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君がまってる

誰得な生モノ続き。
美知ーと猟犬D (猟犬D×G前提です)

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

視線の先に見覚えのある後ろ姿をみつけた。
記憶よりも若干細くなっているけれど、ライオンのたてがみのような髪は変わっていない。
駆け足で近寄って声を掛けた。
「端元さん」
振り返ったその人は間違いではなかった。
「お、なんや。美ッ知ーやないか。元気か?」
豪快な笑顔で迎えられた。
初めて会った頃は怖そうな人だと思ったけれど、実際は気さくで面倒見のいい人で、
気軽に美ッ知ーと呼んでくれる。
弐市山さんは未だに美ッ知ーとは呼んでくれないのに。

「忙しそうやなぁ、ドラマ見てるで。ええなぁ、あの役」
「あ、はい。おかげ様で……」
何気に弐市山さんと同じ端元さんの言葉に笑ってしまった。
「端元さんにもそう言って頂けて嬉しいです」
わざと引っかかるような言葉を選んで言った。
「ん……にも?」
予想通りに端元さんはその言葉に引っかかってくれた。
勢いでしたとはいえ、相手のいる人にキスして、その相手も知ってる人っていうのは後味悪い。
何とかさらっと伝えられないかと思った。事後承諾とも言うかな。
「ええ、弐市山さんにも同じことを……」
「……タケシに、最近会ったんか」
「昨日マザーで。レコーディングに来ていただいたんです」
マザーという言葉を聞いて、端元さんの顔が一瞬固まったようだった。無理もない。
「ドラマの撮影もやって、レコーディングもかい。そら忙しいなぁ」
「撮影も毎日じゃないですから」
「あ~……。タケシ、元気そうやった?」
ちょっと聞き辛そうな顔をしている端元さんを見るのは初めてかもしれない。
「レコーディング中は順調でしたよ」
「そうか……」
安心したような顔。でも、実際に感じたことを言ったらどう思うだろう。
「でも……やっぱり複雑だったと思います」
他のスタジオでのレコーディングなら良かったかもしれない。
けれど、ドラマの撮影の合間をぬってレコーディングをしている都合もある。

「弐市山さんを苦しめるつもりはなかったんですが、どうしてもあの曲は弐市山さんがよかったんです。
実際に凄く良かったんですよ」
「美ッ知ーが気にすることやないで。あれは俺らの問題なんや。それにタケシが気にし過ぎてるんや」
困ったもんやと笑って言うけれど、そんなところも好きなんだってことがよくわかる。
「ずっと弐市山さんが笑ってくれないんで、驚かそうとキスしたんですけど……。失敗しちゃいました」
「キスしたあ?」
「はい。でもオトコからのキスは端元さんで慣れてるから驚かないって言われて」
「そんなこともしたなぁ」
「それから笑ってくれたんですよ、弐市山さん。猟犬の思い出話で……」
「……そうか」
「はい」
「ありがとな。美ッ知ー」
そう言って端元さんは頭を撫でてくれた。何がどうありがとうなのか分からないけれど。
「ところで」
頭を撫でていた手は、急にがっしりと頭蓋骨を掴んだ。
「タケシとキスしてから、他の誰かとキスしたか?」
「え? してませんけど……」
質問の意味が分からない。
「そんならタケシとキスしてた時間はどれくらいや? あと、唇だけか?」
顔を近づけて、立て続けに質問をする端元さんは昔のイメージの怖いお兄さんになっていた。
「えっと……そんなに長くはしてません。あと……舌はちょこっと入れました……」
目は合わせないで、正直に話した。
「美ッ知ーが手を出すと思わんかったから忠告せんかったけどな。俺の許可なくタケシに手を出すんやないで」
そう言うと端元さんの手は頭の上から顎へと滑り下りてきた。

これもデジャヴュというのかな?
昨日自分が弐市山さんにしたように、端元さんにキスされていた。何で?
「これが他の男やったら、ボコボコにしたるとこやけどなぁ。美ッ知ーはドラマあるしな」
だからってキスするか~普通? ってそう言えばこの人はキス魔だった。弐市山さん限定なはずだけど。
……っていうか。
「予め許可を得たらキスしてもいいんですかっ?」
ドラマの缶戸よろしく手を挙げて聞いてみた。
「タケシを傷付ける心配のない奴なら……」
「キス以上も?」
「それはあいつ自身が許さへんから」
そう言って端元さんはにやりと笑う。よほどの自信があるのか信頼しきっているのか。

「そんなに大事な人なのに、なんで一緒にやらないんですか?」
「元々目指す方向は違ってたからなぁ……」
確かに。弐市山さんは猟犬に居たころから、自分のやりたい音楽とは違うと公言していた。
そして猟犬のファンもいつか脱退してしまうだろうと心配していたらしい。だけど実際は違った。
詳しい内情は知らないけれど、マザーをやめてまで猟犬についていった。
「俺もタケシも、俺らが戻る場所は猟犬やと思ってるから」
胸がちくりと痛む。戻りたいのに戻れない。今を一緒にやってもそれは別のもの。
「僕も、また皆さんが一緒にやってるところ見たいです」
「見るだけでええんか?」
「ゲストに呼んでもらえます? そしたら正装で行きますよ、また」
「タケシが大じじいになる前にまたマザーの王子共演を果たさないとなあ」
端元さんにとっての王子は弐市山さんで、それが永遠に変わらないことは周知の事実だ。
初めて会った時にもそう宣言されているし。一応僕も王子って認めてくれてるのかな。

「では……」と会釈をして端元さんに別れを告げて、お互いに自分の目的地へと向かい歩き出した。
2・3歩進んだところで、ふと足を止めた。
……昨日、弐市山さんとキスをして。今日、端元さんとキスをした。弐市山さんと端元さんは…………。
「うぅん……。 これってどんなプレイなの?」
僕を介しての関節キスってやつ?
「人のモノを奪うシュミはないけど、最初から相手にされてないのも悔しいなぁ」
ひとりごちて、僕はまた歩き始めた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

熟年カポの間接キッスプレイの間接にしちゃってごめんね、美知ー
長年萌えていたカポをこんな形で書くことになるとは思わなかったYO!

Gにキスしたのがバレて、Dにキスされる美知ーを妄想しかけて会う機会ないなと
諦めたのに、レコーディング翌日にDに偶然会っていたと知った……美知ー恐ろしい子w


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