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ヒカルの碁 ヒカル×アキラ、アキラ×ヒカル 「幻の雪」

リバ注意! ヒカアキのちアキヒカになります

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

十二月も半ばを過ぎ、市ヶ谷駅を行き交う人の足もどこか忙しなく感じられた。
改札を潜ったヒカルは風の冷たさに首をすくめ、ミリタリーコートのジッパーを閉めた。
市ヶ谷近辺はオフィスビルが多いせいか、クリスマス間近だというのにイルミネーションで彩られるわけでもなく、いつも通り殺風景だった。
それは日本棋院も同じだ。碁界の総本山が華やぐのは松の内くらいのものだ。
もうすぐ人生で十七回目のクリスマスが巡ってくる。アキラと同棲を始めて早半年。
今年のクリスマスは家族とケーキを食べ、シャンメリーを飲むような子供っぽいイベントではない。
生まれて初めて恋人と過ごす聖なる夜なのだ。そう考えると心が浮き立ち、自然と歩調も速くなった。
ヒカルは一気に坂を登り、日本棋院に飛び込んだ。
有楽町線の車内と同様、ここも暖房がよく効いていた。
ヒカルはコートのジッパーを開け、エレベーターに乗り込んだ。
六階の大広間ではまだ大勢が打っていた。ヒカルは自販機でC.C.レモンを買った。
「なんだよ、進藤。今日手合いねーだろ?」
和谷の声だった。和谷はヒカルが缶を取り出す前に、自販機に硬貨を入れ始めた。
「聞いても無駄かもしんねーけど、一応聞いとくな。お前、来週の二十四日空いてる?」
「クリスマスイブ?」
ヒカルはプルトップを開け、喉を潤した。
「そう。オレんちでクリスマスパーティーやろうかと思ってんだ」
「ワリィ、その日はずーっと前から先約が入ってんだよね」
「だと思ったよ、バカップル」
和谷が馬鹿にしたように鼻で笑った。ヒカルが言い返そうとした時、大広間から伊角が現れた。
「あ、伊角さん!」
伊角を見るなり、和谷は尻尾を振らんばかりの勢いで駆け寄った。
「伊角さん、今度のクリスマスパーティーなんだけどさ、やっぱ進藤はだめだってよ。
もういっそ二人で過ごさねえ? な、そうしようぜ伊角さん」
ヒカルは時計を見て、そろそろ頃合だなと思い、階段で五階に下りた。
以前、アキラが風邪気味で手合いに出た時、対局室にのど飴と粉末のしょうが湯と長ネギを持っていったことがあった。
風邪を引いた時はネギを首に巻くといいと佐為も祖父も言っていた。

対局の間中、記録係とアキラの向かいの芹澤九段の視線が絶えずちらちらとこちらに向けられた。
検討後、アキラは鼻声でもう二度と対局室にネギを持ってくるなと怒鳴った。
以来、ヒカルはなるべくアキラの邪魔をしないよう、対局中は対局室に入らないようにしていた。
角を曲がると、ちょうど寂光の間からアキラと乃木九段が出てきたところだった。
ヒカルは棋譜を見せてもらった。アキラの二目半勝ちだった。
「すげえ、さすが塔矢」
乃木九段は無言でエレベーターに乗り込み、さっさと帰ってしまった。
「進藤、今日はキミの手合いはなかったはずだが」
「お前を迎えに来たに決まってんだろ」
アキラは人目を気にするように周囲を見回した。すでに記録係などは階下に下りていた。
「晩ご飯、何がいい?」
アキラが安堵した様子で聞いた。
「久しぶりにナポリタン食いてー。ケチャップどばどばのやつ」
「わかった。じゃあ、スーパーでウィンナを買わないとね」
アキラは「スパゲッティまだ残ってたよね」と独りごちながらエレベーターのボタンを押した。
ヒカルはその細い手首を握ると、アキラを引き寄せ、キスをした。
「進藤」
アキラがヒカルの肩を強く押した。ヒカルはキスはやめたが、手首は放さなかった。
「誰もいねーんだからいーじゃんか」
「そういうことは帰ってからにしてくれないか」
「帰ったってお前なかなかヤラせてくれねーだろ」
「声が大きい」
アキラが鋭く睨んだ。
「オレは別に聞かれたって構わねーけど」
「ボクが困るんだ」
エレベーターのドアが開いた。アキラが荒々しい足取りで乗り込み、ヒカルもそれに続いた。
「ちぇっ、結局すんげえ好きなのはいつもオレのほうなのな」
ヒカルは後頭部を壁にごんとぶつけ、ため息をついた。
「ボクだってキミのことが好きだ」
アキラがコートを羽織りながら反論した。
「だといーんだけど」
エレベーターの照明は少し黄ばんでいて、なんだか寂しい気分になった。

