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ザ・シンプソンズ ボブ→バート←ネルソン 「辺愛狂の宴」

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )>>153~>>163の続きですよっ

長い机に椅子が並び、そこに一人一人人が座っている、ように見える。だがそれはすべて、よくできた蝋人形だった。そして話声も止まった。 スミサーズがスイッチを切ったのだ。
「ここまでこだわる意味がわからないね、私は」
そういうと今度は本棚を調べ始める
「私は実際の人間の大人が好きなんだ」
「よぼよぼの爺さんとか?」
「君はまだ若いからわからないだろうがね」
たった一度の選択で人生が変わることもあるんだよ。スミサーズの声は無表情だった。
ネルソンはふーんとつぶやいた。あの社長にそこまでの価値があるのか。

「これだな」スミサーズは本を一つ手に取った。すりきれた表紙には、かろうじてギリシアの哲学者の名前がわかる
「その中にボタンが隠れてるとか?」
「実はその通りなんだ」
お約束だな。スミサーズは自嘲しながら本を開いた。中にはボタンがあった。
それを押すと、本棚の後ろでガコンと音がした。
彼は本を机に放る。そのまま本棚を押すと、回転扉のように壁の向こうの景色が見えた。
「うちの社長の別荘の仕掛けと同じだ。業者が同じなんだろうな。今度改装しよう……さあ、手伝ってくれ」
ネルソンとスミサーズは共に本棚を押した。重い扉が開くように、向こう側への豪華な通路が現れた。
「誰も来ないところを見ると、この先は本当に人に見られたくないようだな」
さて、なにがあるのやら。
通路を進むと、扉が二つ現れた。そのうちの一つは開いていた。慎重に覗き込むと、どうも舞台裏らしい。ネルソンは閉っている扉に向かい、耳を当てた
「なんか、パーティーみたいな音が聞こえる」
「それはそうだろう。この先が会場なのだから」
「そこに、バートもいるのか?」
「たぶん、ね。でもそっちじゃない」
スミサーズは開け放たれた扉を示した
「どうやら、舞台裏のようだよ」

 その部屋は暗かった。だが遠くに光が見えていた。どうやら舞台装置は上手にあるらしい。
 どうやらここは舞台セットなどの倉庫のようだ。人もいない。スミサーズとネルソンは注意深く先へ進んだ。
「この設備はいったいなんなんだ?」
「ここはね、富裕層社交界の秘密パーティーに使われる会場だよ。これでも小規模な方だ。
社長もよくこのような場所に招待されることがある。私にすればどれも悪趣味だがね」
スミサーズは立ち止まって、床に置かれた、人も入れそうな大きな鉄の檻を見た
「少年、いや少女でも、やつらにとってはどうでもいいのだろう。ただ、狩りと称して子供を蹂躙できれば。
いままで何人の子供が奴らの餌食になり、殺されたのか」
呟く声に、ネルソンは背筋が寒くなるのを感じた。スプリングフィールドでは麻薬はあれどまだ人身売買は見たことがなかった。
世界に確実に蔓延する悪、その餌食に、愛する人が――。

 愛する人?
 ネルソンは思わず立ち止った。スミサーズが振り向く
「どうした?」
「俺、なんでここまで来たんだろう、俺、バートのこと好きなのかな」
ネルソンは俯きながら言った。スミサーズは少し驚いて、だがすぎに笑った。
「君はバートのことをどう思ってるんだい?」
「大切な、友達だと思ってた。少なくとも今までは」
「でも、君はここまでやってきた」
「うん」
「なら、もう答えは出てるはずだ」
ネルソンは顔を上げた。スミサーズはメガネをとった
「君と君が愛する人を大切にね」
じゃあ私は上手側を制圧してくるから。そう言うとスミサーズは近くにあった扉へと消えていった。

