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オリジナル 男前受け

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )急に男前受けが書きたくなったので

「待てよ!」
駆け出そうとする幼なじみの腕を掴む。
「痛いって」
「返事、聞かせろよ。コータ、お前が最初に言い出したんだぞ」
そうだ。俺はずっとこの馬鹿面が好きで好きでどうしようもなかったのに、しかたなく自分の気持ちを押し殺していたのだ。親友だから。男同士だから。
それなのにこの馬鹿は酔っぱらったあげくに自分なんかピエロで俺の引き立て役で一生恋人なんかできない、責任を取れ、と迫って来たのだ。
「酔ってて覚えてねえんならもう一回言ってやる。俺もお前が好きだ。お前の恋人になってやる。」
馬鹿は今まで見た事が無いくらい顔を赤くしている。
「お、お前……俺もって何…ばっかじゃねーの、いつもそんな強引なのかよ」
「知らん。告白なんて生まれて初めてだ」
「うわー王子様は流石ですネー」
「茶化すな!」
腕を握る手に力が入るが、気遣ってやる余裕が無い。こいつはすぐに自分を卑屈な笑いで誤摩化そうとする。だが今回だけは逃がす訳には行かない。
「なに、お前マジ腕痛いって…なんで、そんな必死なの」
「必死にもなるだろ、何年越しの片思いだと思ってるんだ」
馬鹿の顔が歪む。あ、泣く。
「だって…そんなん信じられる訳ねぇし、俺なんかが何でお前みてーのに…」
「俺の好きな奴を『なんか』って言うな」

本格的に泣き出した奴を抱き寄せる。泣いたこいつを慰めるのはいつも俺だ。
そーすけ、と俺の名前を呼ぶくぐもった声と肩に滲む熱い涙に少し余裕を取り戻し、こいつ専用の優しい声で言う。
「お前の心配事を全部無くしてやるよ」
「な、何言って、」
「俺はお前の駄目な所を全部知ってるから幻滅なんかするはずない。お前がずっと好きだったから他の人と付き合った事はない。全部噂だ。」
ずる、と籠った音がする。こいつ、鼻水拭きやがった。
「お前が痛いの嫌いだってのも知ってるから突っ込むのはお前でいい」
は、どうしようもなく間抜けな面で俺を見る。しょうがねえな、と苦笑しながら汗やら涙やらで張り付いた前髪を梳いてやる。
「え、何、なんかそんな具体的な、話に、なんでなってんの」
「は?お前俺の事好きだろ」
「え、うん、好きだけど」
言った。言わせてやった。心の中で高らかに腕を上げる。馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが、こいつこんな阿呆で生きていけるのだろうか。まあいい、俺が守ってやれば。
「え、あ、ちょ、そーすけ、今の無し!無し!」
「いいぜ、何回でも言えよ」
口を金魚みたいにぱくぱくさせているのがどうにも間抜けで、可愛いので、キスをした。
「ば、馬鹿ソー!」
「愛してるぜ、コータ!」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )こりゃ襲われ攻めだな


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