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パタリロ

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空気どころか時代も読まずパタリロ投下します
うっすらバン→←殿下テイストです

パタリロ>
お前に抱えられて、耳を劈くような音を聞いていたよ。ほおがお前のおなかに押さえつけられて赤く濡れた。
見上げてみると銃を構える右手はすこしも震えてなくて、いやあ流石凄腕エージェント。
でも、だけども。
こういうのってお前らしくないんじゃないかな。僕をかばう前になんとかできたんじゃないかな。
いつもぞんざいに扱うくせに、今日のお前ときたら、僕が傷つくのが嫌みたいだったじゃないか。
そういうのって、ありがたいんだけど、なんだかすごく困ってしまう。
なあ、バンコラン。僕はそういうのに慣れてないんだ。
今日のお前の行動に、僕はどう給料を払えばいいのかな。

マライヒ>
ゴキブリ並みの生命力だって、いつもバン言ってるじゃないか。
あいつの逃げ足なら、致命傷を受けるはずないってわかってるくせに。
「それでも守ってやらねばならん」
仕事だから?ってたっぷり間をおいてから尋ねたら返事はなかった。
バンコラン、僕のいとしい人。今は少し顔をゆがめて熱に体を浮かせて、寝息を立てている。
深い泉の底のような青色や、柔らかく湿った薄桃色。
どんなことでも、僕の知らない君を知ることは嬉しかったのに。
悲しいとか、そういうんじゃないんだけど。だけど、すこし傷ついた気がした。

バンコラン>
撃たれる痛みをひさびさに感じた。熱で部屋がぼんやりかすむ。
なんで庇った。らしくない声で聞いてくる。
おそろしかったのだ、と答えるのは絶対嫌だったから、
体が勝手に動いた好きに守らせろ、と早口に言い捨てた。
口を動かしながら、変なことを言ってしまったなと思ったが、
とにかくへちゃむくれはそれっきり黙ってしまい、この部屋には沈黙が降りた。
柄にも無く神妙にベッドの端に腰掛けるやつの気配が伝わってきたから、
無事でよかった、なんて口走ってしまった。
パタリロ、お前が変だと私もおかしくなるだろう。

 
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1レスと短いネタでしたが、読んでくれてありがとうございます

  • 間にマライヒがいるのがいいですね…絶妙! -- 2010-07-14 (水) 18:13:17
  • 優しい語り口がいい雰囲気です… ぜひ次回作も! -- 2010-07-16 (金) 21:17:42
  • パタが未来の美少年設定でなく、ヘチャムクレなままなのがイイ!!パタカワイイヨ・・ -- 2011-05-03 (火) 14:35:54
  • それぞれのモノローグが素敵でした! -- 2011-07-07 (木) 22:11:19
  • 傑作…静かな空気感が思惑を際立たせますね。 -- 2012-12-13 (木) 01:21:53

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