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龍馬伝 和助→武市瑞山 「潮騒」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
タイガードラマ 和介→武智がベースながら、オリキャラ要素満載な半年以上前に投下した話の後日談。
最後詐欺、ファンタジー、死にネタ、色々やらかしてるので危険と思われる方はお避け下さい。途中で一度中断します。

海の音が聞こえた気がした―――

「えっ?」
怪訝そうな声を上げられ、それに和介は瞬時我に返る。
そして上げた視線の先にはこの時、手首の脈を取りながらこちらを心配そうに伺い見てくる年若い医師の顔があった。
名は武智半汰。
かつて自分と縁あった方の死後の養子である彼は、その聡明そうな眉をきつくしかめると、口を開いてくる。
「大丈夫ですろうか?」
真剣に身を案じるように。だからそれに和介は気を取り直すと、彼を安心させるようにその口元に笑みを浮かべていた。
「申し訳ないがです。なんちゃぁ空耳のようで。年ですのう。」
殊更明るく告げる。しかしそれにも彼は浮かんだ表情の曇りを完全には払わないまま、その時ゆっくりと
掴んでいた手を離してきた。
「それならええですが。しかしあまり無理はせんでつかぁさい。今年は夏が酷う暑かった分、その反動で
冬の寒さが厳しゅうなるようです。そう言う差に体がついていかんで倒れる患者を私はこれまで何人も知っちょる。
とにかく無理は禁物。もし何か人手がいるような事があればすぐに呼んでつかぁさい。冬に備えて屋根の修理でも、
食料の備えの準備でも、」
「先生、薪割り終わりました!」
「何でもこの秀にやらせますき。」
「へっ?」
「なっ!」
「えっ、あっ、はい。」
真剣な面持ちの半汰と、部屋に入ってくるなり話を振られて、意味もわからずそれでも首を縦に何度も振る秀と呼ばれた青年。
そんな二人の奇妙な阿吽の呼吸に、和介の笑みは更に深くなる。だから、
「ありがとうございます。」
起き上がっていた布団の上であらためて姿勢を正すと、和介はこの時彼らの前に手を突き頭を下げた。
その髪には白いものが増えていた。
もともとそれほど大柄では無く細身ではあったが、その向けられた肩は夏の頃より更に痩せたようだった。

