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TIGER&BUNNY 兎→虎

虎&兎の兎→虎です。
うちの虎さんは枕とは無縁の純粋なおじさんです。
まだ何もはじまっていない二人です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

あのおじさんは無意識に無自覚に、ちょっと普通じゃない。
なのに、まったくわかっていない。
自分がどう思われてるかなんて一切気にしないみたいだ。
今までどうやって生きてきたんだろう。
僕が居なかったらこの人、どうなっちゃうんだろう。
「ばーか!相棒残して一人で逃げるほど落ちぶれちゃいねぇよ」
足手まといになるくらいなら居ない方がマシだと思ったのに。
人を勝手に相棒呼ばわりして、あの人は爆弾を持った僕の傍を離れなかった。

僕たちはヒーロー初のコンビという事で話題になるよう仕向けられたビジネス上の関係だ。
だけど会社からはなるべく一緒に居るように言われている。
だからか、彼はトレーニングもしないのにトレーニングルームに来て、
僕が走っているランニングマシーンの隣で寝転がりながらどうでもいい話をしてくる。
一応相手にするけど、くだらなすぎて適当にあしらっている。
するとほどなくしてスースー寝息が聞こえてくる。
見れば、今敵が来たら完全に終わりだと断言できるくらい無防備にだらしなく寝ている。
邪魔されるくらいなら寝ていてくれてた方がいいから放っておくけれど、お腹くらいは隠してほしい。

僕たちは友達でもなんでもない。
「バニーちゃん、飯食ったのか?」
なんてプライベートな心配までされても困る。おまけに変なあだ名までつけて。
必要以上の干渉はやめてほしい。お節介なんですよ。
能力は僕とまったく同じなのに、性格は正反対と言っていい。
彼は要領が悪くて計算もしない。
その上発言がおかしいし、考え無しに動くし、出会った時なんかあと少しで死んでいた。
「俺たちこう見えて似た者同士なんですよ」
用意されたセリフを大げさに読み上げる彼を、トレーニングに没頭するフリをして見ていた。
一緒にしないでほしい。僕はあんなに無防備じゃない。
僕が彼のような人間と組んでなんのメリットがあるんだろう。
逆効果にしか思えない。僕は彼と居るとどうもペースが狂ってしまう。
自分の事だけ考えていたいのに、彼があまりにも勝手過ぎてつい目で追ってしまう。
デメリットな部分ばかり見えるからついイライラする。
イライラさせられる事にもイライラして、
つまらない言いあいに乗ってしまって時間を無駄にしたりする。
僕らしくない。
本当はすぐにでも切り捨てたい所だけど、会社の言う事には従うつもりだ。仕事ですから。
僕にはこの仕事を続ける目的がある。なるべく多くの人に名前や顔を見せる必要がある。
そのためにはもっと上に行かなければならない。
彼が勝手に堕ちていくだけならいいけど、このままでは組まされた僕まで共倒れだ。
余計な心配事は増える一方だし、携帯を開けばおじさんの変な顔の待ち受けになってるし。
なんだこれ。なんだこれ。

ずっとどうしようか考えてたけど、やっぱり電話するしかない。
別に明日でもいけど、何度か見ているうちに無性に腹が立ってきた。
こんなくだらない事で僕の時間を奪ったこと、一生忘れません、と言うつもりでかけたのに。
「変な奴に襲われてるんだ!」
ああほらまた。
だからおじさんは、なんでいつもそうなんですか。
なんだろう、胸がモヤモヤする。
どうせ嘘だろう。この間も結局くだらないバースデーサプライズとかだったし…
後からブルーローズに聞いたけど、「プレゼントは俺」とか言ってたそうじゃないですか。
考えられない。どこのおじさんがそんな事を言うんですか。
どういうつもりで言ってるんですか。
僕が喜ぶとでも思ったんですか?思ったなら、何故そう思ったのか聞きたい。
まぁどうせ、あなたの事だから何も考えてないんでしょうけど。
やってられない。
で?まさか本当に襲われてるんじゃないだろうな…。

「お前、そういうの疲れない?」
出会って二週間の時にそんな風に言われた。
「べつに。全て仕事ですから。」
呆れたような顔をしていた。
呆れているのはこっちだ。
何も考えずに済むおじさんは疲れも無くていいでしょうね。
彼は思った事が口にも顔にも出る。
よく言えば、裏表の無い人間。
悪く言えば、ただの脳の無い人間。
そんな事だから敵を逃がすし、チャンスも掴まない。要するに甘い。
疲れる?僕が何年こうして生きてきたと思っているんですか?
あなたが僕の一体何を知っているんですか?
何も知らないはずだ。

僕は大概の事は笑って済ませられる。
楽だし、だいいち他人に興味が無い。
他人の言動で心を動かす事など、有り得ない。
それなのに。
彼の前では何故かそれができない。
結局本当に襲われてたし、何故かファイヤーエンブレムと一緒に居るし、
「さっきは添い寝してあげるって言ってたじゃないか」
ほら。笑って済ませるなんて、全然できない。
おじさん。その人は「そういう」人だと思うんですけど。
「そういう」人が添い寝って言ったら、あなたどうなっちゃうかわかってるんですか?
なんで僕がおじさんの心配までしなくちゃいけないんですか。
勝手に人の時間を潰しておいて、何もわかってない。
そんなに危なっかしいなら、ずっと僕の傍にでもいればいいじゃないですか。
…いられても困るけど。
なんで一人でデビューさせてくれなかったんだろう。
僕は今までずっと一人で生きてきたのに。
今だって一人だ。
そして、これからも、一人なんだ。
なんで僕の前に現れたのがおじさんだったんだろう。
この人じゃなければこんな余計な事考えなくて済んだのに。
放っておいたらどこへ行って何を壊すかわからない、
勝手に飛び出して、すぐに僕の傍から離れていく。
こんな人とはもうやっていけない。

「…ああもう、面倒臭い。」
「どうしたバニー?」
「別に!あなたに言ったってどうにもなりません。」
「ほんっとにお前かわいくないなぁ!…うさぎのくせに」
「…は?」
言わせておけばいい、こんな他愛もない事。
なのに、なんでだろう。こんなにも心がざわつく。
腹が立って腹が立ってしょうがない。
「だいたいあなたは詰めが甘いんですよ全てにおいて!」
「な、なんでそんなに怒ってんだぁ?いきなり。」
驚いたような、悔しいような顔をするおじさんに真顔で近付くと、途端に弱々しい態度になる。
これがいけない。
こうやってすぐ顔に出る所が、おじさんの悪い所だ。
座ってヘラヘラしていたおじさんを上から見下ろせば、泣きそうな顔をする。
ワイルドタイガー?これじゃ、耳を伏せて怯える猫だ。
「…失礼します!ここに居ても時間の無駄みたいなので。」
「あ、おいバニー!バニーちゃ~ん?」
何もわかってない。
最近、バニーって言われたら普通に振り向いてる自分に気づく。
僕はバニーじゃない。バーナビーだ!
本当に腹が立つ。

携帯を開けばまたあのおじさんの変な顔が現れた。
ああ、腹が立つ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • もえた。バニーちゃんそのイライラは恋だぜ。自覚編も是非とも! -- 風と木の名無しさん? 2011-05-11 (水) 18:14:43
  • なんだかんだ言って待ち受けはそのままなのね|∀・)ニヤニヤ -- 2011-05-28 (土) 16:09:22
  • 待ち受け変えないバニーちゃんかわゆすwバニーのツンが帰ってきますように -- 2011-07-07 (木) 16:49:22

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