「な、なんなんだ貴様らは!」
司会者が這いつくばったまま叫ぶ。ネルソンはバートの口輪を取った
「見ればわかるだろ? 正義の味方さ」
「ネルソン、来てくれたの」
バートがネルソンを見た。ネルソンはバートに笑いかけた
「今拘束を解いてやる、ちょっと待ってろ」
「そうはさせるかっ」
司会者は無理やり立ち上がり、懐から銃を取りだし、ネルソンたちに向けた
「ヒヒヒ、子供一人になにができる」
「あいにくだがな」
別の声と一発の銃声が響いた。弾丸は司会者の腕にあたり、男は銃を取り落とした
「ひとりじゃないぞ」
上手からスミサーズが出てきた。銃を構えている。暴れたのか、髪は乱れていた。
「警察を呼んだ。もうじきここにも到着するだろう」
そう言い放つと、参加者たちはパニックになり、脱出用の扉から一斉に逃げ出し始めた。司会者の男もそれに加わって逃げていく。
「逃がしていいのか?」
「ああ、もうこのホテルは包囲されている。さあ、バートの拘束を解いてあげなさい」
ネルソンは頷いてバートを解放した。長時間同じ体制で、しかも慣れない服装にふらつくバートを、彼は優しく支えた。
「ありがとう、二人とも。ほんとにありがとう……!」
「無事でよかった」
ネルソンはバートを抱きしめた。抱きしめるときにバートの化粧をされた顔が見えたが、ネルソンは素顔の方がずっと好きだと思った。
「感動の再会のところをすまないが、まだ終わっていないようだ」
スミサーズの声が椅子だけがまばらに残る部屋に響いた。バートが銃口の先を見て震えた。
 一人の男が、会場奥の壁にもたれかかって立っていた。

「ウェイロン・スミサーズ。バーンズを暗殺しろとの名を受けたが失敗し、組織を裏切った男」
ネルソンは思わず隣の男を見た。スミサーズは無表情だった
「刑務所で元組織の人間だと言う奴に聞いたよ。まさかここで出会うとはな」
ボブは芝居ががった仕草で仮面をはずした
「忠誠を誓った相手を殺し、今は老人の下の世話をしているそうじゃないか」
以前の君はもっと非情な男だったそうだがね。ボブはニヤリと嗤った。

スミサーズは銃を構えたまま舞台下に降りた。ネルソンとバートも続く
「私はあの方に救われた。そして今は己の正義に従って動いている。それだけだ」
無駄話は終わりだ。スミサーズは銃口をボブの額に向けた。
「組織とか厨二丸出しじゃねえかよ」
「それは言っちゃだめ!」
「そこ、うるさい!」
そのときだった、ふらりとボブが動いた
そのまま前に踏み出し、一気にスミサーズとの距離を詰め左手のナイフを突き出す、スミサーズはそれをギリギリでかわした。
そして銃口をもう一度向けるが、そのわずかな隙にボブはスミサーズの鳩尾に拳を入れた――。
「っ――!?」
スミサーズをは思わず膝をついて這いつくばった、そして激しくせき込む。
「スミサーズさん!」
バートが叫ぶ、だがボブはにやりと笑うと、立ちあがろうとするスミサーズに近づき、その頭に思い切り蹴りを入れた。
ふっとばされたスミサーズは、ついに沈黙した。ボブはけだるげに手首を降ると鼻で笑った
「あっけない終わり方だなスミサーズ? 老人の介護で腕が鈍ったか?」
スミサーズは答えない。気を失っているらしい。
「さて、君は誰だったかな」
ボブがスミサーズの手から離れた拳銃を拾った
「確か前にも出会っていたな?」
ネルソンはバートを自分の後ろにかばった。そして耳打ちをする
「バート、舞台袖に隠れろ」
「お前はどうするんだよ」
「俺は足止めをする。警察が来るまで見つかるなよ、さあ、行け!」
バートはふらつきながら舞台に向けて駆けだした。ボブが追おうとするが、少年が立ち塞がった
「俺を忘れてもらっちゃ困るな」
「友情か。だが愚かだ。私を邪魔することは死を意味する!」
ボブが地を蹴った。ネルソンは転がっていた椅子を持ち上げてナイフを受け止めた。そして椅子を振り回して防御をする。
だがボブの繰り出すナイフが頬をかすった。ネルソンはどんどん舞台際に追い詰められていく

