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夢間

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
タイガードラマの飛来×武智。20話後の話。なのにエロ有り。ようするに夢オチです。

横になった身の、着物の合わせ目に忍び込む気配。
ひやりとした感触に胸元を撫でられ、戯れるように尖りを捉えられる。
男のそこが感じるようになるなど自分には厭わしいだけだったが、それでも今はそれで
彼が喜ぶのならもういいと思う。
背後から抱き込まれ、緩やかな愛撫を施され、むず痒さにも似た甘い痛みが身体の芯に火を
灯すのにもさして時間はかからず、それでも知らず揺れていた腰に気付き、さすがの羞恥に
堪えようとすれば、それを察したように瞬間、裾を割り滑り込んでくる手の感触があった。
すでに熱を持ちつつあった己に指を絡められ、逃げるのを封じるように擦り上げてくる。
強く、弱く、この身の事はすべて知り尽くしているかのような巧みな煽り立てに、たまらず
背が仰け反り、唇からは喜悦交じりの吐息が洩れた。
熱く淫らがましい。長く耳にするだけで苛まれたその響きも、今はもう抑える気力も無い。
だから望まれるままに流されて、その腕の中で吐精する。
余韻は痺れるように甘かった。
渇ききっていた身と心に沁みいる水のように、それは己を刹那満たしてくれた。
だから、感謝の想いで振り返る。
ゆっくりと、消えてしまわないように。
見遣った背後には死んだ男の顔があった。
『収次郎……』
その名を唇が呼ぶ。
指先が伸びて、頬に触れる。そこに温もりはなかった。
死人の冷たさ。
しかしそれでも構わないほど……愛しい男がそこにはいてくれた。

彼が逝ったのは初夏の頃だった。
藩政改革の名目で、藩に無断で朝廷に取り入った罪による切腹。
罪状に間違いはない。しかしそれが言いがかりにも等しい罠によるものだと言う事は一目瞭然だった。
それがわかっていながら、自分は彼を救ってやれなかった。
しかしそんな自分にも彼は最後まで恨み事一つ言わず、それどころか、
――――幸せだった、と
拷問を受け、傷だらけの身になってまでそう言って笑った。
あれから、自分には昼も夜も無くなっていた。
すべての感覚が虚ろに目の前を流れてゆく。
それでも過ぎる時間の中でなら、夜の方がまだましだった。
眠れぬ日々は続いたけれど、それでも限界のように意識が落ちれば、そこに時折彼は現れてくれた。
再びまみえた彼には痛々しい傷は無かった。
在りし日のままの顔と声で、在りし日のまま自分を心配する言葉を口にした。
『そんなに嘆かんでつかぁさい。心残りでついこうして出てきてしまう』
出てこればいいと思う。
彼はずっと自分の言う事を聞いてくれた。だからこれからも聞いてくれればいい。
腕が伸び、その首筋に縋りつく。
何をねだるのか、言葉にせずとも彼には伝わるはずだった。
それでもそんな自分の心中を察した彼が、その手にあった先程の精を後ろに塗りこめようとしてこれば
それに自分は小刻みに首を打ち振った。
彼の顔にまたかと、少し困ったような表情が浮かぶ。しかしそれにも自分は違うと瞳を揺らす。
確かに、自分は長く心を閉ざしていた時期があった。
信頼、期待、裏切り、憎悪。己を取り巻くあらゆるものに追い詰められ、汚れる事と引き替えに
手に入れたものにすら平穏を見い出せず、その不安を己が身を傷つける事で打ち消そうとした。
その行為に、彼を巻き込んだ。
すまん……すまん……
今となっては、なんと惨い事に手を科させたか。
繰り返し詫びる自分に、ならばとやはり困った彼の声が届く。
それでもやはり今、自分に彼の労わりはいらない。その時間すら、惜しかった。
夢はいつ醒めるかわからない。
ならば一刻でも早く結ばれたい。奥まで深く繋がりたかった。
痛みなどかまわない。慣れている。
いや、考えてみたらおまんととて初めはそうじゃったろう。
不意に思い出した己らの過去を訴えれば、それに彼は途端気まずそうに破顔した。
『あの時は驚いたぞ』
『すみません。それでも、どうしても欲しかった』
『どういて』
『ずっとずっと好いちょりました』
『知らんかった』
『あまりに高望みすぎて、振り向いてもらえんでもええとさえ思うちょりましたから』
『阿呆』
『でも結局は我慢しきれんかった。それで……傷つけてしもうたがです』
冷たい指先が愛しげに頬に触れてくる。それに自分はまた首を横に振る。
『いいや、ええ。無理矢理でも抱いてくれて良かった。その後も側におってくれて良かった。
謝るならわしの方、傷つけたのもわしの方じゃ。わしはずっとおまんに心を開かんかった』
『それでも、今はこうしていてくれる。いつからやったがですか?』
『いつ?』
『あなたの中に入り込めたのは』
それはもう今となっては笑い話のように、見下ろしてくる彼の顔はひどく優しげだった。
それが愛しくも儚くて、自分は答えを返せない。
『内緒じゃ』
何もかも伝えたらもうこうして現れてはくれなくなりそうで、答えられなかった。
憶病で、弱くて、永遠に失ったから怖くて…怖くて…
そんな竦んだ自分の心を知るかのようにこの時、背に彼の腕が回される。
包み込むように抱き締められる、その優しさに自分は耐えられぬように縋りついた。
もっと強く、もっと深く、貫き、繋ぎとめて欲しかった。
冷たい彼の肌に熱を分け与え、いっそ一つに溶けあうまで。
人と幽鬼の交わりでは叶わぬ事と知りながら、それでも願わずにはいられない。
それほどにこの夢の中、自分は干からび、飢えていた。

