Top/57-267

バッソンピエールの尋問

エヌエチケーにて放送中の人形劇三十四より アヌス×谷やん前提の
バッソン×谷やんです。
誰得なカップリングですが、脱出おめ記念ということで。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「そういうことであれば、お望みどおり死んでいただこう。
 ……裏庭へ連れて行け」

バッキンガム公の言うとおり、ダルタニアンというのは中々気骨のある
青年らしい。この若さで朽ち果てさせるには惜しい人材であることに
間違いはないのだが、生きて返せば間違いなく手ごわい敵となり向かってくる
であろう危険因子をみすみす見逃すことなど、できるはずもない。

『ふりでも、仲間になると言えばいいものを……!』

自分が思った以上にあの青年に肩入れしていることに、我ながら意外だとは
思いつつも、“惜しい”という気持ちを消し去ることができない。
だから、なのだろうか。
殺してしまう前に、もう少しだけ彼と話してみたいと思った。

それによくよく考えれば、彼は見習いとはいえ銃士隊に所属していたはず
なのだからその動向を聞いておかなくてはならない、という重要な事実を
思い出した。
国王直属の近衛銃士隊が出陣しているとなれば、それは国王自らが兵を
率いて戦場に来ていることを意味しているからだ。
そうとなれば、リシュリュー枢機卿が戦場に来ている可能性も、また高い。
元々一般民衆がその大部分を占める我が軍は、イギリスからの支援があるとはいえ
本格的な戦闘が始まってしまえば、本職の軍人と銃を撃った経験もない一般人。
最低限の訓練は施してあるが、正面から戦えば戦況の不利は最初から
わかりきっている。

持久戦に持ち込まれては、自滅あるのみ。
一点突破でリシュリューの首を取ることは、勝利のために必要不可欠な要素なのだ。

その成否を握る情報を、あの青年は知っている可能性がある。
さっきまで、ほんの少しとはいえ心にあった同情心は一瞬にして消え去った。
どんな手段を用いてでも、必要な情報は引き出す。
……殺してしまうのは、それからでも遅くはない。

そう決意が固まるのにさして時間はかからなかった。

ダルタニアンを自分の私室に連れてくるよう指示を出し、どう口を割らせるか
思案をめぐらせる。
勇気と度胸はあるのだろうが実戦の経験が浅そうなあたり、普通に拷問に
かければ案外あっさりと全てを白状する気もするが……。
だが、意地になった人間は案外苦痛によってでは真実を語らない
ものだということを、私は経験から良く知っていた。
自白内容の真否が確認困難である以上、何でもいいから白状させるのが
得策だとは思えない。相手はこれから銃殺されるのがわかっている身の上だ。
最期の一芝居に付き合わされてはたまらない。

要は、苦痛に起因するものであろうが何であろうが、相手の心を折ることが
できなければ本当に必要な情報を得ることはできない、ということだ。

となれば、……やはりアレ、だろうか。
まぁ、駄目だったなら駄目だったで構わない。
とりあえずやってみる価値はあるだろう。
彼のことは、結構“お気に入り”なのだから。

考えがまとまったところで、タイミングよくダルタニアンが半ば引きずられる
ように部屋の入口まで連行されてきた。
銃殺の指示を出したかと思いきや、間髪いれず、また連れ戻す指示が出たことで
部下も若干いぶかしげな表情をしている。が、輪をかけて困惑した表情を
浮かべているのはもちろんダルタニアンだ。

部下を下がらせると
「……今更、何か御用ですか?」
挑むような目つきで、そう尋ねてきた。
「君に色々と聞いておきたいことがあったのを、忘れていた」
ダルタニアンの眉が一瞬ぴくり、と動く。どうやら、自分が尋問の対象と
なり得ることは理解していたらしい。
「……あなたにお話しできることは、何もありません」
そう言い切った口調からは、どんな些細な情報も漏らすまいとする固い決意が窺えた。

これでは正面から力押しで情報を吐かせるにしても、大分骨が折れそうだ。
不意に横合いから殴りつけるような、とでも評すべきこの作戦が
思ったように功を奏すれば良いのだが。

「そう意固地にならなくてもいいだろう。
 無駄に痛い思いをするのは、馬鹿らしいと思わないか」
「……拷問でもなんでも、したいならすればいいでしょう。
 それで本当のことを話すとでも思っているなら、ですが」
「なに、そんな野蛮なマネは私たちはしないさ」
その返答は少し予想外だったのだろう。
彼は不可解なものでも見るような目つきで、こちらの出かたを窺っている。

では行動開始といこう。
戸棚から小瓶を2つ取り出すと、その片方の中身をグラスに空けて
ダルタニアンに差し出す。

「飲みなさい」
と勧めてみても、全く正体のわからない飲物に口をつけたりしないのは当然だろう。
堅く口を閉ざし、そっぽをむいてしまった。
まあ、こっちも素直に飲むなんて思っちゃいない。

