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月光

タイガのリョマ伝 リョマ→イゾに飢えてましてつい、年少期に萌えたくなりました。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

静かな寝息をたてながら幼馴染みはよく眠っている。
安心しきった様子で熟睡している顔を見ていると、成人した男とは思えぬほど幼くみえる。
これがあの人斬りと恐れられている男とはな...
一度信頼関係ができると決して裏切らない一本気で純粋なやつなのだが、
理不尽だと思ったら相手構わず噛みついていく。
危なっかしくて放っておけず、同世代の仲間と夢中で遊んでいても、年下の彼だけはちゃんとついてきているか
目で追う癖がいつの間にかついてしまっていた。
それはきっとあの日からではないか?
気付くと男は彼と共に過ごした幼い頃の日々に思いを馳せていた。

日差しのきついある夏の日
年上の皆がカブトムシや蝉をわんさと捕まえたと盛り上がってる中、幼い伊蔵だけが1匹も捕まえることができずにいた。
「伊蔵はガキじゃき、無理じゃ」
「おまんの身長で捕れる高さにおるようなマヌケな虫らぁ、おらんちや」
少年達から一回り以上も小さな体の伊蔵は言い返すこともできずただ大きな目に涙を溜めて悔しそうに唇を結んで立っていた。
そんな姿を見ているとつい口出ししたくなる。
「そんなことはないろう。伊蔵は目が良いき、きっと捕れるがぜよ、な、伊蔵」
「ちぇー、涼馬はまっこと伊蔵に優しいのー」
「とにかく、日が暮れるのもすぐじゃ、喋ってる間に捕りにいくぜよ」
「それもそうじゃ、あと3匹は捕まえるぜよ」
少年達は獲物を探すため、再び山に駆け上がり散らばっていった。
伊蔵も腰に結わえた虫籠に体を振り回され、足をとられながら懸命に皆の後を追った。

すっかり夕暮れとなり、足元も見えなくなる頃、少年達は最後の獲物自慢をしている。
しかしそこに小さな伊蔵はいなかった。
「伊蔵はどこじゃ?」
「全く!あいつはどこまでみそっかすなんじゃー」
「きっと1匹も捕れんで悔しゅうて先に家に帰ったがじゃ」
一同が笑う中、二人だけが思案顔をしている。そして一人が口を開いた。
「みんな帰ってくれてえい。わしは伊蔵を探す」
「涼馬、一人やとおまんも道に迷うたらいかん。わしも行く。すぐに灯りをもろてくるき」
「すまんの。武智さん」
「おまんらは涼馬の言うように帰り。大丈夫やき」
事の重大さに気付いた一同だったが武智に促され、少年達は大人しく帰路につくしかなかった。
「ある程度探して見つからんようじゃったら、応援を頼みに一旦戻るぞ」
「そうじゃの。...ただ、わしには伊蔵の声が聞こえるような気がするんじゃ」
「声が?いいや、何も聞こえんぞ?伊蔵ー、伊蔵ー!!」
「シッ、武智さん。こっちじゃ」
探し始めて一刻もたたないうちに何かを感じたように涼馬はぐんぐんと大股で歩きだした。
「??涼馬?どういた?」
「聞こえるぜよ、伊蔵。待っちょれ」
暫らくすると幼い泣き声が聞こえてきた。
「...タケチサァ.ン...リョーマァ...」
大木の上の方で声がした。

月明かりを頼りに目を凝らすと必死に枝にしがみついている伊蔵の姿がそこにあった。
まるで登るだけ登って降りてこられず鳴いている子猫のようであった。
「伊蔵!大丈夫か?」
「グスッ、グスッ、涼馬ぁ、武智さぁん...」
「登るか」
「いや、受け止める。伊蔵ー、飛び降りろ!わしが受け止めちゃるき」
「はぁ?涼馬、無茶じゃ!!止め...」
武智が制止する間もなく、飛び降りろと言われた伊蔵は躊躇なく枝から手を離した。
小さな身体とはいえ高所から落下する衝撃は少年涼馬には大きいはずであった。
武智は慌てて補助の体勢をとろうとした。
だが、その前に涼馬は落下の瞬間を見定め、衝撃を自らの受身で拡散し伊蔵を全身で包み込むように受け止めていた。
衝撃的瞬間を目の当たりにし、武智は暫らく呆然と二人を見つめていた。
「涼馬ぁぁーーー!!!」
緊張を破ったのは伊蔵の泣き声だった。
不安な状態から一気に解放された伊蔵は涼馬にしがみつき火がついたように泣き出した
「うわぁぁぁん、怖かったよぉぉ」
「大丈夫じゃ、伊蔵。わしらがおるき、もう、大丈夫じゃ」
涼馬はなだめるように腕の中の小さな身体を強く抱きしめた。
「そうじゃ、もう大丈夫やき」
武智もそっと頭をなでてやった。