「ボクがどれほどキミのことばかり考えていたか知らないからそんなことが言えるんだ」
「ほんとに?」
ヒカルは横目でアキラを窺った。アキラの横顔はどきっとするほど真剣みを帯びていた。
「そっか、オレのことばっか考えてたんだ」
ヒカルはアキラの黒髪に顔をうずめた。
「馬鹿、もう一階だ」
エレベーターのドアが開いたので、ヒカルは渋々アキラから離れた。
「なあ、ちょっと寄りたいとこあるんだ。付き合ってくれねえ?」

タカシマヤタイムズスクエアの地下一階は仕事帰りのOLで賑わっていた。
「早く選べよ」
ヒカルは肘でアキラをつついた。
「進藤に任せるよ」
洋菓子店のショーウィンドウにはたくさんのクリスマスケーキが並んでいた。
ルビーのように真っ赤なものから雪のように真っ白なものまで様々だ。
ヒカルは一番クリスマスらしい雰囲気のイチゴの載ったケーキを選んだ。リボンとトナカイの飾りつきだ。
予約を済ませると、ヒカルはアキラを連れて新宿駅近くのゲーセンに向かった。
「またプリクラを撮るのか? この間も撮ったばかりじゃないか」
アキラは不満そうだったが、ヒカルは気にしなかった。
「あれは初めて一緒の指導碁の仕事が入った記念だろ。今日は初めてクリスマスケーキを予約した記念」
ヒカルは重たい垂れ幕をめくり、アキラを中に押し込んだ。硬貨を入れて一枚撮ったあと、「塔矢」と呼んだ。
「なんだ?」
アキラが振り向いた瞬間、唇を割って舌を入れた。
「……ん」
周囲が垂れ幕で遮られているせいか、アキラは抵抗しなかった。ヒカルはさらに奥深くまで舌をねじ込み、手探りでボタンを押した。
舌を絡めたままもう一枚撮ってから、今度はアキラのズボンのジッパーを下ろした。
「進藤、やめ……」
アキラが言い終わる前に、ヒカルは指をなめ、アキラの奥まったところに入れた。
十円玉大の少し硬い部位を指で押すと、アキラの口から悩ましい吐息が漏れた。
「……はっ……あぁ」
ヒカルは敏感な個所を刺激し続けた。アキラはプリクラ機に手をつき、膝を震わせた。
「……んぅっ……ふっ」

我慢できなくなったヒカルは、すぐにジーンズのジッパーを下ろし、怒張した自身を突き入れた。
「……あっ……あぁっ……しんどう……しんどう」
アキラの声が一段と切なくなった。ヒカルはタイミングを見計らい、腕を伸ばしてボタンを押した。アキラが達し、精液が放たれた。
画面が白く濁った。アキラは手をついたまま、肩で荒く息をしている。画面にはアキラのイった瞬間の顔が収まっていた。
ヒカルはティッシュで画面を拭うと、それを選び、分割せずに一枚のプリクラにした。
「塔矢のエロい顔ゲットだぜ!」
「どうしてキミはこんなことばかり熱心なんだ」
アキラはズボンのジッパーを上げ、髪を整えた。
「碁だって熱心だろ」
ヒカルは言い返したが、アキラの返答はなかった。

