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幕間/儀式

ピンポン ドラチャイ 風間単品 連投申し訳ない
GJレス下さった方ありがとう 映画版も燃えて萌えるのでぜひ。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

寮の窓に掛かっているカーテンを開けると、薄暗い明け方の空が見えた。

道具を持って洗面所に入る。

まだ誰も起きてくる気配がない。週番が起きてくるのさえ、もう少し後だ。

毎朝の儀式。無人の洗面所で身支度をする。

鏡を見る。

夜を経て、朧げに存在を主張する眉と頭髪。

見慣れた、見慣れぬ貌。

石鹸を泡立て、顔と頭に塗る。

髭を剃る。

頭髪を剃る。

眉を剃るのは一番最後だ。

剃刀の刃を換えて、眉を剃る。

熱い湯で搾ったタオルで顔と頭部を拭く。

再び、見慣れた見慣れぬ貌が顕れる。

眉を剃るのは、鎧を纏うのと同じだ。

海王の卓球部員の中で、眉を剃るのは唯一彼だけである。

相貌の中の、有るべきパーツを削ぎ落とすことで、彼は異形のものへと変貌を遂げる。

竜という異形。

この世のものではない、架空の生き物。

戦うということ、勝利を掴むということ、それは総て等しく孤独との闘いだ。

その孤独と闘うために、彼は眉を剃る。

儀式を終え、部屋へと戻る。

風間竜一の一日が、また、始まる。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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