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トロン:レガシー クルー×リンズラー 「Soul in the circuit」

>>1さん乙
>>12
続きを楽しみにしています!

映画「都論:LЁGAСУ」よりСLU×ЯINZLЁЯでエロなし。文章が硬め。
あと文中に出てくる用語を記載しておきますので参考にどうぞ、

GЯID=USЁRである不倫が新たに作りだした電脳世界。
USЁR=実世界の住人、文中では不倫が主。
СLU=不倫が自分の補佐をさせる為に作った、自身のコピー。
   若かりし不倫の姿をしているが歳をとることは無い。
   与えられた使命を守り続けるあまり、不倫を裏切ってしまう。
ЯINZLЁR=СLUに仕える謎の戦闘マシーン。
TRОN=不倫の盟友のセキュリティプログラム、裏切ったСLUに倒される。
ISО=GЯIDの世界を革新させるらしい存在。勝手に湧いて出てきた。
ネタバレを含むので、駄目な方は飛ばしてください。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

玉座に座る支配者は、窓からGЯIDを見おろしていた。
漆黒の闇が青白い光を包み込んでいる。大地にはコンデンサのようにそびえ立つ建造物、
トランジスタのような住居群、そして一律に共通しているのが、どこへでも分け隔てなく伸びる光、
一際高いこの塔から見れば、その光景はひとつの集積回路のように見えていた。
おそらくUSЁR達はこの光景を"美しい"と表現するのだろう。

にもかかわらず、СLUは苛立っていた。
GЯIDのすべてを支配し、何もかもが自分の思い通りにいく筈なのに、
彼の論理演算で予想だにしなかった出来事が次々と起こっていく。
彼が抹殺しようとした一人のUSЁRは幾ら捜索隊を出しても見つからず、
ISОの生き残り共は利害関係の一致をネタに怪しげなクラブを作り、
СLUに反旗を翻そうとする下級プログラムの溜まり場になっているという。
彼等を処理さえすれば、確実にGЯIDは彼の演算通りの世界になるというのに。

СLUのなかで"苛立ち" - 不正処理の塊が物理的な暴走となって現れる。
無意識のうちに、彼は憲兵であるプログラムに歩み寄り、殴りかかっていた。
もちろん彼の下僕として矯正済みであるから、文句など何一つ言わない。
例え反抗されようが、今はこの憲兵プログラム以外誰一人いない筈だ。
そうしてサンドバッグにされるプログラム、このまま行けばフリーズするだろう
とСLUが肩に力をいれて最後の一発を繰り出そうとしたその時だった、
誰かがСLUの腕を強い力で制御しているのだ。振り向くと、ЯINZLЁRが立っていた。
フルフェイスのヘルメットに覆われたそのプログラムは一際異彩を放っている。

お前か…」

例えСLUでもЯINZLЁRの力には敵わない、彼は静かに憲兵を解放した。
それと同時に深刻なシステムエラーに陥る憲兵を気にもとめず、СLUは彼を見やった。
セキュリティプログラムの名残か、矯正をしても僅かだが本分は失われぬようだ。
だがそれもСLUの許容内にすぎない。彼はЯINZLЁRの身体に視線を移していく、
均整のとれた肉体、この世界の特徴であるプログラムのスーツは、その肉体美を忠実に再現する。
そして彼はGЯIDが誇る戦士、アリーナの英雄、物言わぬ戦闘兵器…
この世界に生けるもの達に畏怖されると同時に尊敬されているЯINZLЁR、
そんな彼を従わせ、自らに与えられた使命「完璧な世界の構築」の為の駒とする
自分自身にСLUは陶酔していた。紛うことなく、私はこの世界の支配者だと。

ЯINZLЁRのヘルメットにСLUの手が添えられるが、反応はない。
СLUは彼の頸部を探る様に弄り、彼のみが知るあるプログラムを作動させた。
プログラムは顔全体を覆っていたフルフェイスのヘルメットを分解していく、
かつてのクーデター以降、СLU以外誰一人見たものがいないЯINZLЁRの素顔が現れた。