一週間後の二十四日。ヒカルは研究会のあと、タイムズスクエアでケーキを受け取り、山手線に飛び乗ってマンションに帰った。
「お帰り、進藤」
テーブルにはすでに料理が並んでいた。
ローストチキンやローストビーフは売り物だが、ホタテのカルパッチョやニョッキのトマトソースがけ、ブイヤベースは手作りだった。
ヒカルは「すげえ、すげえ」と言いながらすべて平らげた。デザートのケーキも天国にいるような味わいだった。
「塔矢、プレゼントがあるんだ」
ヒカルは咳払いをしてから小さな箱を渡した。
「なんだろう、碁石かな」
アキラは中身を確かめるように箱を振り、それから蓋を開けた。中に入っていたのは「オレ」と書かれた一枚の紙きれだった。
「他にいいの思いつかなかったんだ。お前の誕生日にエルメスの財布あげただろ?」
「うん、とても嬉しかった」
「あれに二十何万使っちゃって正直もう貯金がなくてさ」
「値段なんかどうでもいいのに」
「だって緒方先生って平気でお前にブランドもんプレゼントするじゃん。対抗したくなっちゃうのはしょーがねーだろ」
「ボクはキミがくれるものならなんでも嬉しいよ」
「オレ、頑張るから。お前をイカすためならなんだってやるから」
「実はボクもキミにプレゼントがあるんだ」
アキラはポケットから小さな箱を取り出し、ヒカルに渡した。ヒカルは急いで蓋を開けた。
中には「ボク」と書かれた紙きれが一枚入っていた。
「塔矢……」
ヒカルは嬉しさのあまり言葉を失った。

「キミの誕生日に扇子をあげただろう? でも、キミはあの純金製の扇子を一度も使ってないよね。
だから、もうあげるものはボクしかないと思ったんだ」
「いや、違うんだ、塔矢。もったいないから使ってねーだけなんだって」
ヒカルは慌てて言い訳した。だが、実際のところ、純金製の扇子など凶器にはなっても涼を得るためには使えない。
「西陣織の紋付の羽織にしようかとも思ったんだけど、キミの家の家紋を知らないし」
「オレだって知らねーよ。そうじゃなくて、塔矢、ほんとすげえ嬉しい」
「ボクもキミがもらえて嬉しいよ。早速プレゼントを使ってもいいかな?」
「いいぜいいぜ。ここでやる? それとも風呂場でソープごっこする? なんならベランダでもいいぜ」
「ボク、上になりたいんだけど」
「え? えええええええええええええええええっ?」
 ヒカルは驚いた拍子に椅子から転げ落ちた。
「上? お前が上?」
「だめかな?」
アキラがちょっと悲しげな顔で首を傾げた。その姿はとても愛らしく、またこの上なく官能的だった。
「オレがお前の頼みを断れるわけねーだろ。でも、お前が上って、マジかよ」
「キミ、前に言ってたよね。すんげえ好きなのはいつも自分のほうだって。ボクも同じくらいキミが好きなんだってことを証明したいんだ」
「塔矢、そこまで思い詰めてたのか……。わかった、オレも男だ。下になるよ」
ヒカルは「ははは」と笑いながら立ち上がった。内心は緊張のあまり胃が引っくり返りそうだった。
いつもアキラにしていることを自分がされるのだ。果たして入るのだろうか。
「大丈夫だ、進藤。ボクもネットでいろいろ調べた。キミにつらい思いはさせない」
「すげー、かっけー塔矢」
ヒカルはもう一度笑ったが、かすれた声しか出なかった。
「進藤」
アキラがカエルを睨むヘビのような凄みのある表情でヒカルの肩に手を置いた。
「塔矢、顔がこえーよ」
「そうか。たぶん、緊張しているんだと思う」
「だろうな」
アキラの顔が近づいてきて、唇同士がそっと触れた。ヒカルはいつもの癖で自分から舌を入れた。
だが、今夜はアキラに主導権がある。ヒカルはされるがままになった。アキラはヒカルの舌を絡めとり、前歯をなぞった。