「あの~、先生?」
朱い空に鳥が鳴く夕暮れ時の村の道を、無言で歩き続ける己の二歩程後ろ。
恐る恐ると言った様子で声を掛けてきた秀に、半汰はその時ようやく視線を返していた。
「ん?」
どことなく声に力が入らない。
するとそんな自分の様子に、秀は間合いを詰めながら不安そうな問いを口にしてきた。
「和介さん、どこか悪いんですろうか?」
彼は自分と同じ医学を志す者だった。今はまだ免状こそ取れてはいないものの、日々自分を手伝いその知識を養っている。
そんな彼の目から見て、自分はそんなに周囲の不安を掻き立てるような顔をしていたのだろうか。
思えば、自省の意図から半汰はこの時、一度両の手で己の頬を叩いていた。
「先生?!」
「何ちゃあない。自分が情けのうなっただけじゃ……医者のくせにな。」
「…………」
「心配すな。あの人は今のところどこも悪うない。熱は平熱。脈も正常だった。」
「やったらどういて、」
「……切れちゅうように見えてなぁ…」
「切れ、って何がですか?」
端的すぎてわかりにくい自分の言葉に、傍らで秀が首を傾げる。
それに半汰は苦笑を洩らすしかなかった。
「私にもようわからん。気力、と言うのもちっくと違う気がするし。この世に繋ぎ留めておく執着とでも言おうか。」
「執着…ですか。」
「あの人は、もう生きちゅう事に未練が無いように見える。」
それは、認めてしまえば自分にとってひどく淋しい事だった。
郷土において偉人と称えられるような人の養子に入った自分を、幼い頃から支え、見守ってくれていた人だった。
けして表には立たず、ずっと影から密かに。
それは彼が、自分の養父にあたる人にひどく敬意を抱いていたからのようだった。
昔語りを幾度もせがみ、聞いた、彼と養父との邂逅。
そして引き裂かれたその別れからもう幾年が過ぎたか。
自分からすれば、それは想像もつかないような長い時間だった。
だから、なのだろうか。
「もう限界なんじゃろうか。」
ぽつりと呟きが零れる。
「私では、代わりにあの人を繋ぎ留める絆には為りえんか……」
口元に浮かぶ自嘲気味な笑み。
と、その時、不意に腕を強く引かれる感触があった。
それに驚いて半汰が視線を向ければ、そこにはひしっと力を込めて着物の袂を掴んでくる秀の姿があった。
「秀?」
驚いて声を掛ける。と、それに彼はひどく勢い込んだ声色でこう告げてきた。
「そんな事は無いがです!」
「………?」
「先生の事を大事に思わん人間は、この村には一人もおらんがです!」
年は自分より少しだけ下だった。
真面目でまっすぐで、まっすぐすぎて時々融通が効かなくて、だけど心の根から優しい。
そんな青年の頭を、わずかな一呼吸の後、半汰はそっと撫でてやる。
「ありがとう。変な事を言うて心配かけさせてすまんかったな。」
子供扱いをされたせいか、それとも礼を言われた事に対する高揚か。
はかりかねる反応ではあったが、秀はこの時顔をほのかに赤くすると慌てて手を離してくる。
その仕草がまた妙におかしくて、半汰は笑う。そして笑いながら語る言葉を続けていた。
「また、気をつけて様子を見に行こう。」
大事な人だった。
「一緒に行ってくれるか?」
尋ねればそれに秀は、もちろんですきと息咳切って答えてくる。
屋根の修理でも、食事の用意でも、薪割りでも、風呂焚きでも。
先刻交わした遣り取りを更に大きくしてくる、そんな彼の実直さに半汰は尚も笑い続ける。
そしてその笑みの裏でこう思い続けていた。
失くしたくない人だった。
口に出す事はけして出来ない。それでも、

彼は心密かに――――父とも、想う人だった

夜中に時折胸が苦しくなる。
その回数は夏を過ぎた頃から多くなっていた。
呼気の塊が咽喉を圧迫し、息が出来なくなる。
苦しさに身を折り咽喉と布団の表面に指が深く食い込むが、しかしそんなもがきも、ふと脳裏をよぎる思いに
気付くと、その力を急速に失う。
息をしようとしてどうするのか。
望む事はその逆なのに。
気付き、咽喉元から手が離れる。けれどそう言う時に限って、呼吸はまた楽になる。
また目が覚める。
まだ……生きている……
感じるのは安堵よりも淡い絶望。

その日も、その繰り返しだと思っていた。

背にじわりと温かい感触を覚え、その場所から体の強張りが解ける。
戻る呼吸。それに和介は目を閉じたまま眉を寄せていた。
(……また……)
吐く息に諦めの色が滲む。
ため息にも似た、しかしその響きにふと重なる気配を和介は刹那、背後に感じていた。
それは急に温かくなった……誰かに触れられたかのような背の辺りに。
誰かいるのか。
思わず反射的に体を起こし振り返る。
そして寝間の闇に目を凝らした先。そこにはこの時……信じられない光景があった。
夢だと思った。もしくは幻か。しかし次の瞬間自分の脳裏によぎったのは、
それでも構わない……
そんな一念だったから、自然、己が唇が無意識にその夢幻の名を刻む。

