Top/64-129

騎手 柴田大知と柴田未崎

弟が今日引退した、某ナマモノツインズの話。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

俺たちは同じ日に生まれ、同じ容姿で、同じ道を歩いてきた。

「辞めんのか」
「うん。体がボロボロだしね」

勉強以外、いつも俺の後をくっついて回っていた彼は、今日新たな道を歩み始める。
生まれて初めて、俺たちは別々の道を歩く。

「ごめんな」

別な生き方もあったはずだった。
それを同じ道に連れてきたのは、間違いなく俺だ。

「何で謝るんだよ。俺、お前と一緒にここに来たこと、全然後悔してないし」
「でも」
「俺は、この仕事に就けたことを誇りに思ってるよ。大したことはできなかったけど、貴重な体験はたくさんできたから」

思えば、この仕事に就いてからの彼は、常にケガと戦っていた。
それでも諦めることなく、いつも全力を尽くしていた。

「1つ頼みたいことがある」
「なんだ?」
「まだまだ先の話になるとは思うけど、いずれは先生になるつもりでいる」

彼の口からは、とてつもない夢が飛び出した。
同期に、ずっと試験を受け続けているにも関わらず、未だに受からないヤツがいるから難しさは当然分かっているはずだ。

「どんだけ先の話だよ」
「まあね。でさ、そんときはメインで乗ってもらいたいんだよね。だから、お前それまで現役でいろよ?」

笑ってごまかそうと思ったが、真剣な目つきに気付いてちゃかすのは止めた。
その目には、はっきりとした意志が見える。

「…50とか60とかまでは待てないからな」

励ましの言葉のひとつでも言えたらいいのに、自分に言っているような気がして、うまいことが言えない。
それでも気持ちはきっと通じているはずだ。

「頑張れよ、ミサキ」
「ダイチもな」

進む道が分かれても、俺たちの絆は変わらない。
新たな夢に向かって歩き出した弟が、少しだけいつもより頼もしく見えた気がした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
内容は勿論フィクションですが、同じくツインズのミズノ先生の例もあるので、ちょっと期待してます。
お疲れ様でした。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP