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オリジナル 「あなたがわたしの」

元ネタあるっちゃあるけど特に描写してないのでオリジナル。好きに脳内イメージして読むと吉。
初投下で不備あったらすまん
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

お嫁さん降って来ないかなぁ
俺のお嫁さんはさぁ
毎日毎日顔つき合わせる事になるわけだけどさ
それが何の苦にもならなくってさぁ

毎日毎日飯作ってくれなくてもいいんだよねえ
たまにはこっちが作ってさぁ
それに「不味い」とか「美味い」とか一言感想言ってくれてさ

そんな感じで毎日毎日
ああでも毎日じゃなくてもいいんだけどさぁ
普段は別居でもいいし
共働きでもいいんだ
他に大切な人がいてもいい
俺にはお前だけだしなぁ

たまに会う日が決まっててさ
嫁さんの方から会いに来てくれるんだぁ
まあそれ以上に俺の方から会いに行ってるんだけどさぁ

子供は出来なくてもいいんだよなあ
もう愛が出来ちゃってるからさぁ

まあ俺は毎日「ああー嫁さん可愛いよぉハアハア」とか言うけどさぁ
気持ち悪かったら蹴り飛ばしてくれていいからなあ
喜んで蹴飛ばされるからさ

そんな感じで毎日毎日
笑ってくれたり怒ってくれたり蔑んでくれたり泣いてくれたり蔑んでくれたり
他愛もない話とか大事な話とかしたり
撫でてくれたり抱きしめてくれたり蹴り飛ばしてくれたり暴言吐いてくれたり手つないでくれたりする

そんなお前が欲しい

「・・・・とは言えんなー」
「ん?」
縁側に寝そべっている男とその隣で座っている男。
あと2,3時間すれば昼飯時になる。
そのころには座っている男は寝そべっている男を置いて、どこかに行ってしまっているだろう。
特に何をするわけでも話すわけでもないが、こうして二人で何となく傍に居れるのは幸せなことだろう。
と、寝そべっている男は思った。
この、隣で座って空を眺めている男に、まあ、いわゆる、一目惚れをしたわけだが。
まさに出会った、まだ幼かったその日に、だ。
そりゃぁあの時はまさか、お互いの立場も何もかなぐり捨ててまでも
『一緒に暮らしたい』とか
『それが死ぬときまで続いて欲しい』とか
『抱きしめたい』とか
友人以上の愛情を感じているとは夢にも思わなかったが。
まあ、大人になってきてそれが自覚出来てしまったのだからもう仕方ない。
完膚なきまでに一目惚れ以外の何物でもなかったのだ。

それを伝える、つまるところ告白してしまうかどうかは、まだ迷っている。
俺の大好きなこいつは恐らくノーマルな趣味だ。
俺が「好きだ」なんて本気で言ったら真剣に断ってくれるだろう。
そうしたら俺は爽やかに笑って「諦めがついた」と言って。
友人としての今までの日々がこれからも続いて行くことだろう。
それはそれでも、いいんだが。
もしも俺が「好きだ」なんて言いつつ強引に手やら何やら出したりしたら。
・・・爛れたセフレぐらいにはなってくれそうだ。
友人の強い願いを無視する奴ではないから。

「好きになってくれ」
今日も繰り返す。「好きだ」とは言えず。
たまに会うたび必ず言う。「好きになってくれ」
最初はきょとんとしていたこいつも、会うたび繰り返され気づいたのだろうか。
これを聞くと、苦虫を噛み潰すような顔をするようになった。
たまに思い描く、想像は。
俺がうっかり「好きだ」と言ってしまって
こいつは一拍おいて、「俺もだ」と言う。
ならもっと早く言ってしまえばよかったと、俺は死ぬ間際に笑う。
もう後には何も無い、死ぬ間際なんかにならないと、俺はきっと言えないだろう。
お前が欲しいと言えないだろう。

「・・・俺もだ」
「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
幻聴にしてはリアルな響きに意識が覚醒する。
日のあたる暖かい縁側から飛び起きて、庭に立っている俺の大好きな奴を凝視する。
隣に座っていたはずなのに、いつの間にか俺の前に腕を組んで立っていた。
俺の目は点になっていることだろう。
「俺もだ」
「え?」
「・・・『好きだ』って言っただろう」
「い、言ってないぞ?」
「言った」
「言ってない」
「言った」
「・・・い、言ってません」
「言った」

相変わらず妙なところで頑固なヤツだ。
・・・いつ言ってしまったんだろうか、心の声を読まれたのだろうか。
「読んだのか?」
「何をだ」
こっちが聞きたい。
「あの」
「ああ」
「お前が、俺を、好き?なの、か?」
「・・・・・・お前が俺を好きなんだろう」
「へっ・・・・・・・・・・・・・・・は、はい」
死の間際とか言ってた恥ずかしい人は誰だろうなあ。
すんなり肯定してしまった。
よくよく落ち着いてみると、いやまったく落ち着けないが、それでも見ると、相変わらずの仏頂面のヤツの顔がほんのり紅い。
目も大分泳いでいるし、いつになく俯いている。
俺の方をキっと睨む様に見つめ「そうならそうと早く言え」と、吐き捨てるように言う。
「結構前から言ってたが・・・」
俺がなんとなくオドオドとしてしまいながら言うと、
「『好きになってくれ』だろう。お前が言ってたのは」
俺の好きな瞳が、真っ直ぐに俺を見つめながら言う。
なんだ、やっぱりもっと早く言ってしまえばよかったか。

「お前が欲しい」
「ああ」
「死ぬまで言わないつもりだったが、お前が好きだ」
「ああ」
「実は一目惚れなんだ」
「ああ」
「一生傍に居たい」
「鬱陶しいな」
「四六時中じゃなくてもいい、それでも一生傍に居たい」
「ああ」
「好きだ」
「ああ・・・・俺もだ」

はあー、可愛いなあ。ムラムラするなあ。
抱きしめたいなあ。いいかなあ。頭を撫でたり頬ずりしたりしていいかなあ。
蹴り飛ばされるかなあ。それでもいいなあ。
ああ、好きだなあ。
「なあ」
「ん」
「俺とお前の夫婦生活プランがあるんだが聞いてくれるか」
「・・・・ちなみにどっちが嫁なのか聞いてもいいか」
「勿論」

「お前が俺の嫁」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
棚たんいつもありがとうちゅっちゅっ


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