「武智様――」

それは遠く、長く、けして忘れえぬ永遠の名だった。
驚きの中にも縋るような響きが滲む、そんな自分の声に名を呼ばれたその人は笑ったようだった。
暗い夜の闇の中、淡く光る輪郭の向こうで柔らかく、それでいて少しだけ困ったように。
その出で立ちは自分の記憶には無いものだった。
牢内での簡素な着物姿でも、取り調べ時の袴姿でも、最期の日に身に纏っていた白装束でもない。
どこか若々しい色の小袖姿。
そんな人の唇がゆっくりと動く。
『そんな声を出さんでくれ』
身なりに見覚えは無かった。それでも耳に届いた声は、かつて聞いた記憶のものと何も変わっていなかった。
深く、沁みいるような穏やかさで自分に語りかけてくる。
『これは本来ならば禁忌の事』
音も無く進み出で、膝をつき、上半身だけを起こしていた自分と目線の高さを同じにして、告げてくる。
『それでも、もう痛々しゅうて見ちょれんかった』
少し寂しげにも痛ましそうな眼差しを向けられ、それに和介はこの時慌てて座を正すと、彼の人の眼前手を突き、頭を下げた。
「申し訳ございませんっ」
状況の不可思議さなどもはや頭から吹き飛んでいた。
ただただ、この御方にいらぬ心痛を味あわせてしまったのかと、吐き出す声に悲痛な響きが滲む。
しかしそんな和介にその人は―――武智は、尚も穏やかな声色を崩さず言葉を紡いできた。
『おまんが謝る事は無い。頭を下げねばならんのはわしの方。礼を言わねばならんのもわしの方じゃ』
「武智様、何を…」
『長き間、妻と子が世話になった。これは感謝してもしきれん。だがその事でわしはおまんの人生を狂わせてしもうたな』
申し訳なさそうに告げられる。
しかしそれに和助はこの時、首を激しく横に振っていた。
「いいえっ、そのような事はけして。これはわし自らが望んだ事です。むしろ感謝せねばならんのはわしの方。
身の程をわきまえず、奥方様やご養子様には本当に良うしていただきました。」
それはまごう事なき本心だった。だから、
『……迷惑ではなかったろうか』
「そのような事はけして。」
懐疑さを滲ませる相手を安心させるように、口元に懸命に笑みを湛えながら応える。
嘘では無かった。本当に。ただ……それでも、
『和介?』
それでも、今こうしてその姿を目の当たりにしてしまえば、最早隠しきれず自覚する想いがあった。
それが表情に出たのだろう。名を呼び怪訝そうな視線を向けてくる武智に、和介はこの時、もう抑える事の出来ない
己の本心を吐露していた。
「それでも、わしは少し長う生き過ぎました……」
あれからもうどれくらいの月日が流れたのだろう。
果てしなく遠く遥か昔のような、それでも何一つ消え去る事の無かった記憶。それに自分は……
「……少し疲れました…」
そして、
「淋しゅう、ございました。」
贅沢な物言いだと言う事はわかっている。
自分の人生はけして不幸なものではなかった。むしろ幸せなものでさえあったのだろう。
穏やかに、波乱なく、周囲の人達にも恵まれた果報者。
それでもあの日から胸にぽかりと空いた穴は、終ぞ、今日と言う日まで埋まる事はなかった。
何を見ても、聞いても、触れても、その中にどうしても一つの存在がない空虚感。
人生を狂わせたかと聞かれた。それに自分はいいえと答えた。
嘘では無い。しかしそこには少しだけ真実が欠けている。
今目の前にいるこの人を失って、自分の世界は何かが歪んだ。
そしてその歪みを淋しさと呼ぶのなら、自分は確かに―――長く一人孤独だったのだ。
『すまぬ……』
胸の内を覗き見られたのか、深く再度の謝罪を口にしてくる武智に和介ももう一度、しかし今度はゆっくりと首を横に振る。
「いいえ、いいえ、どうか謝らんでつかぁさい、武智様……ただ、」
それでも、その代わりに、どうか……
