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初夏の匂い

初夏の匂い
オリジナル。
電車待ちの人ら。
ずっとイチャイチャしてるだけ。
真枝視点

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマス。

「ケイ」
ベッドの中心を陣取り、ブランケットを頭から被って丸まって眠る圭介の肩を揺する。
小さく呻いて、余計に丸くなる様子は本当に猫そっくり。
違うところは大きさくらいか。
セミダブルのベッドを独り占めして、幸せそうに寛ぎ始めた身体を再度揺する。
「圭介、遅刻する」
『風呂明日。帰って着替えたりしたいし、7時に起こして』
いつも予定より30分以上前から起こしてはいるが、毎度時間通りに起きれた試しはない。
「ケイ、10時から仕事だろ。着替えに帰るじか…」
ブランケットの中から伸びてきた手が腕を掴めば、有無を言わさず腕の中へと引きずり込まれる。
抱きしめられるのを慌てて胸板へと手をつき、辛うじて逃れて距離をとる。
ベッドへと座り込んだ際、ギシリと軋んだスプリングの音に、昨夜の情事がフラッシュバックする。
『そう、もっと見せて。見られんの、…大好きでしょ?』
背中をなぞる舌、尿道へと見えなくなる寸前まで回されながら入れられる綿棒、身じろげばリンと高い音を立てる鈴付き

の首輪、黒い尻尾がついた細いけれども長いバイブ。
そしてバイブの横から無理やりねじ込まれた圭介の太いペニス。
ベッドの向かいに置かれた姿見には、尿道へと白い棒を抜き差しされながら、悦んで腰を揺らす自分の姿。
「ケイ…ッ」
初夏の爽やかな風が背中を撫でる刺激に、はっとして昨夜の記憶を奥へと沈める。
「…ン、ちょっ…、圭介!」
いつの間にか腰へと回されていた圭介の両腕。
ブランケットの中で圭介の左手が尻を撫で、右手が下着ごとスウェットを下げる。
「痛かった?」
ブランケットの中からようやく上げられる顔。
今時の若い子らしい、細く整えられた眉、厚めの唇。
何時もはキツそうな吊り目気味の眼も、寝起きの今はなりを潜めて年相応に見えなくもない。
ただ、尻を揉む手や、ペニスを摘んで裏筋を一舐めする様子はいただけない。
「は…ッ、ケ…スケ」
震える声を隠そうと、手の甲を口へと当て息を詰める。
丹念に尿道の先をくじる舌。
今更気にするくらいなら、昨日止めてくれれば良かったのに。
たっぷりと舌を絡めては、少し唇を離してわざと音を立てながら吸い上げられる唾液。
「…ケイ、時間…遅れる」
尻を揉むことから孔を探るように動きを変えた手首に、力の入らない手を添え首を振る。
昨日の夜に十分解されたそこは、圭介の指程度なら容易く飲み込み、痺れる甘さを脳へと送る。
逃げればギシギシと揺れるベッド。甘ったるいフェラに、昨夜の記憶。
初夏の日差しだけが涼やかに部屋を明るく照らして、

あまりのコントラストに目眩がする。
「ここから行く」
巨大尺取虫がもぞもぞと暴れたかと思えば、脱ぎ捨てられるハーフパンツとタンクトップ。
ブランケットの中へと引きずり込まれて、濃厚にキスされ、後から焦らされながら入れられて。
「や……、ケイスケ…、バック…ヤだ」
コンドームもなく、濡らさずに入れる圭介のペニスは痛い。
ましてやバックから突き入れられれば、二発目ならともかく一発目には快楽よりも痛みが先立つ。
「痛いのも、恥ずかしいのも大好きでしょ?」
膝を開かせながら腿へと這う骨ばった指。
教えた癖に。
圭介以外でイケない体にした癖に。
「…ぁっ…、ケ…スケ、深ッ…」
くんと押し上げられる腰、硬いペニスにチカチカと目の前に星が散る。
シーツを掻いて逃げようとしても、肩と腰を押さえられて動けない。
「…スゲェイイ」
掠れた甘い声と共に首筋を舐める舌。
乳首を摘んで引っ張る指に、濡れた声が上がって枕を咬む。
ドロリと濁る思考。
痛かった事が気持ち良い。
ヌチヌチと重く湿った音を上げる結合部。
抜かれれば淋しさに締め付け、入れられるのは痛みに目眩。
けど欲しいのも何時だってこの痛み。
動物が交尾するのような体位に、頭の芯が熱くなる。
こんな体位でも感じる浅ましさに、込み上げる吐き気すら気持ち良くて、ただただ全てが恐ろしい。
「圭介…、ヤだ。…おかしい」
気が狂うくらい気持ち良くって、幸せで、倒錯的で、破滅的。
こんな姿を誰かに見られたら、今の生活は一瞬で終わる。