「それにしてもあげな高いところまでよう登れたもんじゃ、どういて登れたがか?」
自分達でもなかなか登れないであろう高さにいた理由がわからず伊蔵に問うた。
それを聞いて伊蔵はハッと何かを思い出し背中の虫籠を慌てて探り出した。
そして籠の中の物体を確認すると今まで涙でぐしゃぐしゃになっていた顔が一気に笑顔になった。
「良かった、無事じゃ!!」
「うわッ、でっかい!こげなクワガタは見たことないちや」
「まっこと見事じゃの」
どうやら大物を獲得することに夢中で自分で降りられない高さまで登ってしまったらしい。
年上の二人は呆れながらも幼子の純粋で真剣な気持ちに感心した。
「よう頑張ったの伊蔵。けんど、無茶はいかん」
「そうじゃ、すごいことができたんじゃ、伊蔵は。次は自分を守ることも考えられるようになってほしいがじゃ。
 そうでないとわしは心配でかなわんぜよ」
二人は伊蔵に諭すように語りかけながら代わる代わる頭についている葉を取りながら優しく撫でてやった。
伊蔵は自分が迷惑をかけたことを幼心にも理解したらしく、
「ごめんちや...」と
涼馬の腕の中の伊蔵は小さな身体をますます小さくして何度もペコリペコリと謝り続けた。
その姿がなんとも愛らしく、年長の二人は顔を見合わせると同時に声を出して笑った。
「もうええちや、伊蔵」
「帰るぜよ」
「うん!」

涼馬は伊蔵をおぶり、武智は灯りで足元を照らした。
涼馬の背が心地よかったのか、伊蔵はいつのまにか眠っていた。
「それにしても不思議じゃ。あの高所で怯えていた伊蔵が飛び降りるのは怖くなかったんじゃろうか?」
「おう、すぐ手をはなしよったな」
「...きっと、おまんのことをまっこと信頼しちゅうがじゃ。受け止めてくれると信じて疑わんかったからじゃな」
「こいつはまっこと純粋じゃの。わしも受け止められんかったかもしれんのにのぉ」
そう言って涼馬は大声で笑った。
「おまんも無茶な部類ぜよ」
「そーかもしれんの」
きっと自分の身を挺しても伊蔵を守ろうとするだろうと武智は思ったが、そこは何も言わず一緒になって笑った。
「そもそもおまんはあげに大胆な男じゃったかいのぉ?」
からかうように問う武智に涼馬は照れた顔を見せた。
「わしはの、武智さん。こいつが可愛いて仕方が無いんぜよ。なんか、、放っておけんのんじゃ」
寝小便たれで泣き虫な涼馬がいつのまにか侍として成長してきていることに武智はいち早く気づき始めていた。
大切な人を守ろうとする男気は誰よりも強いと。
「そうじゃの、わしらになんとかついてこようとしちょるとこを見てるとまっこと可愛らしいの」
武智は微笑んだ。
そして遠目に揺れる提灯を見つけると涼馬に見てみろと促した。
「皆も心配なんじゃ」
帰したはずの仲間たちがやはり伊蔵や涼馬、武智が心配で提灯を手にして探しに戻ってきたようだった。
月はますます冴え渡り、灯りがいらぬほど、三人の行く道を明るく照らしていた。

あの日から、わしはこいつから目が離されんくなったがじゃ
しかしこいつに手を焼いた話はまだあるの、とそんな場面を幾つも思い出すと男はおかしくてたまらなくなり、破顔した。
そして隣で眠る幼馴染みの顔を改めて見つめ直した。
昔からおなごのような顔じゃと思うてたが、こげなえらいべっぴんじゃったかのう?
男はその寝顔にいつしか見とれ、無意識のうちに彼の顔にかかっていた数本の髪を中指でそっとかきあげていた。
微かな刺激に寝ていた彼はくすぐったそうに肩をすくめて吐息をもらした。
その瞬間、ズキりと何か痛みに似たような甘い感覚が男の身体を襲った。
着物の裾から見える肌理の整った肌が瑞々しく、指を這わせ生でその感触を味わいたい衝動に駆られた。
荒々しく着物を剥ぎ取り......欲望が頭を擡げる。
しかし、男は一瞬、両目を強く瞑り、首筋に伸ばした手を何とか止め
欲望を振り払うかのように痛いほど自分の拳を握り締めた。
『わしがおまんを守っちゃる。誰にも渡さんぜよ。絶対に!』
男はその誓いを胸に、あの夏の日と同じように明るい月を仰ぎ見た。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
なかなかイゾにエロ手を出せないリョマでした。
エロはまだお預けですね。

  • イゾかわいすぎだ! -- 2011-08-25 (木) 19:05:31

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