「はっはっは、どうした? 威勢の割にはボロボロじゃないか」
ボブは余裕の表情で踊るようにナイフを繰り出している。
遊ばれてる、いったいどうすれば、ネルソンは舞台に上り逃げ、舞台袖を見た、そこにはバートがいた
「なにしてるんだ、逃げろ……!!」
ネルソンが見せた隙に、椅子を掴まれた。ボブは片手で椅子の足をつかんでいる。その顔には壮絶な笑みが浮かんでいた
「遊びは終わりだ。私はこれからバートを殺す」
その声はほとんど狂気に満ちていた
「君があの子を守ろうとしたその勇気は褒めてやろう。だが、邪魔だ」
ボブは椅子を奪うと後ろに放り投げた。そしてナイフを振りかざした。遠くでガタンという音が聞こえる。ネルソンは死を覚悟した
「――ネルソン、避けろ!!」
声がした。ネルソンはほとんど条件反射的にあとずさる、ボブがいぶかしげに舞台袖を見る、そしてう上を見た――。

ドガッ!!
ネルソンは顔をかばっていた腕を解いた。舞台の上に、ライト部分が粉々になった照明と、倒れているボブが見えた。
「クリーンヒットしたぜ、死んでないといいけど」
舞台上手を見ると、バートが歩いてくるところだった。
「舞台照明をいじる装置があったから、上に登ってストッパーを外して、それから落としたんだ。おまえが上手側によってくれてよかった。背中に当たったみたいだけど、相当の衝撃だと思うよ」
「助かったぜ、ありがとよ」
「礼を言わなきゃいけないのはこっちだよ。おかげで死なずに済んだ」
二人は拳どうしをくっつけた。
「……ぐ」

ボブがうめいていた。ネルソンは素早く転がっていた銃を拾って構える
ボブはかすれた声で言った。だが動けないようだ
「私は……どうも、爪が、甘い……よう、だ」
ボブは低く笑った。バートがネルソンの背中にしがみついた
「フ……名を聞こうか」
「ミルハウス・バン・ホーテン」
「ネルソン!」
「冗談だ。俺はネルソン・マンツ。覚えとけ」
ボブはうっすらと目をあけた
「……バート、そこにいるのか」
「死に際の犯罪者ってよくしゃべるよな」
バートが軽口をたたくと、ボブは乾いた声で笑った。そして真剣な声で一言愛の言葉を紡いだ。
「おまえを愛しているよ」
ネルソンはバートを見た。バートは泣きそうな顔をした、だが首を振った。
「悪いけど、オレがあんたになびかないのは、他の奴が好きだからでも、犯罪者が嫌いだからでもない」
バートはカチューシャを外して、ボブに投げた。
「アンタを好きになれないからだ」
ボブは何も言わなかった。

そのとき、舞台袖から何人もの足音と声が聞こえてきた。
「やっと警察が来たようだな」

「スミサーズさん!」
左を見ると、スミサーズが立っていた。鳩尾を押さえて、辛そうに歩いている
「君たちが無事でよかった」
「スミサーズさんも大丈夫?」
「私はちょっと油断しただけさ。……バート君、もういいのかい?」
「うん、いいよ」
バートは気を失ったボブを見ながら言った
「これで、全部おしまい。」
警察が舞台になだれ込んできた。この事件のすべてが終わった。

 数日後
 病院からも退院し、事情聴取のために日に何度も呼ばれることもなくなった頃。
 バートとネルソンは学校に帰った。スキナー校長の方針で、バートたちの事件の話が表に出ることはなかった。テレビでもそれどころではなく、政治家や有名人たちが次々と児童買春などの容疑で逮捕されているというニュースの報道で忙しかった。
「それにしてもさあ」
いつものようにバートやネルソン、ミルハウスにマーティンでジャングルジムで取り留めもない話しをしていると、ミルハウスがつぶやいた
「バートもネルソンも変わったよな」
名指しされた二人は顔を見合わせた
「人はいつか変わるものだから」
な。
 笑う二人に、ミルハウスとマーティンは頭にはてなマークを浮かばせた。

 冷たい廊下に、三人分の無機質な足音が響く。
 サイドショーセシルは独房のベッドに深く腰掛けたまま、声を発した
「兄さん、また戻ってきたの」
一つの足音がとまった。それにつられてふたつの足音も止まる。
「もういい加減諦めたら」
一人が低い声で笑った。背筋が寒くなるような声だった。
「何度でもやるさ」
私の愛はここにあるのだから
足音が再会した。その音は奥へ奥へと進んでいき、そして消えた。

終わりです。ここまで読んでくれてありがとう!
次書くとしたらきっとボブは幸せしますお……

忘れてた
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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 今度こそ終わり!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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