HWS! 店長×健吾
更新日: 2011-05-02 (月) 09:10:18
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| 18禁ボブゲ、HWS!の店長×健吾だモナー
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 表ラブラブED後のお話らしいよ
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヒゲウケダゴルァ!
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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「大仙さんそれ4杯目じゃない?食べ過ぎですよ!」
「そうだよ!もぉ~俺だっておかわりしたいのに、なくなっちゃうじゃん!」
「え、そ、そうかな…」
ガスコンロに置かれた寸胴鍋の前で片手にレードルともう一方の手に空の皿を持った大仙が、
和志といつき二人がかりのブーイングにあっておろおろする。
寮の食堂で全員揃っての食事時には、毎度お馴染みのやりとりだった。
今晩の食事は、ノルマを比較的早く終えて残りの二人よりも先に事務所に戻っていたいつきと
和志の二人が作ったビーフシチューにサラダ。
朝の残りの味噌汁つきという少々ちぐはぐな組み合わせだったが、男ばかりの職場でそんな細かいことを
気にする者もおらず、一日身体を使ってこなした労働の後の食事を、皆旺盛な食欲で平らげていく。
「だいたいなんでこんなデカ鍋いっぱいに作ったのに、もうこんだけしか残ってないんだよ~?」
負けじとまだ皿に残っていたシチューをすするようにして食べ終わったいつきが、慌てて立ち上がり
鍋の中身を覗き込んで嘆く。
「いつき、俺の分もありそう?」
テーブルの中央に置かれた水の入ったポットを引き寄せながら和志が尋ねる。
「う~~~んん、微妙、かも…。もう、大仙さん!おたま没収!!」
「はうぅ…」
彼ら三人と同じ卓についている健吾は、飛び交う子供のような他愛無い言い合いを聞きながら
知らず小さく口元に笑みを浮かべていた。積極的に会話に交じることこそしないけれども、
健吾はこの賑やかな食卓の雰囲気が好きだ。
それは他のメンバーにも伝わっていて、だからひとりだけ口数が少なくとも、ちゃんとこの団欒の
一員として加わっている。なんだかんだありつつも、それなりに仲のよい仕事仲間であり、いい雰囲気の職場である。
鍋を抱えたいつきがテーブルに戻ってきた。
「新倉さんっ、大仙さんに食べられちゃう前に注ぎますからお皿出して」
健吾の前の食器は既に綺麗になっている。いつきは健吾の椅子の斜め後ろからまわりこんで、レードルを構えた。
「あ、いえ自分は。今日はもう…」
健吾は皿にシチューを足そうとするいつきを軽く手で制した。
「え?なんかあんま食べてないんじゃないですか?遠慮しなくていっすよ。新倉さんがおかわりしても
俺らの分くらいはちゃんとあるんで」
残りが少ないと叫んでいたのは多少の誇張を含んでいたらしい。
「そうですよ新倉さん。夜中に腹減っちゃいますって」
「ええ。でも今日は昼飯が少し遅い時間だったし、もう充分貰いましたから」
「でも…」
「食べたいときは、自分は遠慮はしませんし」
穏やかに笑っていつきを見上げる健吾の言葉は嘘ではない。
「そうですよね。…あ!も、もしかして…不味かったとか、じゃないよね…?」
「そんなことないですよ!美味かったです。ご馳走様でした」
一番年長者の健吾に丁寧に頭を下げられて、和志といつきが少し照れくさそうにする。
「や、そんな大したモンでもないっすけど~」
いつきもそれ以上は言わず、頷いた。
「わかりました。…んじゃ篠宮、残りは二人で分けよーぜっ」
「えぇ~?ボクにもちょうだいよぉ~…」
「大仙さんの分はもうありませんー」
「はうぅぅぅ~~…」
わざと意地悪っぽく笑いながらの和志の言葉に、スプーンをくわえた大仙が涙目になっている。
三人はまだじゃれあっているが、健吾は立ち上がると食べ終わった自分の分の食器をシンクへ運んだ。
蛇口を開いて洗い桶に水を溜めながら、スポンジを握って洗剤を少しそこに落とすと、慣れた手つきで食器を手早く洗い始める。
「ん、これもそこそこ美味いよね。まぁ店長が一度作ってくれたのに比べたら全然あれだけど」
背中越しに聞こえてきたいつきの言葉に、健吾の手が一瞬だけ止まった。
いつきが店長と呼んだのは、正確には前の店長だ。料理を褒める話題ならば名前は出さなくとも誰のことか皆承知している。
「あー!そうそう!憶えてるよぉ。店長さんのビーフシチュー!肉とかトロッと柔らかくてさ~。なんかもう色からして違ったよね。
