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トロピカーナ100%ジュースのサイト ティム×アラン

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ト口ピ力─ナ100%果物汁のシェフ ぶどう×りんご de ほのぼの

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

いつものように赤い表紙の本を手にして、寝室を出てリビングキッチンに向かう。
リビングからは弾んだ息遣いと、カウントの声が聞こえた。どうやら今日も彼の方が早起きだったらしい。
「998……999……1000」
キリのいいカウントを待ってやって、リビングへと入る。
頭に手を置いたスクワットの体勢から振り返って、私の顔を見るなり暑苦しいイギリス英語でこう言った。
「なんだ! そんなスイートな寝癖、見たことねーよ」
そんな馬鹿な。ちゃんと直してきたはず。
思わず頭を撫で付けた。そして眼鏡のブリッジを指で押し上げる。
そもそも、朝一番に人の顔を見てたらおはようぐらい言えないのかね。
「ボンジュール」
あくまでも冷静に。ペースを乱されては堪らない。
「俺をドキドキさせてどうするつもりだ?」
……ドキドキしているのなら、それはスクワットのせいじゃないのかい。
私は少し笑った。笑ったというよりは小さく息を吐いたようなものだ。
彼は私のそんな態度を意に介さない様子で、朝食を作ってくれると言う。
「『つぶつぶスイートコーンとチーズのパンケーキ』だぜ」
得意げに指を立ててはいるが。
「前回作ってくれたのは何だったかな……」
「前回?『ツナとオニオンのパンケーキ』?」
「ああ、そうだったね」
「パンケーキは嫌いかい?」
「嫌いではないよ。この間のも美味しかったとも」
そう、イギリス人の料理に期待はしちゃいないよ。
彼は腕捲りをしてキッチンに立つ。
では私はソファに座って、本の続きでも読んで、優雅に待たせて貰おうか。
ああ、またフォークで混ぜたりして……私には随分とがさつに見えるが、彼はそれが普通のようだ。
彼がそれでいいなら、特に注意する事もあるまい。

春のやわらかな朝日の中でページを進めていくと、やがてバターのいい香りがしてきた。
そしてチーズの溶ける香りとソーセージの焼ける香り。急に空腹を意識させられる。
キッチンに目を向けると、鼻歌まじりに皿にピクルスを乗せている。
そろそろ出来上がるようだ。私は本を閉じた。
「できたぞ」
テーブルのセッティングは私も手伝おう。
そしていつものト口ピカ─ナ100%ジュース。彼はグレープ。私にはアップル。
彼は自分でなみなみと注いで飲んだ。喉が渇いていたらしい。
パンケーキをナイフとフォークで切り分けて、「うまそう」と彼は自分で言い、口に運んで満足そうに頷いて「コーンとチーズのスイートなサプライズ」などと得意げだ。
では、私も戴こう。
パンケーキにナイフを入れると溶けたチーズとスイートコーンがとろりと溢れて、私の食欲をそそった。
ふん。確かに美味しい。これはサプライズかもしれないな。
そう伝えて彼が嬉しそうにはにかむのを見て、私はアップルジュールを一口飲んだ。
「ねえ。今、君にキスしたらリンゴの味がするんだろうな」
……っ。
思わず噴きそうになる。優雅な朝になんて似合わない。
ずれてはいないが眼鏡のブリッジを指で押し上げて、彼の顔を見返す。
目が合うと、うっとりと笑みを浮かべてウインクまでしてくる……。
「ねえ、君。フランス人を口説きたいなら、もうちょっと凝った台詞を考えたらどうかな」
「ストレートな表現は嫌いかい?」
「……実は、そう嫌いではない」
重なった彼の唇は、甘いグレープの香りがした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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