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オリジナル 「監禁」

死ネタ、ごくわずかですがスカ(小)あり
受けの苗字読みにくいかもですが「みくりや」くんです

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 御厨栄は監禁されている。
 時間の感覚もなくなるほど長い間、御厨栄は監禁されている。
 どうして監禁されているか、それは栄には分からない。栄を監禁している相手、大蓮南が
何も語らないからだ。
 大蓮は何も語らない。
 こんなにも――正確な時間は分からないが、こんなにも長い間同じ空間にいるのに、栄は
大蓮のことを何も知らない。
 例えば彼が昼間何をしているのかや、これまでどう生きてきたのかは一切知らない。
 しかし栄にはそんなことは最早どうでもよいことだった。
 栄は大蓮がどれだけ自分を愛しているか、身をもって知っている。ひどく柔和な笑みを浮
かべながら栄をいたぶる姿や、ひどく優しい声で消えてしまいたいほど恥ずかしいことを強
要すること。すっかり性器に作り変えられてしまった栄の後孔へと強引に押し入ってくる逞
しい陰茎や分厚いけれども繊細に栄の肌を這う舌。栄が思っていることを全て見透かしてし
まう少し色の淡い目。栄の全てを管理し、支配し、包み込んでくれる手。いつかその日が来
れば栄を手ずから縊り殺してあげると言ってくれた――その深い愛情を知っている。
 首に嵌められたチョーカーに触れながら栄は思う。
 大蓮が「栄の白い肌には黒が似合うね」とつけてくれたチョーカー。重みを感じない、で
も強固な鎖を通され、栄の身動きを制限するチョーカーは、栄の全てを愛してくれる大蓮そ
のものだ。
 栄は幸せだった。

「じゃあ行って来るね、栄」
 大蓮がいつものように軽いキスをして部屋を出る。少し前まではキスの後に何か命令をさ
れるのが常だったが、いつからかその習慣はなくなってしまった。命令は栄にとって恥ずか
しくてつらいものばかりだったが、それがなくなった今は大蓮が帰るまでの間をどう過ごす
かに苦心していた。
 栄の自由はチョーカーに繋がった鎖が許す範囲――この部屋の中だけ。その中にも、ダブ
ルベッドと栄を責め立てる道具がたっぷり詰まったサイドテーブルくらいしかなく、大抵は
大蓮のことを考えて過ごしている。
 その日も栄は大蓮のことを考え、過ごしていた。
 大蓮との記憶は恥ずかしく、つらく、でも優しく、光に満ち、思い出すたびに体が芯から
温かくなる。温かいを通り越して熱くなってしまってベッドや床を汚してしまうこともしば
しばだった。
 その日は、そのはしたない染みを理由に大蓮が施すおしおきを考えてますます高ぶってし
まい、大蓮がいつも戻ってくる時間になったときには栄の体はすっかり出来上がってしまっ
ていた。
 しかし、そんな日に限って大蓮の帰宅は遅かった。高ぶった体をどろどろになったシーツ
の上で持て余しながら栄は待ったが大蓮はなかなか帰ってこない。
 こんなことは今までもあった。大蓮は部屋の外のことを話さない。仕事の都合だろう、数
日家を空けることもあったが、事前に栄がそれを知らされることはなく、飢えと渇きに苦し
む羽目になることもあった。
 それでも栄は待った。待って、待って、もしかしたら今日は大蓮は帰ってこないかもしれ
ないと思い至った頃には、大蓮によって開発され、性感を高められた体はもう限界に近かっ
た。
 こんなときはどうすればよいか、分かっていても栄は躊躇ってしまう。恥ずかしい、とい
うのもあったが、これだけどろどろにしていれば栄が多少おいたをしたところで恥ずかしさ
はそう変わらない。それよりも、もしかしたらもうすぐ大蓮が帰ってくるかもしれないのに
、大蓮以外のものでこの熱を鎮めてしまうのがもったいないという気持ちが栄を躊躇させる。
 しかし、既に体はもうぎりぎりのところまで来ていた。張り詰めた下半身を庇いながらベ
ッドの上を這いずり、栄はサイドテーブルに手を伸ばす。