あれほんっとうに美味しかったなぁ…それにオムライスでしょ、牛丼でしょ。おでんでしょ…」
「…大仙さんって食い物の記憶だけは完璧なんだから」
呆れたように和志がつぶやく。
「もうあれから一年過ぎちゃったのか。早いな~。池田さんが店長見習いでこの店に来たのって一昨年の年末ごろだっけ?」
「たった一ヶ月しかいなかったけど、いろいろ印象に残ってる人だよね」
「ボク、池田さん好きだったよ~」
「ハイハイ料理上手だったからでしょ」
「えー、でもそれだけじゃなくってさ…ボクより年下なのに凄くしっかりしてたじゃない」
「大仙さんよりしっかりしてない人なんてなかなかいないって」
「はうぅ…」
いつきと和志は大仙が年上なのにもかかわらず容赦ない。ここの仕事のでは二人が先輩なのと、大仙自身の
キャラクターもあって自然とそういう力関係が出来上がっていた。
「ま、確かにオーナーの親戚とかでいきなり店長見習いってことで店に来た最初の頃は、正直はぁ?って思ってたけどさ」
「そうそう。篠宮最初ムカついてたよな。何も知らない自分と同い年の男がコネで店長かよ!って」
「うるっさいいつき!お前だってなんか頼りなさそう、大丈夫かな~なんて心配してたじゃんか」
「っへへ、まーね。でも話してみると年が近いからものわかりもよくってさ。格ゲーの対戦にも付き合ってくれたし~、
お菓子のおまけのフィギュアもくれたし」
「引継ぎもまともにしなかったのにその前の店長が溜めっぱなしだった伝票とか、事務処理きっちりこなしてくれたから、
俺らに皺寄せこなかったしな」
「店長さんの手料理、色々思い出しちゃったよ。また食べたい~…」
「大仙さんは、他にないのかよ!」
二人が声をそろえて同時に突っ込んだ。
「ま、今の店長も特に不満はないんだけどね。仕事はきちんとしてくれるし。だいぶ年上だからいかにも上司って感じで
あんま親しみはないけどさ」
「上司なんだからそれは当たり前だろ」
「いや、そうなんだけどさ~。気軽に相談できる心地よさに慣れてたから、今の店長のやり方に馴染むまで俺ちょっと時間
掛かっちゃったもん」
手早く食器をすすいで水切りカゴにいれてしまうと、健吾はお先にと皆に一声かけて食堂を出た。
「お疲れ様です、新倉さん」
「おつかれっしたー!」
「おやすみなさい、新倉さん」
暖気が逃げないように後ろ手でドアを閉めると、廊下でひとつ溜息をつく。
中ではまだ話題が続いているのがドア越しにも聞こえる。
「―――俺、てっきり見習い期間が終わっても店に居てくれると思ってたんだけどな~。なんだっけ、医者の勉強するって
一度卒業した大学の医学部を受けなおしたんだっけ?」
「そうそう。んで、一発で合格しちゃったんだって。マジすげー!!あの人マジで人間じゃないね!」
「なんだか、もともとボクらとは違う感じだったよね~。超一流大出身だったし」
「篠宮はメールのやりとりしてるんだっけ」
「うん、ホントたまーに。そんなたいしたことも書かないけど。なんかやっぱめちゃくちゃ忙しいみたいだから」
「だけど、どうして急にお医者さんになりたいとか言い出したんだろうね?しかも、形成…外科、だっけ?」
「ここに来る前からそのつもりだったのかなぁ」
「いや、そんなこと全然言ってなかったと思ったけど…」
「元気にしてるのかな~池田さん。叔父さんのお店なんだし、また遊びに来て欲しいよね」
健吾は、短い廊下を渡って事務所から各自の私室がある上への階段をのぼった。最初は自分の部屋へ戻るつもりで
一旦三階で足を止めたが、結局素通りして四階まであがる。
最上階のフロア全体を占める広い部屋は、今はがらんとして何もなかった。
現店長は既婚者で自宅から通勤しているため、泰晴が引き払った後のここは空いたままである。
当然だが後任者は夕食を寮で皆と一緒に摂ることも滅多にない。
食堂でいつきが言っていたが、親しみにくいというのは年齢的なことばかりでなく、
一つ屋根の下で寝食を共にしていた泰晴と比べて距離を感じてしまうのは仕方のないことかもしれない。
部屋の明かりを点けずとも、カーテンのない窓から入ってくる夜の人工的な光で意外に中は明るい。
健吾は窓の方にまっすぐ歩きながら、ジーンズの尻ポケットから殆ど手付かずのままの煙草の箱を取り出し一本に
火を点けた。
以前は煙草を吸うのは屋上でと決めていたのだが、空き室になって以来、健吾はたまにここで独りで時間を過ごしている。
出窓に肘をついて寄りかかり、煙を逃がすためにガラス窓を小さく開ければ、狭い隙間から切るように冷たい空気が吹き込んできた。
襟元へ滑り込む冷気に眉を顰めて肩を窄めながら、煙をゆっくりと深く吸い込む。
一年以上が過ぎた今でも、今日のように泰晴のことが皆の話題に上ることは少なくない。そしていつも会話の最後の方は
彼を懐かしむ言葉になってゆく。