実力行使あるのみ、だ。
……つんと上向いた鼻をぐっとつまんでやった。
みるみるうちに苦しそうな表情を浮かべ、抵抗するように首を振ろうとするが
それは逆に限界までの時間を短くする効果しかなかった。

空気を求めて口を開かざるを得ないタイミングを見計らい、グラスの中身を煽って
微かに開いた唇をこじ開け、舌ごとねじ込むように“それ”を流し込む。
ぐっと喉が鳴る音がして、液体が間違いなくそこへ入り込んだことがわかった。

「ちょっ……!! くそっ 今、何を飲ませた?!」
された行為にも驚いたのだろうが、既に飲み込んでしまった液体の正体の
ほうが気になるのだろう。縄で後ろ手に縛ってあるとはいえ、まるで掴み
かからんばかりの勢いだ。
さて、飲まされた物の正体を知ったらどんな顔をするか。
「なに、ちょっとした催淫剤の一種さ」
「……さ、サイン?」
予想外に鈍い反応は、聞き覚えのない単語を耳にしたせいなのだろうが……。
「媚薬、といえばわかるか」
その単語にも反応は薄かった。
この手の知識については、まだまだ子供レベルということなのだろう。
少し興を削がれたが、何を飲んだのかわかってもらわないとその効果も半減だ。
肩をつかんでベッドまで連れて行き、力任せに背中を押すとつんのめるように
ダルタニアンの身体がベッドに沈む。
背中越しに青ざめた様子でこちらを窺う彼には悪いが、ここからが本番だ。
思う存分、泣いてもらうことにしよう。

腰に手を回し、ベルトを抜き取ると当然のように抗議の声があがったが
構わずに下着ごとズボンも膝まで下ろしてしまう。と
「やめろ!」「何考えてんだ」「ふざけるな!!」「馬鹿」「変態」等々
考え付く限りの悪口雑言が、途切れることなく声高に繰り広げられ続けた。
「……うるさいな」
あまりにも間断なく文句ばかり言うものだから、力任せに1発
尻に平手をくれてやった。
ダルタニアンはぎゃっと小さく悲鳴をあげると、いったん言葉を止め
今度は突き刺すような視線で憎々し気に睨んでくる。
「そう怖い顔をしないで頂きたいな。
 ……死ぬ前に、気持ち良い思いをさせてあげようと思っているのに」
「……!!」
その一言でさっと血の気が引いたところを見ると、今から自分の身に
降りかかるであろう運命は理解できているようだ。
媚薬の存在を知らなかったわりには……と、少し意外な気もしたが
彼ほどの容姿であれば、そう不思議な話でもない。
何も知らない子供を蹂躙するわけではないのならば、気も楽だ。

「あまり要領を得ていないようだったから、きちんと教えてあげよう。
 さっき君が飲んだのは、まぁ、こういった行為の快楽を何倍にも
 高めてくれる薬さ。……強制的に、ね。」
見開かれた目が、信じられないという心の声を声高に代弁している。
「なるほど。そんな薬があるなんて信じられない、か。
 だが、それが嘘じゃないことは君自身が一番良くわかっているはずだ。
 身体が熱くて仕方がないだろう? それが、薬の効き始めだ」

はったりだろう、信じない。という気持ちと、だが事実として熱を持つ身体に
揺れ動く心中が手に取るように伝わってくる。
もう一押しが必要だ。

「薬の効果を信じるも信じないも君の自由だ。だが、聞く耳を持たないというのなら」
さっき使わなかった方の小ビンの中身を右手に空け、とろりとした液体を指に
馴染ませると、躊躇なく後孔にそれをねじ込む。
「……どうなっても、知らないぞ」

「やっ、やめろ! 触るな!!」
思いのほか簡単に指を飲み込んだあたり、相当念入りに“仕込み”が
行われていたらしい。これは作戦が大当たりしたかもしれない、と
思わず口端が上がる。
指を1本から2本に増やし中を解すように動かし続けると、ある部分に
触れた瞬間びくりと体が跳ね上がった。

急所を探り当てたことに気をよくして、緩やかにそこを愛撫してやると
された方はたまったものではないのだろう。ぴんと背中を張って、なんとか
快楽の波を我慢しようとしているようだが、それに追い討ちをかけないほど
こちらもお人好しではない。

「やっ……。もう、やめ……」
大分限界が近いのだろう。
変に意地など張らないほうが、辛い思いをしなくて済むものを。
今度はわざと焦らすようにポイントを外して、なお執拗に攻め続ける。
徐々にではあるが、抵抗する力が確実に弱まる中
「や…やだ、あっ…。助けて  ァ…ト 」
と、無意識に零れたのであろう言葉に思わず手を止めた。

「ア、ト、 ……三銃士のアトスのことかな?」
「呼べば助けに来てくれるくらいには、近くにいるのかい?アトスは」
「……」
「だんまり、か。それがあまり得策でないことを
 そろそろ君は理解したほうが良いな」