 上の引き出しから潤滑剤を、下の引き出しからは細身のバイブレーターを。その毒々しい
色をしたバイブを目にし、栄は自分の口内に自然と唾液が溜まるのを感じた。
 下の引き出しにしまわれた淫具たちはそのひとつひとつに体がかあっと燃え上がるほどの
淫らな思い出が刻まれている。その中でも、このバイブは細身ながらその無遠慮な振動と回
転で栄を快感へ突き落とし、泣きじゃくらせ、それを見て大いに喜んだ大蓮が栄への責めに
好んで使ったものだ。
 栄は唾液を飲み込み、らせん状の溝がついた淫具に潤滑剤を垂らす。そして、潤滑剤を馴
染ませるのもそこそこに、うつ伏せになって高く挙げた尻のその奥、これからの刺激に期待
していやらしくひくつく後孔へと淫具を押し当てた。
「あ……あぁ、っ……」
 潤いの足りない後孔が軋み、異物を拒む。しかしその抵抗は一瞬で、挿入に慣らされた体
はずるりとバイブを咥え込んでしまう。
 それだけで軽く達した栄だったが、快感は一向に収まらない。大蓮の陰茎が与えてくれる
熱や充溢感に慣れた後孔にとって、細身の冷たいバイブはもどかしさを与えるのみで、栄は
はしたなく腰をくねらせてしまう。
 栄は震える手で下部のスイッチを入れた。ぶう…ん、と虫の羽音のようなモーター音が無
音の部屋に響く。徐々にスイッチをスライドさせていくと、バイブの振動と回転が強くなる。
そのうちにくねるバイブが栄の前立腺を捉えた。
「ひぅっ!」
 栄が快感に背を反らす。すっかり硬くなり、濡れそぼつ陰茎から精液を迸らせて、栄はシ
ーツに沈む。それでも体内で暴れるバイブに前立腺を揉まれ、栄はさらに身悶えた。
「もぅ……ぅ、やっ、やあ……っ」
 射精したばかりの陰茎が体とシーツとの間でもみくちゃになる。初めはそのたまらない刺
激から逃れるように腰を動かしていた栄だったが、次第に自ら先端に滲み出た透明な液をな
すりつけるように意図を持って揺らめかせ始めた。

「あぁ…っ……あっ! あぅ……う……んっ、うぅ」
 言葉を忘れてしまったかのように、栄の口からは意味を成さない声と荒い息だけが発せられる。
 すっかり薄く少なくなった精液を撒き散らし、幾度も意識を飛ばし。果ては精液でないも
のをしょろしょろと漏らし、筋肉が弛緩した拍子にバイブが抜け落ちるまで、栄の体は快楽
を追い求め続いた。

 栄が自分を取り戻したときには既に空は明るくなっていた。
 やはり大蓮は戻って来なかったという落胆が胸に広がる。
 昨日の痕跡が色濃く残ったベッドを綺麗にする気力も起こらず、栄は再び目覚めたときに
は大蓮の姿があるように願いながら目を閉じた。
 視界を閉ざすと外の音がかすかに聞こえてくる。車の走る音。子供のはしゃぐ声。この非
日常な空間にも音は忍び込み、日常を持ち込んでくる。
遠くで聞こえるサイレンの音がやけに澄んで聞こえた。

 浅い眠りを繰り返す。何度目を覚ましても大蓮は帰ってこなかった。時間の感覚が希薄な
栄にも、大蓮の不在がいつもより長いことが渇きの度合いでわかる。
 身を起こそうとしたが、腕にも腹にも力が入らない。栄は起き上がるのを諦め、ぼんやり
と部屋のドアを見た。
 大蓮が出て行ったときからそのまま姿で外界と部屋とを切り離すドア。ごく普通の、薄い
ドアに隔てられたこの空間は、確かに檻だった。しかし、これまで誰も教えてくれなかった
全ての感情を教えてくれた、巣でもあった。
 チョーカーに繋がった鎖を震える手で撫でる。太く、堅く、強く、でも重さはなく――温かな、鎖。
 妄想の鎖を撫でながら、栄は再び目を閉じる。
 大蓮が戻ってきたときに、お帰りなさいのキスをしてあげられないかもしれない、そのこ
とが気掛かりだったが、全てを飲み込むかのような強い眠気には逆らえなかった。

 それからほどなく、事故で急死した大蓮の部屋を訪れた遺品整理業者により、ベッドに横
たわった遺体が発見された。
 衣服こそ身につけていなかったものの、外傷などはなく、そのただ眠っているかのような
穏やかな表情と死因から事件性はないと判断された。
 遺体の身元は杳として知れず、大蓮とともに葬られることとなった。

 その部屋で何が起こったのか、全ては閉ざされる。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 

いろいろ「ん?」な部分もありますが801はファンタジーってことでひとつ


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