泰晴にそれを話すと『居た時間が短かったんで、かえって粗が見えなくてよかったんですよきっと』と少し照れながら笑っていた。
彼は皆に慕われる存在感と能力を持ち合わせた良い店長になったに違いない。
健吾自身、彼がここに変わらず店長としてあり、一緒に仕事が出来ていればと考えてしまうのだ。
結果的に泰晴は一月の短い見習い期間だけで店を去ったが、あんなことがなければ今もおそらくこの店に彼は居続けた筈だったの
だから。
泰晴が医者を突然志した理由が実は健吾にあることを、彼らは全く知らない。
いい上司、いい友人に成り得た彼を皆から取り上げてしまったような罪悪感。
そして裏腹では確かに独り占めの優越を感じていることにも気付いてしまい、複雑な気持ちになる。
ぼんやりと眺めていた窓の外に、気付けば白いものがちらほらと舞いはじめている。
健吾はゆっくりと煙を口から吐き出した。
この窓辺に立つと、決まって彼が出て行った日を思い出す。
泰晴が店を離れた最後の日。
『いつかオレ、ずっと一緒にいるって言ったの、嘘になっちゃったけど…』
吹っ切れたように清しい彼の顔つきは、自分よりもずっと年下なのにもかかわらず、とても逞しく見えて眩しかった。
『何年かかるかわからないけど、必ず、新倉さんのところに戻って―――』
シャツをはだけて露わにした健吾の素肌、胸元の微かに引き攣れた赤黒い火傷を覆い隠すように手のひらが優しく触れた。
『―――この傷痕を、オレの手で消したい』
健吾は思わず己の左胸に手をやった。醜い烙印の押された皮膚の部分がチリチリと泡立つような気がして、ぎゅっと服の上から爪を立てる。
胸を締め付けられる息苦しさと言い様のない寂しさも同時に思い出すのに、この場所へ来ては何度もあの日の彼の力強い決意の言葉を
反芻せずにいられない。
――――――あいたい。
この一年間で、片手で足りるほどしか会えていない。しかも泰晴の大学と店が意外に距離が離れていることもあり、あまりゆっくりと出来た
記憶がない。
覚悟していたとはいえ、泰晴の毎日の多忙さは想像以上だったようだ。たまの電話で、決して彼は弱音を吐いたり愚痴を言うことはしないが、
やはりなんとなく伝わってくる。
だから、邪魔してはいけない。だから自分から電話をかけることは絶対にしないし、我侭で彼を煩わせる訳にはいかない。
だから決して会いたいなどと口には出さない。
自分は待つことしか出来ない。あの日そう約束したのだから。
健吾は己に言い聞かせながら、それが言い訳めいていることを充分自覚していた。
変わらず優しいけれども、少し疲れたような電話での泰晴の声を聞いていると、健吾を縛る過去から解放する為だけにこの道を選んだことを
もしかして後悔しているのだろうか…などと考えては不安がこみ上げてくる。
自分が本当は大人の余裕など少しも持ち合わせていないことを痛感する。
健吾がもし泰晴よりも年下だったならば、せめてもっと年齢が近かったら、こんな気持ちを溜め込む前にもっと素直な気持ちをぶつけることが
出来ていたのだろうか。
『―――新倉さん』
毎晩のように部屋を訪れては呼びかけてくれた優しい声と柔らかい笑顔。
抱き合う時にはその声が熱を孕んで少し早口になり、耳元で囁かれるとそれだけで全身が熱くなる。
会って、触れたい、触れて欲しい。
(いい年をして…)
陳腐な自嘲だと思っていたが、いざ自身に向けてみると予想以上に強いブレーキになる。
込み上げてくる寂しさを断ち切るように携帯灰皿に煙草を突っ込んで揉み消すと、少し乱暴にガラス窓を閉めた。
今晩は寝酒が少し欲しいと思い、健吾は風呂を済ませる前に近所のコンビニへ出かけることにして部屋を出かけた。
と、突然上着のポケットの携帯が鳴り出し、途端心臓が跳ねる。
普段の着信は、変えるのも面倒で購入時に設定されていた色気のない電子音のまま使っているが、それを泰晴が
『これはオレ専用です。オレからの電話、ってすぐわかるでしょ』と、勝手にいじって設定を変更してしまっていたのだ。
流れてきたのはその曲だった。
慌ててポケットから携帯を掴み出す。
「…もしもし」
『――新倉さん?』
「――――はい」
『オレ、です』
「…はい」
『今…電話、大丈夫ですか?』
「あ、…はい」
『――――あの、今晩、これから会えますか?』
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ 今日はここまで。
| | | | ピッ (・∀・ )
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だらだらとスミマセヌが続きます…しかも終わってしまったバレンタインネタを絡ませる予定。
次回は店長サイドから書くと思います。
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