縺れるように求めあい、与えあい、快楽以外何も考えられぬほどの淫蕩に溺れながら、
それでもそんな熱の果てにも互いを隔てる境界の線は無くならず……
『もうこれ以上は』
長い情交の終わり、そんな言葉と共に体を離そうとした彼に、しかし自分はしばしその絡めた手足を
解く事が出来なかった。
まだ……
小さな呟きに、頭上で苦笑めいた吐息が零される。
『お体に障ります』
宥め諭すような、そんな戒めめいた言葉はいらないと思う。今更こんな身を案じてどうするというのだ。
しかしそんな自虐に陥りそうになる自分の心を、この時彼は見透かしたようだった。
火照った肌に冷たい指先の感触がこめかみを伝い頬へと落ちる。
それに自分がわずかに顔を起こせば、更に滑らせた手で捉えた顎をやんわりと引き上げてきた。
近づけられる顔。そして唇が静かに触れ合う。
それに自分は驚いた。
『…何じゃ?』
突然の行為の意味がわからず目を瞬かせれば、それに彼は悪戯っぽく口元を緩ませる。
『内緒です』
そして返された言葉は先刻の自分に対するまるで意趣返しのようで、それに思わず眉根が寄れば
彼はそんな自分を宥めるように、再びその行為を繰り返してきた。
『言うと、怒りますき』
唇が重ねられる寸前、囁かれた言葉の意味がわからず、それでも問い詰める事は吐息さえ封じられてもう出来ず。
食むように唇を吸われ、戸惑い開いた歯列に舌を差し入れられれば、その感触には無意識に身が逃げかけた。
しかしそれをこの時彼は許してはくれなかった。
顎を捉えていた手が首の後ろに回り、より強く引き寄せてくる。
仰け反る喉元。塞がれ、呼吸を継ぐ間もわからず、息苦しさに頭の芯が霞みがかってくる。
それでも、耳に届く舌を撫で合わせる際に立つ小さな水音は、背徳的にひどく淫らで、熱のまだ冷めやらぬ
肌の奥の埋み火を再び掻き立てた。
交わっていられる事が気持ちがいい。だから、

あの時もこうしてやれば良かった、と……

閉じた瞼の裏に浮かんだ過去の光景は、自分と彼が最後に会った牢獄内のものだった。

あの時、全身傷だらけだった彼のどこに触れていいのかわからず、自分はただ手を握ってやる事しか出来なかった。
そしてそんな動揺する自分の為に、無理を押して起き上がろうとする彼に伸ばした手は、支える為だけの
意図のものだった。
この口から告げねばならなかった死の宣告。
恨んでくれていい。罵ってくれればいい。
そう思っていたのに、それでも彼は最後まで一言も自分を責めなくて……
だから辛くて、悲しくて―――愛しくて……
ただ縋るようにその身に抱きついて泣く事しか出来なかった。

あの時に、こうしてやれば良かった。

唇ならば彼の身も痛まなかっただろう。舌の熱なら、着物越しの肌よりもこの想いが伝わっただろうに。
取り返す事の出来ない悔恨がこの時、涙に変わり眦を伝い落ちる。
それを彼はその冷たい指先で拭ってきた。
『泣かんでつかぁさい』
唇を解かぬまま、脳裏に声が響いてくる。
『わしは欲のある男ですき。その涙が自分の為だけのもんやと思うと、うれしゅうて……もっと
泣かせとうなってしまう』
『……あほう』
茶化すような言葉に、思わず咎めるような反駁が浮かぶ。
それに彼はこの時笑ったようだった。
優しく穏やかな声が聞こえ続ける。
『そばにおります』
それは真摯な響きで最後、自分にこう告げた。

体は失くしても、ずっとその心のそばに。それが終生変わらぬ、わしの幸せですき―――

意識の戻りはまるで満ち引く潮のようだった。
耳に夜明けを告げる鳥の声が届く。
瞼の裏にまで忍び込む白んじた明るさは、姿を現した陽の光か。
それでもこの時武智はまだその瞳を開ける事は出来なかった。
横になり閉じ続ける目の、その眦に一筋伝い落ちる涙。
それだけが、まだ夢と自分を繋ぎとめる唯一の縁だった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
シュージロの最後まで男前っぷりはスゴかった。
そしてそれを受けての先生のボロボロッぶりには驚いた…


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