敏感なところに狙いを定め、多少力を入れて指の腹で擦るように刺激を
与えると、瞬く間に形の良い眉がぎりぎりとつり上がって、何秒もしない
うちに限界に達した。

いくら未経験ではないといっても、さすがにこんなマネをされたことは
ないのだろう。その屈辱、そしておそらくは快楽も想像を絶するもの
だったに違いない。
まるで魂が抜けてしまったかのように弛緩し、力なく涙を流して呆ける様は
一瞬精神が壊れたかと心配になったほどだ。
「かわいそうに。
 強情を張らなければ、ここまではしなかったものを」
「……う…るさい」
この期に及んでの減らず口に、思ったより根性もあるようで感心する。
ここでそれを発揮するのが良いことかどうかは別問題だが。

「まだ口が利けるようで安心した」
その言葉に嘘はない。
ただ目的が達成されるまで容赦するつもりもないので、
彼自身のためにも早く折れてくれるのを祈るばかりだ。
ぐったりする身体を返して仰向かせると、漆黒のマントをとめる
肩の留め金を外して一気に引きずり抜く。
まだ真新しい様子のそのマントを床に投げ捨て、さて、どうしてくれようか
と思考に入ろうとした刹那、かさ、とその場には違和感のある音がして
その出所に目をやった。
そこにあるのは床に投げ捨てたマントで、布と多少の金属から構成される
はずのそれから、紙の音がするのは何とも妙な話で。
何となく興味をそそられて衣嚢を探ると、果たして1通の手紙が出てきた。

その手紙をみた瞬間、半ば死人のようだったダルタニアンが突如として
起き上がり全身で体当たりをしてきた。…と気が付いたのは、不意を突かれた
せいでもろに頭突きを食らって床に転がった後だった。
窮鼠猫を噛むとはよく言ったものだ。完全に油断していた!

すぐさま起き上がりダルタニアンは、と見ると、何と例の手紙に噛み付いて、
いや厳密に言えばそれを“食べよう”としていた。
慌てて、手紙を取り戻そうとするが真ん中の部分はもう欠けてしまっていて。
力任せに引っ張っては被害が拡大するだけとみて、また鼻をつまんでやった。
残った部分は手中にできたが、全く、手紙を食って処分しようだなんて、
どこからそんな発想が湧いてくるのか!

邪魔をされてはかなわないと、ダルタニアンをベッドの柱に縛り付けて
手紙の中身を検める。
真ん中がなくなってしまったせいで、わかるのは彼の安否を心配する内容
だけだったが、署名が残っていたお陰でそれでも問題ないように思えた。

手紙の最後にあった署名は “ポルトス”

やはり銃士隊、……三銃士がラ・ロシェルに来ているのだ。
書かれてからそう長い期間は経過していないことがわかる
インクの色に、その距離の近いことを感じて否応なく緊張感が高まる。

三銃士といえば敵対を避けたい相手の筆頭株なのだが。仕方あるまい。
思いもかけない事態で知りたかった情報が手に入り、ダルタニアンも
これでお役御免で構わないのだが、さてどうするか。
景気づけにヤってしまうのも悪くないが……。
「ダルタニアン。知りたかった情報は全てあの手紙のなかにあった。
 もう君に用はない。が、君に飲ませた薬のことがある。
 その状態で放って置かれれば、辛い思いをすることになるだろう」

「……君が望むのならば、抱いてやるが。 どうだ?」
そう言われて、はいお願いします。などと言う人間はまずいないだろう。
ダルタニアンも怒りのあまり顔を真っ赤にして、
「冗談じゃない! 誰がお前なんかに!!」
と、視線で物が貫けるのならば即死しそうなほど、鋭く激しい眼光で
こちらを睨み付ける。
手負いの獣は厄介だ。本人がそう希望しているのだから、とっとと檻に
戻して、……処分してしまおう。

縛られて自由の利かない彼の代わりに身繕いをしてやり、部下を呼んで
一旦地下牢に入れておくよう指示をだすと、ふと、ある疑問が頭に
わいた。非常に重要な情報をもたらしてくれたあの手紙だが、何故
彼はそんな“危険”な手紙を処分もせずに持ち歩いていたのだろう。
手紙には、読んだら燃やせと書いてあったのに、だ。
処分できない、ないしはしたくない理由でもあったのか。

全ては謎のままだ。
そしてそれで構わないはずだった。どちらにせよ、明日はない命なのだから。
処刑の準備をできるだけ急がせて、確実に息の根を止めておかねばならないと思った。
数時間前までならいざ知らず、今となっては、再び相対することがあれば
彼は私の命を奪うことを躊躇しないに違いない。
そういう相手が、戦場では1番やっかいなのだ。

「何も問題ない」
何故か自分に言い聞かせるようにそうつぶやいて、手に入れた情報を最大限に
利用するべく作戦を立てる作業に没頭することにした。
それが処刑に立ち会わない理由になる気がしたから。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

お目汚し失礼しました。


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP