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ヒカアキ

ヒカ碁でヒカアキです
萌えに任せて書き上げました

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

オレと塔矢はいつものように碁会所で碁を打っていた。
手合いにオレが出るようになってから、
放課後は塔矢んちの碁会所で落ち合うのが常だった。
「前から言おうと思っていたんだが……」
左上の星から一間トビで堅く構えながら塔矢が言った。
「キミはいつになったら髪を切るんだ?」
「ああ、これ?」
オレは自分でも伸びすぎかなと思っている前髪をつまんだ。
「いや、切ろう切ろうと思ってたんだけどさ、つい、めんどくさくてな。
そういやお前っていつもきっちりしてるよな。どこで切ってんだ? 美容院?」
「母に切ってもらっている」
白の欠陥をとがめながら塔矢が答えた。
オレは不完全なまま攻められ、ノビて補強するくらいしかできなかった。
塔矢はトビながら悠々と下辺の白模様を荒らしやがった。
いい気になりやがって。いつか公式戦で勝ってやる。
五月には北斗杯だってあるんだ。
オレは鼻を鳴らして小馬鹿にした。
「お前、その年でお母さんに切ってもらってんの?」
「悪いか?」
塔矢がケイマで中央に伸びた。その一手にオレはコスんだ。
ここから一気に反撃だ。
「だから、そんな髪型なんだ」
「そんな髪型とは?」
塔矢は指に黒石を挟んだまま、ぽかんとした。
やっぱり自覚ねえんだな。今時おかっぱはねえだろ。

オレはきのうの和谷との会話を思い出してプッと吹き出した。
「何がおかしい?」
塔矢はキリ返すと、鋭い目で睨んできた。
「たいしたことじゃねえんだ。きのう研究会のあと、和谷とコンビニでエロ雑誌立ち読みしてさ」
案の定、塔矢は顔をしかめた。
おいおい、マジかよ。和谷の予想は的中らしい。
オレは真顔になって身を乗り出した。
「でさ、和谷が言ったんだ。塔矢ってエロ本とか持ってなさそうだよなって」
「何が言いたい?」
塔矢の目はさっきよりも百倍冷たくなっていた。
「まさか、お前ほんとにエロ本持ってないのか?」
テーブルをバンッと叩くと、塔矢は勢いよく立ち上がった。
「ふざけるな! ボクがそんなものを持っているように見えるのか!」
オレも負けじと立ち上がった。
「はあ? 持ってねえの? 一冊も? 異常なんじゃねえ?」
「ボクは異常なんかじゃない! おかしいのはキミたちの方だ!」
「違うね! 健康な男子なら百冊や二百冊隠し持ってるのが普通だ!」
「おかしくない!」
「おかしい!」
碁会所の他の客をよそに、オレたちは睨みあった。
塔矢の目に表れているのは闘争心以外の何物でもない。
オレは塔矢先生の顔を思い浮かべた。
親父がああなら息子がこうなっちまうのも仕方ねえのかもな。
「北斗杯の代表に選ばれるまでここには来ねえ」
オレは塔矢に背を向けると、受付の市河さんからバックパックを受け取った。
市河さんは困ったような顔をしていたが、オレは何も言わなかった。

それから四ヵ月後。
オレは無事、北斗杯の日本代表に選ばれた。
残りのメンバーはハナから出場が決まっていた塔矢と、関西棋院の鉄砲玉、社だ。

北斗杯4日前、オレと社は駅で待ち合わせをして塔矢の家に向かった。
徹夜で超早碁の勝ち抜き選をやったオレたちは、
やっと現れた団長の倉田さんと寿司を食べ、北斗杯での戦い方について話しあった。
オレは大将になりたかったけど、もちろん倉田さんに却下された。
仕方ない。それだけの力が今のオレにはないもんな。
その日の夜、オレと社はさっさと布団にもぐりこんだ。
ちゃんと寝ろよと倉田さんに言いつけられたからだ。
だけど、オレはなかなか寝つけなかった。
本因坊秀策なんかたいしたことないって言いやがった高永夏のせいだ。
くそっ、本因坊秀策が生きてたらあいつなんかやっつけちゃうのに。
絶対負けねえのに。
オレは何度も寝返りを打ったあと、こっそり起き出してトイレに行った。
戻るついでに塔矢の寝室に足を向けると、思った通り、まだ明かりがついていた。
「まだ起きてんのか?」
オレは障子を開けた。
塔矢はびっくりしたように顔をあげた。手には棋譜がある。
「中国や韓国の棋譜並べはあしただろ」
「言われなくてもわかっている。これを終わらせたら寝るつもりだ」
塔矢は素っ気なく答え、棋譜に目を戻した。
オレはふと思いつき、部屋を見回した。
パソコンと勉強机、それに碁盤があるだけで生活感のかけらもない。
オレは部屋を横切ると、机の引き出しを開けた。
「進藤、何をしているんだ?」
エロ本を隠すなら机の引き出しかベッドの下と相場は決まっている。
だけど、どの引き出しにもエロ本はなかった。二重底の類もない。
ってことは、押入れか。
オレは押入れを開けると、「冬服」とか「アルバム」とか書いてある段ボール箱の中身を
片っ端から確かめていった。
「人の部屋を勝手に荒らして失礼だとは思わないのか?」
塔矢が止めようとしてもオレは構わず続行した。

そして呆然とした。
ない。本当に一冊もない。
塔矢アキラはエロ本を持っていない。
「お前、一度病院に行った方がいいぞ」
オレは座り込んだまま呟いた。
「いったい何の話だ」
塔矢は「こんなに散らかして」とブツブツ文句を言いながら、
オレが引っ張り出した段ボール箱を押入れに戻した。
「なあ、そういう気分になった時はどうすんだ?」
「そういう気分とは?」
塔矢は碁盤を片隅に寄せると、布団を抱え、畳に広げた。
「ムラムラした時だよ。いくらお前でもそういう気分になることぐらいあるだろ? あると言ってくれ」
そうじゃないとオレはお前を人間として認めることができねえんだ。
塔矢は布団の上に正座すると、恥ずかしそうに俯いた。
「……そういう時は」
「そういう時は?」
オレは手をつき、塔矢の顔をのぞきこんだ。
塔矢はうっすらと頬を染めていた。
オレは胸に妙な感動が広がるのを感じた。
よかった、やっぱ人間なんだな。
「そういう時は碁を打つ」
「何だそれ!」
オレは考えるよりも先にツッコんでいた。
やっぱこいつ人間じゃねえ。
「……しゃ、射精をすると快感を得られるということは知っている。保健体育で習ったからな」
男は保健体育で習うより慣れろって言うだろうが!
「じゃ、お前、今まで一度もマスかいたことねえの?」
「マスを……かく?」
そんな言葉聞いたことないとでも言いたげに、塔矢が小首を傾げた。
実際、聞いたことねえのかもな。

緒方先生や芦原さんとそんな話するとも思えねえし。
「オナニーだよ。オ・ナ・ニ・イ」
わかりやすいようにオレは一語一語区切って言ってやった。
塔矢はゆでだこみたいに顔を真っ赤にすると、また俯いてしまった。
「……そんなこと、するわけないだろ」
「信じらんねえ。たまったまんまよく平気でいられるな」
「平気、ということはない。たまに、夢精してしまうことがある」
俯いたまま、塔矢はぽつりぽつりと答えた。
「絶対体によくねえって。そのうち病気になるぞ」
「だが、そんな行為、ボクには到底できない」
パジャマの膝を握りしめて、塔矢は声を振り絞るように言った。
「ったく、しょうがねえなあ」
オレは塔矢の背後に回り込むと、ズボンを下げて塔矢のペニスを取り出した。
「な、何をする!」
塔矢はオレの腕を引きはがそうとした。
オレは塔矢をがっちり抱え込むと、右手を上下に動かした。
「……ん、は、っあ」
塔矢の口から苦しそうな喘ぎ声がもれた。
抵抗する力もどんどん弱くなっている。
「たまったもん全部出したら、3日後の対局はばっちりだぜ」
塔矢は何も答えない。
目を固くつぶって赤い唇を噛み締めている。
間近で見る塔矢のそんな表情にオレの体がうずいた。
ヤバイ、塔矢ってこんなに色っぽかったっけ。
それに何だかいい匂いがする。
オレは先走り汁でぬらぬらと光る尿道を親指でこねくりまわした。
「進藤、そこは……んっ……!」
塔矢があっという間にイき、オレの掌は真っ白になった。
オレは掌を顔に近づけ、塔矢の精液を舐めてみた。
「まずっ」