いくら相手が成人しているとはいえ、一回り近く年下の青年との異常な性行。背徳的過ぎて、他人がもし同じ事をしていたら、心底軽蔑する。
それなのに気持ち良さの中心にはいつも圭介がいて、圭介も気持ち良くなってくれれば中に出して貰える。それが嬉しいだとか、せめて性別が違うならだとか、自分が抱く方なら、まだ幾つもの言い訳が出来るのに。
「顔見せて」
圭介の手が優しく頭を撫で、背中にキスされる。
枕から顔を上げられずに頭を振れば、膝ごと抱えられて腹の上へと乗せられて。
繋がったままで回される痛みに、上擦った声が上がる。
やめてやめて、意識が飛ぶから。
圭介を気持ち良くする前に、一人でイッてしまうから。
「可愛すぎ」
うっとりと細められた目で、圭介が囁きかけてくる。
息継ぎより早く擦られる内壁、キスで唇を塞がれうまく出来ない呼吸。
再びベッドに押し倒されて、激しく揺すられ、中で出されて。
自分が何時イッたかは知らない。

「だから拗ねんなって」
朝の圭介よりも更に丸くなって毛布に隠る。
慌ただしい朝の出発の合間、圭介が寝室へ戻ってきては機嫌を確かめる。
無理だと泣いて縋らせた癖に、昨夜に続いて朝から2度。
「帰ったらちゃんと座薬入れてあげるからさ」
抱き締めていたクッションを投げつける。
誰のせいだと思ってるんだ。
何でこんなにデリカシーのない男に惚れたんだ。
情けなくって涙が出る。
しばらく反応もなく、そろそろ立ち去るかと思った頃、ベッドを軋ませ、背後から抱き締められる身体。

「…怒った?」
いかにも心配そうな声。
こんな時だけ殊勝に反省した素振り。
背後から、項や首筋へ点々と着けられる唇。
「…セーブ出来なくてごめんなさい」
甘えてくっついて、背中からぎゅうぎゅうと抱き締めて、待ての姿勢。
触れ合った場所から伝わる熱が、言葉に嘘偽りがないと気持ちを伝える。
「帰ってきたら、お腹に優しいご飯作るから、鍵開けてね?」
鍵くらい持っている癖に。
「…泣かれると本当に困るんだって」
機嫌を取る様に肩口へと埋められる顔。
仕方なしに許そうかと振り返る間際、
「もっと泣かせたくなるだろ」
ガツンと音がするくらい鳩尾へと肘を入れて、呻いている圭介をベッドから蹴り出す。
思えば随分と手癖も足癖も悪くなった。
偏に圭介からの影響か、元々素質があったのか。
玄関に向かって人差し指を水平に指し示して、短く告げる。
「仕事だ変態」
異論の声を上げる圭介を、冷ややかに見据えて再び無言で玄関を指差す。
犬の躾と同じで、甘やかしたらつけあがる。
それは犬、もとい圭介にも良くない。
せめて遅刻癖くらいをなくしてやるのが、年長者としての務めだ。
ベッドの周りを鼻を鳴らしてウロウロする圭介に、改めて玄関を指差して出勤を促す。
ふてくされた様に唇を尖らせて顔を寄せるのを、軽く睨んで見つめ返す。
「…にゃあ」
わざとらしい鳴き真似とニヤつく目に、カッと全身の血が逆流する。
あまりの事に、池の鯉さながら口を開閉するだけで、それに続く言葉が出ない。

言わせたのは自分だろう、誰の趣味だ、変態。
何でも良いから反論すべき場面に、とっさに言葉が口から出ない。
固まってしまって動けない隙にキスで唇を塞がれ、二度三度と角度を変えて口付けられる。
思えばこの唇には随分騙されてきた。
いつまでもキスをしてくる圭介に、終わらせる為にも一度こちらから唇を押し付け返して頬を叩く。
「遅刻する」
何のために早く起こしたのか。
不服さを表しながらも渋々出て行く圭介を玄関まで見送り、再び重い腰を引きずりながらリビングに戻ってソファへと腰掛ける。
開けた窓から爽やかな風が家の中を抜ける。
昼から暑くなりそうな、爽やかながらも熱を孕んだ微風。
マンションの窓から見える、高い空へ沸き立ち始めた入道雲。
久々に味わう一人の時間。
数ヶ月前には考えた事もないほど騒々しい生活。
今更一人に戻れるとは思わないが、騒々しさごと受け入れるには独りが長すぎた。
幸せとはこんなにうるさかったのだろうか。

手元にある携帯のメールを見ながら、ぼんやりと父が生きていた当時のこと、母の事を思う。
母も今の恋人とは、こんな思いで家族になる事を考えたのか。
父が死んで、息子も手が放れて、寂しかったのだろうか。
ここ数年の母は、幸せだったのだろうか。
逡巡の末、こちらからはかけた事のない番号をリダイヤルする。
数度のコールの後、同年代のようにも聞こえる若い声。
「……祐一です。………いや、母に用ではなく………はい。その、……今度、酒でも…飲みに行きませんか。とうさん」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンガオオクリシマシタ!

ナンバリング間違えました_| ̄|○
ごめんなさい。


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