「もう…私をお連れ下さいませ。」
それは切なる願いだった。
真剣に、引けぬ。何故ならこうして出会えてしまえば、自分はきっと一人きりの朝のあの眩しい目覚めにはもう耐えられない。
目を伏せられなかった。
少しでもその姿を見失えば、その姿は霞みと消えてしまうかもしれない。
そんな恐ろしさに脅える眼差しを向ける自分に、武智はその時しばし何も言わなかった。
身の竦むような沈黙。そんな時間がどれほど続いたか。
『これは本来ならば禁忌の事』
不意に落とされた武智の呟き。それは先刻聞いたものとまったく同じものだった。
はっと息を飲む和介の耳に声が届き続ける。
『おまんにはまだ時間がある』
淡と告げられた事実には刹那、背筋に冷たいものが走った。だから瞬間、縋る声がほとんど叫びのようになる。
「それでも私はっ、咎ならば私が受けますき…っ!」
最早何も取り繕う事が出来なかった。
そんな取り乱す自分の姿に、武市は目の前一度静かに息を吐く。そして、
『わしは、あの子に恨まれるやもしれんのう』
おもむろにそっと零された呟き。
その言葉の意図は咄嗟には掴めなかった。だから和介が声無く呆然としていると、その前すっと差し出される手があった。
戸惑い、その手とその人の顔を交互に見遣る。
するとそれに武智はこの時、ようやくその口元にほのかな笑みを浮かべてくれた。
『その咎、わしも共に受けよう』
それは本来ならば拒まねばならない、しかし今の和助には到底抗えぬ甘美な許しだった。
だから誘われる指先が床から離される。伸ばし、触れた、その手は温かかった。
握り、微かに込められた力に促され、ゆっくりと立ち上がればこの時体はひどく軽くなった。
戸惑う、そんな自分の顔を見て、その人がふと笑う。
ゆっくりと解かれた手が今度は自分の頬に向けて伸ばされ、そっと添わされる。そして、
『若うなった。あの頃のおまんのままじゃ』
くすりと可笑しそうに言われ、思わず我が身と目の前の人を見返せば、この時そう言ったその人自身も実は
己の記憶の中の姿形より若干若く見える事に初めて気が付いた。
どうして、と思うより先に悟る真理。
これはおそらく、いやきっと、人が一番幸せだった頃の姿。
ならば、やはり自分の一番の幸せはこの人と共にあったのだ。
『行こう、皆が待っちゅう』
軽やかに告げられる言葉と共に、頬から滑り落ちた武智の手がこの時、皺の無くなった自分の手に何かを握らせた。
何?と思う自分に、ただ笑み、踵を返そうとする。しかしそんな人をこの時自分は反射的に引き止めていた。
振り返り、少し不思議そうな顔をされる。そして、
『やはり嫌かえ?』
短く問われれば、それには慌てて首を横に振った。
違う、そうではない。そうではなくて…
「皆様の所へ行く前に…出来る事ならば……」
一度だけ―――
必死に紡ぎ出そうとする言葉は、しかし途中で途切れ、どうしても最後まで声にならない。
あまりに身の程知らずなと自覚はある。それでも長く夢見てきた想いを断ち切れずに立ち竦めば、それにこの人は
少しの沈黙の後ふわりと身を返してきた。そして、
『これで、ええがか?』
うつむく自分の顔を見上げるように、するりと身を寄せ、腕の中に入ってくる。
そしてそのまま屈託なく笑われれば、自分の想いはこの時、溢れるままにその堰を切った。
わかってくれる事が嬉しかった。
だから持ち上げた腕で、目の前の身体をただ強く抱き締める。
かつて遠い昔、一度だけ触れたその人と自分の身体の間には無情にも冷たい檻があった。
それが今ようやくに取り払われた事を知る。
ようやく…ようやく、触れた温かさが欠けていた心の隙間を埋めてゆく。
それを和介は幸せだと思った。
幸せだから、抱き締める腕をそのままに、満ちた涙が静かに頬を濡らしていた。

