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創作 赤ずきん×オオカミ

創作で、赤ずきん×オオカミです。
微妙に三角関係的な描写あり。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

むかしむかし、あるところに赤ずきんと呼ばれる少年がいました。外に出るときはいつも赤いずきんを被っていること、またそれが少年ながらに似合うかわいらしい容姿であることから、赤ずきんと呼ばれていました。
ある日、赤ずきんは森の中に住むおばあさんの家へとお見舞いに行くことになりました。
お母さんに渡されたバスケットを携えながら、赤ずきんが花畑沿いの道を歩いているときでした。

「赤ずきんちゃん、赤ずきんちゃん」

どこからか声がして、赤ずきんは辺りを見まわしました。すると、花畑の方から、1匹のオオカミが近付いてきました。
オオカミはふさふさの耳と尻尾を揺らし、人なつっこい笑みを浮かべて話しかけてきます。

「これからどこに行くの?」

「おばあちゃんちにお見舞いに行くの」

「そうなんだ。じゃあ、ここにある花をつんでいったら、きっともっと喜ぶよ」

そう言って、オオカミは辺りに広がる花畑を指しました。
オオカミの言うことに頷いた赤ずきんは、さっそく花をつむことにしました。
ひとつ、またひとつと、赤ずきんの手の中に花が増えていきます。

けれど、赤ずきんはふと思い出しました。
『オオカミは悪知恵が働くから、口車に乗ってはだめよ。自分の行き先も、決して教えてはだめ。』
お母さんが以前、森に出る赤ずきんに言っていた言葉です。さっき、赤ずきんはオオカミに今日の用事を話してしまいました。
もしかしたら、自分が花をつんでいる間に、オオカミはおばあさんの家に行くかもしれない―。
そう考えた赤ずきんは、花をつむ手を止め、はっと顔を上げました。

「ん?どうしたの?」

しかしそこに映ったのは、赤ずきんと同じように花をつんでいるオオカミでした。オオカミの特別鋭くも丸くもない目には、悪い企みなどないように見えます。
お母さんに言われたことと、目の前のオオカミの姿がつり合わず、赤ずきんは思わず訊ねました。

「…どうして、オオカミさんもお花をつんでるの?」

「んー、ふたりでつんだ方が早いかなって」

迷惑だったかな、と、オオカミが苦笑します。
赤ずきんは少しの間、このオオカミについて考えていましたが、やがてふるふると首を横に振るだけの返事をしました。

いっしょに花をつみながら、赤ずきんはちらちらとオオカミを見ます。花をつむオオカミの顔は、子供である赤ずきんの目にも、なんだか無邪気に映りました。
―変なオオカミさん。そう思いながら、赤ずきんもまた手を動かしました。

気付いたころには、ふたりの手の中にはたくさんの花があふれていました。

「はい、どうぞ」

「…ありがとう」

オオカミから花を受けとった赤ずきんは、不思議そうな目で彼を見つめます。
ふと、オオカミの片手に、まだ幾らかの花の束が残っていることに気付きました。

「それは、どうするの?」

「これは、俺の分。…渡したい相手がいるんだ」

喜んでくれるかは分かんないけどね、と、オオカミは苦笑します。
そのどこか照れたような表情と、手の内の花を見比べながら、―やっぱり、変なオオカミさん。と、赤ずきんは思いました。

オオカミと別れた後、赤ずきんはおばあさんの家に辿り着き、頼まれた品物や、つんできた花を渡しました。たくさんの花を受けとったおばあさんは、きれいなお花ね、ありがとう、と喜んでくれました。

帰り道、赤ずきんは同じ道を辿って歩きました。あの花畑に行けば、またあのオオカミに会える気がしたのです。けれど当然ながら、オオカミの姿はもう花畑にありませんでした。
―そういえば、花を渡したい相手がいるって言ってたっけ。
赤ずきんはオオカミの言葉と共に、あのときの表情を思い出しました。
オオカミは、その相手のところに行ったんだろうか。そう思ったとき、赤ずきんはつきりと自分のどこかが痛むのを感じました。
だけど、それがどこなのか、またなぜ痛むのかが分からず、首を傾げながらとぼとぼと帰路を辿りました。

それから年月が経ち、赤ずきんと呼ばれていた少年は、顔に幼さを残しながらも青年へと成長していました。
また、青年は猟師の職に就きました。
童顔である彼に銃は似合わない、などという人もいましたが、彼はそんな声に反発するように、むしろ積極的に森へと狩りに出かけていきました。

ある日、いつものように青年が森の中を歩いていると、ガサ、という音が耳に届きました。
勘のいい青年は、それが獣の出した物音だと判断し、近くにあった木の影に身を潜めました。
ガサ、ガサと、ゆっくりと物音が近くなっていきます。青年は銃を構え、獣の姿が見える瞬間を待ちました。
そして、向かいの木立の隙間に、獣の耳と尻尾の影が見えたとき―。

パァン、と、銃弾の音が森に響きました。
続いて、打たれた獣が地に倒れる音。

青年は少し待ち、獣の影が起き上がらないことを確認してから、ゆっくりとその方向に向かいました。
足を進め、薄暗い森の中でも獲物が確認出来たとき―。

「…、あ…、」

青年は、思わず声を漏らしました。無意識にこぼれたその声は震え、青年の驚きを表していました。
木の幹に背を預け、荒い呼吸を繰り返す獣に、彼は見覚えがありました。
青年が撃った片足からは血が流れ、その赤さが、獣の手からこぼ落ちた花を染めていました。その花の種類にさえ、青年には覚えがありました。

「…俺を、殺しますか…?」

はあ、と喉を喘がせながら、獣が青年を見上げます。立ちつくす青年はただ、表情を浮かべることすら出来ず、故に無表情で獣を見下ろしていました。
その瞳が、僅かに震えていることなど気付かずに、獣が言葉を繋ぎます。

「…少し…、待って、いただけませんか…?この、花を…、届けたい、場所があるんです…」

そう言って、きゅ、と花の束を握り、獣は弱々しく笑いました。
その表情が、青年の記憶にある、いつかの照れくさそうな笑みと重なりました。

―ああ。
青年は、気付いてしまいました。
この獣が―彼が、あの日花を渡そうとしていた相手は、もう、「場所」という思い出としてしか残っていないのだ、と。

応えを返さず黙りこくる青年を、獣が不思議そうに見つめます。
その、黒い瞳が、まるで空虚な穴のように見え、青年は崩れ落ちるように獣を抱きしめました。
獣の、彼の温かな体温。
そして、自分の頬を滑る涙の冷たさ。
その温度に、青年は震える声をこぼしました。

「…オオカミ、さん…」

―やっと、見つけた。
そう呟いた青年は、ぼう然とした目を向けるオオカミの唇に、やさしくかじりつきました。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)イジョウ、ジサクジエンデシタ!

元々は自カプのパラレルで考えていたものですが、いっそ創作にしてしまいました。尻切れトンボかつ微妙なオチですみません…。
スレ占拠失礼いたしました。

  • 続きを期待 -- 2010-09-22 (水) 23:00:54
  • 是非、続きを…! -- 2010-11-19 (金) 20:13:03
  • モダモダする…!結ばれて欲しい! -- 2011-02-12 (土) 01:26:03

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