Top/6-342

黒猫×白猫

9リクに萌えスレより。

萌えるシチュに熱が抑えきれず書いたものの時間オーバーなんでこっちに。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1103982970/
の>>639のリク。>>640氏の秀作応え済。

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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )ネコネコ~ 
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『俺のものになれよ』

 その頃、俺にはまだ怖いものなんて無かった。
 小さい頃からチヤホヤされてきた俺にとって、外の世界も俺に甘いんだろうと思ってた。
 はじめて自分とまったく違うそいつの美しい白い毛並みを見たとき、無性にそれが欲しくて
自分のものにしたくて、気付いたらそばに駆け寄って、そいつにそう言い放ってた。
 その白い猫は、俺の飼い猫らしい傲慢さなんか気にしないといったふうに微笑んで、
『じゃぁ俺の首にひもでもつけな』といって俺の鼻の頭をざり、と舐めた。
 懐かしいような土の匂いがした。

 
 目の前の窓ガラスにさっきから雨粒が当たってパラパラ音をたてて流れてく。
 窓ガラスに映るのは明るくて暖かい部屋の中。それとソファーで横になってる自分の姿。
 その向こう、昼間なのに陰鬱で薄暗い景色を、縫うように雨が流れている。
 ふとその中を白い影が通り過ぎた。
 俺はすぐに誰かわかって、むくりと顔をあげた。
 向こうも分かってるはずだけど、こちらには視線ひとつ投げずに素知らぬ顔で
通り過ぎていく。飼い猫を軽蔑する野良猫風に。
 ただひとつ違うのは、通り過ぎざまに白い尻尾を合図のように軽く振ることぐらい。
 俺は笑ってすぐに部屋を飛び出した。

「泥だらけじゃん」
 その白い体はすっかり泥水に濡れていて、軒下で雨宿りしながら
俺は一生懸命そいつの体を舌でぬぐった。
 そいつは楽しそうに咽を鳴らしながら、されるがままになっていた。
「おまえは相変わらず品のいい匂いがする」
 毛づくろいをしてやりながら、視線だけを向けた。
 白いひげがぴくぴく揺れてるのが見える。
「俺はあんたの匂いが好きだよ」
 白い猫は答えずに、振り向いて俺の顔を優しそうに見つめた。
 俺はどきどきして視線をそらしてまたそいつの泥水をぬぐうのに集中する。
 白い猫は体をよじって逃れると、俺の首の付け根に頭をこすりつけて、耳の付け根を軽く噛んだ。
「くすぐったい」
「ガキ」
 楽しそうに笑って、今度は俺の黒い毛並みを舌でなでる。
 俺はあんたの咽のなるのを聞くのが好き。
 泥で汚れても、白い毛並みはぼんやりと闇の中で光る。

「なぁ、あんた飼われてたことあるだろ」
「あるよ、どうして」
 だって飼い猫の俺に優しいから。
 でも俺はそういわずに「しぐさがなんか普通のノラ猫より優雅だから」といった。
 ごろごろ咽を鳴らすのが聞こえる。笑っているのだ。
「どんな飼い主だった? 優しかった?」
「忘れたよ、あんまり昔だから」
 ふぅん、と言って今度は背中をよじって少し手荒く相手を組み伏せて首を甘く噛んだ。
 白い背中が柔らかに震える。
 そこに顔を押し付けると、早い心臓の音が聞こえた。
「してもいい?」
 組み敷いた相手が首を少し傾けて、緑色の目が上目遣いに俺をみた。
 そして何も言葉を言わずに目を閉じ、尻尾がぱたぱたと騒いだ。
 お好きに、という意味だった。
 雨の音があたりを満たしている。互いの息の音はかき消される。
 後悔しはじめていた、飼い主のことを聞いたこと。
 あんたの目の緑色が濃くなって、その人のことを想いだしてるように見える。
 気のせいか、その目の中にはぬくぬくと可愛がられてきた俺には想像もできないような
絶望が見える気がして、俺は悲しいような怖いような気分になった。

「--おい、集中してないだろ」
 はっと我にかえる。
 目の前には眩しいほど白い背中、雨の匂いのする背中。
 いつか首輪がはまっていただろう細い首のつけねを軽く噛んで俺は囁く。
「あんたは…誰かのものになりたいって思ったことある?」
 すると、荒い息の間からかすれた声がおかしそうに答えた。
「そう思ったらノラ猫にはなれないな」
「そうかな」
「おまえ、考え方が人間臭くなってきたんじゃないか?」
「そうかもしれない。そういうこと時々考えちゃうんだ、最近」
 いつか、俺のものになったらいいなと思ってた。あんたの全て。
 俺はいま願う、俺本来の人間の飼い主でもなく、誰でもなく、あんたのものになりたいなって。
あんたに全部やりたい、って思う。そしてあんたがいつも楽しそうにしたらいいのに。
 ざり、と鼻のあたまを優しく舐める感触があった。
 目の前に緑色の目が俺をじっと見つめている。
「……ガキだな」
 楽しそうににやっと笑った。
「くそ。そうやってバカにする」

 いつのまにか軒にあたる雨音は消え去り、あたりが明るさを取り戻しているのに気付いた。
 軒下からでればきっと虹が見えるだろう。

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番号ミススマソ。


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