そのうち、アキラの手が伸びてきて、カットソーの中にするりと入った。アキラのひんやりした指が左の乳首をなでた。
すぐに反対の手も伸びてきて同じように右の乳首をなでた。
ヒカルは最初、アキラの乳首に比べて、自分のはいくら刺激しても硬くならないのではないかと思った。
だが、アキラがキスをやめ、乳首をなめ出したとたん、衝撃がどくんと体を走った。アキラは強く吸ったり軽く歯を立てたりしている。
普段ヒカルがしていることだった。同じことをされただけで、下腹部がじんわりとうずいた。
「この体勢じゃつらいな。進藤、寝室に行かないか」
アキラが腰を伸ばし、ふうと一息ついた。ヒカルはその首に抱きついた。
「お前に入れてー」
「進藤」
アキラの声は硬かった。
「わかってるよ」
ヒカルはぱっと離れた。アキラはリビングの照明を落とし、寝室に向かった。ヒカルも続いた。寝室は暗く、豆電球しか点いていなかった。
「なあ、電気点けちゃだめ?」
「だめだ」
アキラは明るい部屋でセックスすることを嫌がった。一度、無理やり押し倒したことがあったが、碁石の詰まった碁笥で思い切り殴られた。
ヒカルは諦めて裸になった。アキラは脱いだ服をきちんと畳んでいる。ヒカルは覚悟を決め、ベッドに横になった。アキラがベッドに乗り、マットレスが軋んだ。
どきどきしながらじっとしていると、乳首が口に含まれた。アキラはヒカルの乳首を舌先で転がしながら、反対を指でつまんだ。
「……あっ……んんっ……塔矢」
ヒカルの腿にアキラの熱いものが当たった。ヒカルのそれもアキラに負けず劣らず猛っている。
不意に、アキラが口を離した。サイドテーブルに手を伸ばし、がさごそと何かを探している。
サイドテーブルにしまってあるのはローションにバイブ、ローター、エネマグラ、ディルドだった。すべてヒカルがネットで買ったものだ。
さすがにいきなりバイブやディルドはやめてほしい。ヒカルの不安は杞憂に終わった。アキラが探していたものはローションだった。
ぬるぬるとした指がヒカルの穴に入れられた。
「……ひっ」
あまりの冷たさに腰が跳ねた。
「すまない、びっくりしたか?」
「あー、ちょっとだけな」
「違和感がなくなったら教えてくれ。次は二本だ」
アキラは指の出し入れを続けながら、ヒカル自身に舌を這わせた。

「……はっ……あぁっ」
アキラにくわえられ、しごかれるだけでめまいを覚えた。だが、限界まで近づいた時、突然解放された。
「……とーや」
「先に達してしまうと肛門の締まりが強くなってしまうらしい」
「そーかよ」
あまりに直球な物言いにヒカルは少しばかり興をそがれた。しばらく、くちゅくちゅと卑猥な音だけが寝室に満ちた。
「……塔矢、もう平気かも」
「わかった」
指が二本に増えた。
「……んぅっ……あっ」
穴は閉まろうとするのに、指は強引に押し広げる。じれったさのせいで穴が余計に敏感になり、粘膜が裏返るような快感が突き抜けた。
アキラは睾丸をしゃぶったり、手で転がしたりしている。段々と頬が熱くなった。
その時、アキラが指を曲げた。体がびくっと反応した。
「ここがキミの前立腺だ」
「……あっ……塔矢……やめ……やめろ」
ヒカルは拳を握り、閉じたまぶたに押し当てた。亀頭から先走りが溢れ、根元まで伝った。
「知らなかったよ、キミは感じやすいんだな」
アキラが亀頭に唇を当て、ちゅうと先走りを吸った。
「……ひっ……い……やぁっ」
「キミはよくボクのことをエロいだなんて言うけど、キミのほうがよっぽどいやらしいんじゃないのか?」
アキラはそう言うと、また亀頭を吸った。指は相変わらず前立腺を押し続けている。
「……い……いや……塔矢……やだ……やだっ」
ヒカルはさらにきつく目を閉じた。口を開けたまま荒く呼吸しているため、舌の表面が乾いていた。
「もうそろそろかな」
指が抜かれた。そんな些細な刺激だけでもヒカルの体は喜んだ。
足が開かれた直後、ヒカルの中にアキラが押し入ってきた。
「……あっ……あぁっ……塔矢っ」
アキラは想像以上に力強かった。苦しそうに喘ぎながら、それでもずちゅっずちゅっとヒカルを突き上げた。
「……あっ……あんっ……んんっ」
「……しんどう……しんどうっ」
「……とーや……いい……いい」
ヒカルは絶頂が近いのを感じ、果てるのを待った。だが、なかなか訪れない。

