東野圭吾×京極夏彦 「嫉妬」
更新日: 2012-06-18 (月) 20:55:59
生 彫りの深い変人刑事とか実に面白いな物理学者の作者×人を殺せる厚さの本を書く和服の人
互いの呼び方は創作
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
始まりなんて覚えていない。気付いたらこういう関係だった、としか思えない。
今日は新しい映画おめでとうございますと祝いに来たという名目だったが、
迎え入れた夫人の隣に立つ彼も俺の視線で意図を理解していたのは明白だった。
「うっ…く…」
お互い何度目かの絶頂と射精を迎えたところで自然と休憩を取る。
愛の言葉を紡ぐでもない。互いの体を愛撫しあうでもない。
視線も合わせず、体から引き抜くこともなくそのままの体勢で。
これは何のための行為なのか、考えることも面倒だった。
彼は肌蹴たシャツを閉じる事はせず、呼吸をゆっくりと整えている。汗をかかない体質なのは知っているが、
見ていると若干プライドのようなものに引掻き傷をつけられている気になる。
「ねえ、ヒガツノさん」
「ん」
「僕疲れました」
「俺も」
「じゃあもういいんじゃないですか」
「やだ」
即答すると芝居がかったようにえええーと言ってくる。眼は笑っていない。
「もう萎えてるでしょ、それぐらい分かるんですからね」
「そこはほら、キョウくんが頑張れば」
「その呼び方気持ち悪いんでやめてください」
そう言い放つ辟易とした顔が勘に触ったので腰をわざと揺らす。
途端に羞恥と快楽の入り交じった表情に変わる。ざまあ見ろ。
そのまま腰を動かしだすと、彼はソファの生地に爪を立てて小さい声で言う。
「後輩苛めだー…」
そう、これはただの苛め。
後輩の癖にとても目立つ。デビューの経緯だけで一本小説を書けるぐらい。
敬愛する師匠の教えに従った結果かどうかは分からないが、以前の抱かれたい男No.1の容姿が崩れたとしても
相変わらず人目をひく容姿なのは変わりない。
賞だって獲った。実写化もした。アニメ化もした。映画化もした。漫画化もした。
どれも全部俺より先に。
本業以外もこなす多彩な彼が妬ましい。何度自著で皮肉ったことか。
そう思っていたのに、気付けば自分も同じ高さに立っていた。
やっと認められた。嬉しかった。猫と二人で妙なダンスも踊ったぐらいだ。
なのに脳裏には、全てを先じていった男の顔が染み付いて離れなかった。
体を合わせているからか、余計に焼きつく。
壊してやろうとしたってそうそうエロ小説のように人格破壊なんて出来やしない。
ただただ、俺の嫉妬心を癒すために。
病なんて気さえ持てば何でも跳ね除けますよ、とソファの上で言われた数カ月後に生まれて初めて彼が倒れたと
噂で耳にしたときに、胸の奥で何か音がしたことはまだ彼に言っていない。
でもきっと、彼は気付いているだろう。
そうだとしても、これはただの嫉妬。
別の言葉でなど表すものか。絶対に。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
- 目覚めそうです…ごちそうさまでした。 -- 2011-04-13 (水) 08:57:22
- 新しい扉が開いてしまった気がします。凄く萌えました、有難うございました。 -- 2011-04-14 (木) 21:30:25
- 9年前からあなたを待ってました……!! -- 2011-04-21 (木) 03:46:38
- 目覚めてしまったありがとう。 -- 2011-04-24 (日) 00:01:42
- 目覚めてしまった、本当にありがとうございました。 -- 2011-08-26 (金) 18:19:13
- 目覚めてしまった…ありがとうございました -- 2012-06-18 (月) 20:55:58
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