Top/60-89

きみとねむる

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     |  某ゲ仁ソ麺話です。生注意。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  エロなしヤマなしオチなし。
 | |                | |             \
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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ピンポン、とインターホンが鳴る。
受話器を取ると、予想通りの声が聞こえてきた。
「健太郎、来たよー」
「今開ける」
ボタンを押してロックを解除する。部屋に着くまであと2~3分といったところだろうか。
少し時間を持て余していると、またピンポン、とベルが鳴った。
玄関のドアを開け、「おう」と客人を招き入れる。
「ごめんな、いきなり呼びつけちゃって」
「別にいいよー、今日暇だったし。台本できたんでしょ?」
「あらかたね。ファックスとかでも良かったんだけど、ちょっと実際読んでみて欲しいとこがあったから」
「珍しいねぇ健太郎にしては。そゆのあんまりないのに。」
「うん、ただ直したいとこが出てきたからちょっと待っててもらっていい?」
「わかった」
肩桐は慣れた様子で仕事場のソファベッドを倒し、ごろんと寝転がった。
子林もそれをさして気にすることなくパソコンへ向かう。
「あのさあ賢太郎、こないだやついがさ」
「たろうの幼稚園でさ」
「今度の芝居がね」
「はははっ」
「そーか」
「んー…」
容赦なく投げかけられる言葉を、容赦なく適当に投げ返す。
子林はキーを叩くのに没頭していた。
面白いセリフ、面白い動きと間、頭の中でカチカチと音を立てて建ちあがる世界。
どれだけの時間が経っただろうか。子林はようやく手を止めて伸びをした。

「あー終わったー。お待たせ仁」
振り返ると肩桐は寝入ってしまっていた。時計を見ると3時間近く経っていたのだから仕方がないかもしれない。
ソファベッドの周りにはいつの間に買ってきたのか食べかけのポテトチップスやらコーヒー牛乳やらが点在し、
ベッドの上には開きっぱなしの携帯ゲーム機と漫画が放ってあった。その中心で眼鏡も外さず眠る肩桐を見て、子林はため息をついた。
「汚ぇなー…」
食べ残しを片付け、漫画と携帯ゲーム機を閉じてテーブルに置いておく。床に置いてあるコンビニの袋を覗くと、もうひとつ汗をかいたコーヒー牛乳のパックが入っていた。
これは多分自分にだろう、とあたりをつけてコーヒー牛乳を啜る。疲れた頭に甘さがじんわりと痺れた。
「ぬるいし…」
気の抜けた顔で眠り続ける相方を見ていると、子林にも眠気が襲ってきた。
「ベッドで寝やがって」
自分が床で寝るのは癪だ。なるべく肩桐を隅に追いやってからソファベッドに横になる。さすがにベッドが軋んだ。
「眼鏡くらい外せよ」
肩桐の眼鏡を外して床に置いた。長年見てきた顔が、結構近くにあった。自分にはない天性の面白さ。素直さ。したたかさ。
コンビを組んで、何度コイツになりたいと思ったか知れない。しかしもしそんなことを口に出せば、肩桐は「何で?健太郎の方がすごいじゃん。俺なんてなんもできないよ」と事もなげに返すだろう。
それが自分が持てない強さだと、子林は羨むような、妬むような気持ちの広がりをじんわりと感じる。
でも、と子林は思う。肩桐の面白さを一番分かっているのは自分で、その面白さを一番引き出せるのも自分だ、それだけは間違いないのだ、と。
今まで数え切れないほど繰り返してきた自問自答をまた辿り、子林は眠りに落ちてゆく。

肩桐が目を覚ましたとき、もう時計は夜中の1時を回っていた。
薄目で腕時計を確認し、寝入ってしまったことを知る。煌々と明るい蛍光灯の光が目に突き刺さるようだった。
「うわ、1時って夜中じゃん…もう電車ない…」
ふと気付くと、目の前の随分近い位置に子林の顔があった。
「何で健太郎も寝てんの…」
寝すぎでぼうっと痛む頭のまま、肩桐はその見慣れた顔を眺めた。
自分には想像もつかない世界が、この頭の中に広がっているのだ。自分が逆立ちしてもでてこないようなアイデア。何でもこなす器用さ。ストイックさ。
こんなに近くにいるのに、コンビを組んでいるのに自分はただ心の底から感心することしかできない。無力さがいつも嫌になる。
でも、と肩桐は思う。子林が相方に選んだのは自分で、そこには何かしらの意味が必ずあるのだ、と。
こんなに眉間に皺を寄せて眠るコイツを、誰かが守ってやらなきゃならない。きっとそれが自分の役割のひとつだ。
左手で子林の額に触れる。少し顔を歪めたあと、子林はいくぶん安らかな顔で寝息を立て始めた。
それを確認すると、肩桐はそっと電灯を消し再びベッドに滑り込む。
「おやすみ」

雨の気配と共に、夜が静かに更けていった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おしまい。読んでくれてありがとう!
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  • 癒されました。 -- 2011-03-30 (水) 04:16:29
  • いいなーこういうの大好きだ -- 2011-06-26 (日) 00:35:17
  • なかよし可愛いよ〜 -- 2011-09-06 (火) 00:36:08

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