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某生兄弟 「いい子にしてます」

どうしてもやらかしたかったので場所をお借りします
諸事情によりわざとぼかしている(つもりな)のでお許しください

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

世の中、こうと言い切るというのは中々勇気がいるものだと日夜痛感する毎日を送っているのだが、こと自分の兄弟仲に関してなら、はっきり「良い」と断言できる。
異常、とか、もの凄い、なんて賞賛とも奇異とも取れる冠をつけられることも少なくない。
異常は少し失礼な気もするが、近しい者になればなるほど形容が露骨で不躾なものになるのだから、まぁつまり、言わずにおれないようなものであることは間違いないだろう。
たしかに、一般的成人兄弟は、時間が惜しいとか風呂が広いといった理由があっても、一緒に湯を浴びるようなことは多分しないものなんだろう。
風邪が流行ってる、とか、ちゃんと朝ごはん食べてるか、なんてメールは百歩譲ってやり取りしても、撮った写真を添付して「今度の帰省土産決定!」なんてメールに、いそいそロックをかけて保存しているというようなことは、あまり世間でも聞かないな。

だがそれも、お互いの多忙が極まっているせいだ。身を置くのは、どちらも華やかな戦場。カメラとフラッシュ。
対極にあるようで、何も変わらない、どちらも泥くさい世界の中で、余裕なフリしていつも足掻いている。
孤独な夜に耐えるには、時には甘える枕も欲しいのだ。絶対に裏切らない、見返りを求めない、唯一無二が条件の。

それに、顔も声もリモコンひとつで確認できるからこそ、その存在が遠く離れたようでおそろしい。
一つ屋根の下に住んでいた時より、よほど近づいてうつる横顔も、それが自分と血のつながった片割れであるのかどうか、見れば見るほど希薄になる。
大衆向けでない、生の姿を恋しく思う。

だから、血のつながった兄弟にしては多少過度なスキンシップを求めるのも、まぁしょうがないことなのだ。
人生いろいろ、兄弟もいろいろ。
悩みもいろいろありすぎて、ちょっと辛いこの頃だけど。

短い休憩中、熱心に何かを読んでいる後輩の姿に、弁当をつついていた男はちょっと目を開いてから、小さく吹き出した。
相変わらず勉強家だと感心したところだったのだが、よくよく見れば、彼が目を落としている物は大衆向けの雑誌だった。
ページに沿わせた長い指先からはみ出すあおり文字に、ゴルフの三文字が見える。
四角い写真いっぱいに、爽やかなグリーンが息吹いていた。
ゴルフしたいんだろうなぁ、と思う。体を動かすのが好きだと聞いてる。
年末ぐらいは遊ばせてやりたいもんだ、などと、先輩面というより親心のような温かい気持ちを勝手に抱いて箸をねぶった男は、そこでちょっとした違和感を覚えた。
さっきから、全然ページが進んでいない。どころか、ページの文章を読んでいる気配さえなく、一点におかれたまま往年の実父によく似た鷹の目は、見開きの一番左横隅、四角い枠のところで、じっと止まっている。
男は思わず身を乗り出して、なんとか其れが見えないものかと、眉根に力をこめた。

一体、あそこに何が書いて――ん?『ゲストコラムニスト』?
今月は、今月は…小――考……?

舐める様な目つきに、ちょっと背筋を寒くしたところで、不意に後ろから秘書の声がかかった。

「先生、そろそろお時間ですよ」
「おっと、……すみません、今」

そう言って顔をあげたときは、もういつもの涼しげな目元に戻っている。
さりげなく閉じられた雑誌は、すぐに大きな資料鞄とは別の鞄にしまいこまれた。
襟を整えて、すぐに臨戦態勢に変化する。あざやかな切り替わりだった。

男は疲れ目かなぁと不安を覚え、次の審議で眠らないよう、慌てて両目をゴシゴシこすった。

□STOP ピッ ◇⊂ (・∀・ )
イジョウ ジサクジエンデシタ-

  • この兄弟は萌えますね~!良作ありがとうございます! -- 2011-06-12 (日) 01:30:49

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