「馬鹿、当たり前だろう」
塔矢はティッシュの箱を引き寄せてオレに渡した。
オレは塔矢の体に腕を回したまま、ティッシュで掌をきれいにした。
塔矢は初めてのオナニーの余韻から抜け切れないのか、どこか上の空だ。
オレはこれ幸いとばかりに塔矢の感触を楽しんだ。
体は見た目ほど華奢ではなく、ほどよく筋肉がついていた。
黒髪は絹のように柔らかい。
いい匂いも胸いっぱい吸い込んだ。
オレのペニスは正直だった。
ギンギンに硬くなって塔矢の腰を押している。
「進藤、腰に硬いものが当たっているんだが……」
「ああワリィ。ほら、箸が転がっても勃つ年頃だし」
「わかった、好きなだけオナニーをしてくれ。
ボクは今後のために進藤のやり方を研究させてもらう。よかったらあとで検討をしよう」
「検討ってお前……」
オレは「馬鹿じゃねえの」と言いかけて、ぐっと堪えた。
いいアイデアを思いついたのだ。
「なあ、知ってるか? 男同士でオナニーをしあう時は、
先の奴が手、後の奴が口でしてやるって決まってんだぜ」
「え、そうなの?」
でまかせとも知らず、塔矢は素直に訊き返した。
「ほんとほんと。白番にコミがあるのとおんなじ」
「そうか、それは知らなかったな」
「だからさ、塔矢」
オレは塔矢をこちらに向き直らせると、自分のペニスを剥き出しにした。
「これ、口でくわえて」
塔矢はパジャマのズボンを直すと、ためらうようにちょっと考え込んだ。
「……そういうルールなら仕方がないな。わかったよ」
塔矢は両手で髪をかき上げ、前屈みになった。
その仕種がやたらエロくて、オレのペニスはさらに硬くなった。

右手を根元あたりに添えると、塔矢は浮き出た血管をちろっと舐めた。
たったそれだけのことなのに、塔矢アキラにフェラされてると思っただけで
オレはイきそうになってしまった。
だめだ、こんなにアシが速かったら塔矢の舌を楽しめねえじゃねえか。
オレは下腹に力を入れ、深呼吸した。
塔矢は真剣な表情で舌を動かしている。
オレはまだだ、まだだと自分に言い聞かせた。
それなのに、先端からはもう先走り汁が溢れている。
「何か出てきたぞ」
「……ん……それも舐めて」
塔矢が恐る恐るといった感じで尿道から汁をすくいとった。
「苦い」
「そういうもんなんだ……はっ……もっと全部吸って」
俺が指示すると、塔矢は亀頭をくわえ、ちゅうと吸った。
「あっ、いい、塔矢」
あまりの快感にオレの視界はぐらりと揺れた。
「今度は口全体でチンコをしごいて。歯は立てるなよ」
「口全体でか?」
塔矢がオレを見上げた。
オレは思わず塔矢のなめらかな髪をなでた。
「ああ、つらくないとこまででいいからしゃぶって吸って」
「しゃぶって吸うのか」
碁盤に向かっている時と変わらない表情でそう繰り返すと、
塔矢は口を大きく開け、ペニスを喉元までくわこんだ。
そのとたん、オレの背中をぞくぞくっと震えが走った。
塔矢は苦しそうに眉間に皺を寄せながら、ちゃんと唇だけでしごいていた。
「ああっ……ん……塔矢、塔矢」
オレは今までのオナニーが五目並べと変わらないことを思い知った。
あんなもの、塔矢の口と比べたら月とスッポンだ。
塔矢とならはるかな高みをめざせる。
神の一手を。

「とうやぁ……んんっ……塔矢、塔矢……ああっ!」
オレは塔矢の頭を抱え込むと、その口いっぱいに精液を放った。
塔矢はしばらく口を押さえていたが、吐き出すことはなかった。
オレは社のいる部屋に戻る気が起きず、そのまま塔矢の布団で眠りに落ちた。
翌朝、社に「怪しいわあ、二人めっちゃ怪しいわあ」と言われたが、反論はしなかった。

北斗杯が終わって数日後、塔矢から自宅に電話があった。
「緒方さんにも芦原さんにも聞いたが、男同士がオナニーをしあう時のルールなどない。
騙したな、進藤!」という内容だった。
オレは罵詈雑言を無視し、そっと受話器を置いた

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ほんとはヒカルにアキラを襲わせるつもりだったんですが
そこまでいけませんでした


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