大波は押し寄せそうになるたびに引いていく。しだいにヒカルの中で快楽が倦怠感に変わっていった。
「とーや、も、イキたい」
「……ん」
ヒカルは自身に手を伸ばし、しごいた。長く待った分だけ反動もすごかった。
「……ひっ……あっ……あぁぁぁっ」
内臓ごと精液が飛び出したようなすさまじい感覚に襲われ、ヒカルの頭は痺れた。
「……しんどうっ」
すぐにアキラもヒカルの中で果てた。二人とも重なり合ったまま、しばらく動かなかった。
繋がった部分は境がわからないほど熱くなっていた。
「進藤」
アキラが自身を抜き、ヒカルにキスをした。
「どうだった、よかったかな?」
「すげー気持ちよかった。お前ってやっぱ器用なのな。なんでもできちゃうんだな」
「そんなことないよ」
「料理だってうまいし」
「キミだってうまいじゃないか」
二人はしゃべる合間に貪るようにキスをした。
「今度からは交替制にしないか? それなら平等だろう?」
「やだ!」
ヒカルはがばと跳ね起きた。
「今日は特別な日だからOKしたんだ。オレはお前に入れたいの。お前をヤリたいの。お前を犯したいの」
「わかったよ、わかった。ボクが下でいいよ」
「よっしゃ」
「でも、キミだってかなり感じていたんだろう?」
「う……そうだけどさ」
「そうだ、こうしよう。ボクの誕生日とクリスマスだけ役割を交換するんだ」
「うーん、お前がどうしてもって言うなら仕方ねーけど」
「よし、決まりだな」
「なあ、塔矢」
ヒカルはアキラの肩に頭を載せた。
「来年のクリスマスも再来年のクリスマスもずーっと一緒にいような」
「当たり前じゃないか。ボクたちはこのまま大人になっていくんだ」

アキラがヒカルの背中に腕を回した。
「お前、どこにも行くなよ。勝手に消えるなよ。一生オレのそばにいろよ。
もし死んじゃったらオレに取り憑けよ。オレも死んだらお前に取り憑くから」
「おかしなことを言うんだな、キミは」
「だって寂しいだろ。お前のいない人生なんてオレは耐えられねー」
「ボクもだよ、進藤」
ヒカルは顔を上げ、アキラにキスをしようとした。すると、アキラがくしゅんとくしゃみをした。
「どうした、寒いのか?」
ヒカルはアキラの体に毛布を巻きつけた。
「あ、進藤、見ろ。寒いはずだ、雪が降ってる」
アキラが窓を指さした。窓の外をぼたん雪が音もなく降っていた。
「雪? 十二月に東京で?」
ヒカルは驚いて膝立ちになった。
「不思議だと思わないか、進藤。雪も碁も何千年も前から変わらないんだ。きっとボクも何千年経ってもキミを愛し続ける」
「とーやー」
ヒカルはアキラを押し倒した。
「オレが上になっていい?」
「日付が変わるまでボクが上だ」
「ちぇっ」
ヒカルはアキラと一緒に毛布にくるまった。空気が冷たくなればなるほど、二人の体温は熱くなるようだった。

翌日、新聞に東京の初雪を知らせる記事はなかった。テレビの天気予報も同じだった。
あれは幻だったのだろうか。それとも……。

(完)

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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