさに手で顔を覆った時、ふと身体の異常に気が付いた。俺のモノが明らかに熱を持っている。
いつもよりかなり強い快楽にずっと脳を晒していたせいか、現実の身体にまで影響を及ぼしてしまったらしい。
……いいザマだ。つくづく自分の愚かさに嘲笑しながら機械を片付けようと身体を起こした瞬間、全身が一気に凍り付いた。
機械からチューブがもう一本伸びている。そのチューブの行き先を目で辿り、そして答えを知った俺は愕然とした。
その先に繋がっていたのは井ー蒸だった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
これって最初のカプ説明詐欺になりますか?
あくまでも致してる二人の見た目はカプ説明通りなんですが…悩んだ結果あのような書き方をしてしまいました。
改行大杉と怒られたのでかなり読みにくいかとも思います。
不快になった方がいらしたら申し訳ありません。
- まさかの蒸っさんwwwもうちょっと伏線が欲しかったけど、萌えました。 -- 2011-05-24 (火) 19:22:24
- まさに衝撃のラストw先日録画したのを見て、ちょうどたぎってたところでしたので…!やっぱり亜ー差ーさん可愛いですよね…とてつもなく萌えました -- 2012-07-23 (月) 23:39:13
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