その日、訪れた家の雨戸は日が高くなった時刻にもまだ閉めきられていた。
一瞬顔を見合わせた半汰と秀は、しかし次の瞬間胸に沸き上がった嫌な予感と共にその家の戸を叩く。
「和介さん!入りますき!」
激しく呼びかける声にも反応の無い様子のおかしさに、ほとんど壊す勢いで玄関の戸を外し、家の中へ飛び込む。
そしてさして大きくない家のいつもその人が寝ている部屋に踏み込めば、そこには布団に横たわる一つの人影があった。
眠っていると思いたかった。しかしそうでない事は誰の目にも明らかだった。
急ぎ駆け寄り、半汰はその人の手を取る。
その背後で秀は何をすればいいかとうろたえながらも、懸命に己がすべき事を声に出していた。
「くっ、薬の用意をしますき!あと水も汲んで、他はっ」
しかしそんな秀の声を、その時半汰は小さな声で遮る。
「いや、ええ…」
「先生?」
「もう、遅いようじゃ。」
静かに言い切られ、それに秀が背後に駆け寄ろうとしてくる。が、半汰はそんな彼を押し留めていた。
「すまんが秀。部屋の戸を開けて、ちっくと二人だけにしてくれんか。」
言われた秀が背後で一瞬言葉を失ったように立ち尽くしたのがわかった。
しかし彼はすぐにそんな自分の言葉に従うと、部屋に接した縁側の雨戸を半分ほど開け、そのまま何も言わず
その場から離れてくれた。
外から差し込んだ一条の光であらためて見遣ったその人の顔は、ひどく穏やかでまるで微笑んでいるかのようにさえ見えた。
だから、
「苦しゅうはなかったですろうか。」
静かに問い掛ける。
いつかはこんな日が来る。そんな覚悟は心のどこかでしているつもりだった。
それでも今胸にこみ上げるやるせない想いはどうする事も出来ず、
「貴方っちゅうお人は、結局最後まで私に世話の一つも焼かせてはくれんかったのですなぁ。」
悲しくも見事な、その生き様に畏敬の念を覚えると共に、半汰は何がここまでこの人を支え続けたのだろうと切なさも覚える。
清く真面目に、生涯ただ一人の家族も持つことなく、それでいて血の繋がりなどまったくない自分を常に支え、
導いてくれた人だった。
その生涯がどんなものであったのか、その答えはおそらくこの人自身にしかわかるまい。
それでもそんな人に自分がただ一つ贈れる言葉は、
「……長きに渡り、ありがとうございました。」
永久の眠りについた人の枕元に指を揃え、半汰はこの時静かにその頭を下げた。
多大な感謝と、一抹の悔恨と、はかりしれない喪失感と共に。
眦から伝い落ちそうになる涙はあった。
それでも半汰はそれを寸での所で懸命に止め、顔を上げる。
ここには自分だけで無い、待っていてくれる秀がいた。
この事を伝えねばならぬ者達がいる事も、これから自分がやらねばならぬ事もわかっている。だから、
「ちっくと席を外します。けんどすぐに戻ってきますき。」
気を奮い立たせ、一度語りかけるようにそう言うと、半汰はこの時立ち上がろうとする前、先程脈を取る為に
布団から出した人の手を元あった場所に戻そうとした。
熱を失い、最早動かぬ……しかしそんな人の指の隙間からこの時、滑り落ちた何かがあった。
音も無く畳の上に落ちる。
何だ?と思い、半汰が拾い上げ、見る。と、それはどうやら小さな貝殻のようだった。
まるで花びらのように綺麗な桜色をした……
何故こんなものがここに、とそう思った瞬間半汰は不意に耳に届いたざわめきに、はっとその背後を振り返っていた。
視線を向けた、その先には眩しい光があった。
開け放たれた戸の向こう、臨む庭の木々の葉に反射するその光は目を刺すほど強く、それは一瞬脳裏に郷土の
激しく岸辺に打ち寄せる波頭の煌めきを思い起こさせ……
それに何故自分の中、不意にこんな言葉が浮かび上がってきたのかはわからない。
ただそれでも、

「ちちうえ……」

無意識に唇から零れ落ちた言葉。
その掠れた響きの向こうに半汰はこの時、

海の音が聞こえた気がした――――

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
最終回再登場の先生達の設定と絵が綺麗で、たまらず書いてしまいました。

  • 姐さん、切ないお話ありがとうございます!最終回、ほんに夢のようでしたね。またの投下をお待ちしておりますきに!!(何のジャンルでも姐さんのファンです!) -- 2010-12-01 (水) 11:09:03
  • 感想ありがとうございました。今回書けて、そして読んでもらえて嬉しかったです。どんな形になるかはわかりませんが、もしまた次の機会がありましたらその時はどうぞよろしくお願いします。 -- 2010-12-02 (木) 21:51:58

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