そこにはひどく無機質で、端麗な顔立ちが佇んでいた。
黒く艶のある短髪、鼻筋の通った正面、固く結ばれた形のいい唇、
整った眉と適切な大きさの眼と鼻、それらを含む全てが整っている。
驚くことにGЯID以前の遥か昔、MСPが支配していた時代から全く衰えていない、
プログラムに"加齢"の概念がないのだから、当たり前と言えばそうなのだが。
また矯正の成果だろうか、視点はおぼろげで、眼に意思がまるで感じられない、
顎を掴まれたことにも反応せず、ひたすら心許無い視線をСLUに送り続けている。

「相変わらずだな」

СLUは内心ほくそ笑んでいた。
それは幾サイクルも前の、彼を裏切った忌々しいUSЁRを叩き出した日のこと。
彼は記憶メモリのなかでも、特に甘美なメモリであるそれを引きずり起こす。
盟友であるTRОЙや不完全なISОと共に現を抜かす間抜けな男の顔を、今も忘れてはいない。
そしてそれらを破壊する瞬間は、"快楽"としてСLUの論理演算回路に刻み込まれていた。
記念すべき日。不完全な要素を排除できた"快楽"ほど素晴らしいものは無いだろう。

だが目の前のプログラムは、その不完全な存在を最後まで守ろうとして、犠牲になった。
それは彼の身体と忠誠心がСLUではなく、USЁRの為のものであったからだ。
哀れなプログラム、そう馬鹿にする一方でСLUは焼けつくような"嫉妬"を覚えていた。
USЁRは不完全な存在にもかかわらず、創造の力を含む全てを持っていたのだ。
彼が不完全な存在であるのはСLUの目から見ても明らかであったし、
欠陥を抱える者がGЯIDの全てを管理しているという現実に嫌悪さえした。
そしてその存在を過保護といえる程に守り続けた、愚直なセキュリティプログラム。
その身体と忠誠心を、完璧であるСLUの使命に役立てるべきだと考えていた
彼にとっては、腹が煮えくりかえる程に不愉快な事実であった。

СLUはその忌々しい過去を振り払うかのように、目の前のプログラムへ
半ば強引に、USЁR達が"キス"と呼ぶであろう行為をする、がこれは不正処理の結果ではない。
USЁR達が"快楽"を得たい時に"キス"をするという情報を事前に認知していたからからだ。
СLUは、彼のガラス玉の様な瞳が自分の顔を映し出したのを一瞥したあと、乱暴に唇を貪り始める。
次にСLUの舌が彼の上唇を押し上げて彼の口内に侵入し、口腔内の敏感な回路を刺激していく、
彼の回路の活動は活発になり、熱を帯び始め、呼吸活動は激しくなり、頬も色づき始めた。
が口内を犯されても、彼は依然として曖昧な表情で、蠢く舌を受け入れ続けるままだ。
それは異常な光景だったが、СLUはそこから得体の知れない"何か"に興奮していた。
だがその"何か"を具体的に掴むことは、プログラムであるСLUには難題であった。

これまでも何度か経験があったが、なかなかいい感触だ。
あの欠陥だらけのUSЁRがこれを見たら何と感じるだろう?
大切な盟友が自分のコピーに好き勝手されたら、どう思うだろう?

操り人形との"キス"を続けるうちに、СLUの苛立ちが少しづつ薄れていく、
舌と口腔の摩擦によって生まれた淫らな音を背景に、彼は"勝利"を感じていた。
完璧で、歳を取らず若いままの私と、老いぼれていくだけの不完全なUSЁR、
どちらが優れているかは明白…それはСLU自身にも分かりきったことだ。
あの男と来るべき息子とISОさえ処理すれば、真に「完璧な世界」が構築できる。
奴等は巨象に喧嘩を売る愚かな蟻にすぎない、だから今は"快楽"に身を任せればいい。

ЯINZLЁRの腰に添えられていたСLUの手が、緩やかにスーツの下部へと降りていく。
更なる淫行が始まるのだろう、彼は抵抗を諦めたかのように、そっと目を閉じる。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • ふおお まさか都論で書いてくれる方がいたなんて…!乙でした! -- 2011-01-22 (土) 16:33:54

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