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夏の鈍色

生というかシャウギというか、本家板の定番コピペ

「おまえら、もし地球に将/棋/星/人が攻めてきて、向こうの大将と
地球代表が将/棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされる
という事態になったら、地球代表は絶対羽○でないとイヤだろ?
深○でもいいのか?深○に地球の命運を託せるのか?
羽○をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ」→いや、ひょっとして将/棋/星/人って羽○じゃね?

のネタで律儀先生と恋愛流。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
|>PLAY ピッ ◇⊂(・A⊂ ギンガノレキシガマタ1ページ・・・

鳥の声で目が覚めた。まだ夜明け前だ。隣の彼を起こさないように部屋を出て、日課の水垢離を済ませる。
二人きりの合宿は、今日この日の彼のための調整が目的であり、生活のリズムも彼が中心となる。
白米が炊けた頃を見計らって、彼を起こしにいく。
「おはようございます。玉子と納豆、両方ありますがどちらにしますか」
「ありがとうございます。両方いただきます」
私の朝の日課が水垢離なら、彼のそれは朝食後の二度寝だ。
朝食を終えた彼はとろとろと眠りに入り、私は時間までそれを見守ることにした。眼鏡を拭く。

怒涛のような真夏の悪夢のなかの、これはつかのまの静寂だった。

地球は現在、外宇宙からの侵略を受けている。将/棋/星/人が攻めてきたのだ。
「ていうかあれ、HUBじゃね? 触角つけたHUBじゃね?」
「寝癖じゃなくて触角だったのか」
「凹座のHUBだけは人外という噂を、真剣に検討しなかったのが我々の敗着」
「カナダの首都↓」
「人類オワタ\(^o^)/」

人類代表を決めるための全キシ参加棋戦を催す時間的金銭的余裕も無く、実績と相性を考慮したうえで吟味した結果
季節は春でも冬でもなく夏だったので、人類代表の白羽の矢は彼に立った。
運命の日に向けた最後の調整の相手に、彼は兄弟子である私を選んでくれた。
二人で盤を挟んで検討を重ね、精根尽きると枕を並べて眠りにつく。その繰り返し。
かつて私と彼が、20歳であり14歳だった頃のように。

その昔、韜晦の鬼と恐れられた真剣師が居た。
その実力と人気の高さで異例のプロ編入が認められた彼は、大銘人O山にどうしても勝てず幾たびも苦渋を舐める。
彼は一人の若き弟子に雪辱を託した。手づから正統派の指し回しを教え
自らの奔放な攻めをぶつけてその子供を繊細で堅実な受けに育て上げた。

それが私だ。

打倒O山を果たした私は栄光を掴むはずだった。しかし、私はHUBという天敵に出会ってしまう。
幾度と無く決勝にだけは進むものの無冠の私をひとはシルバーコレクターと呼んだ。
私は師匠が死の直前に取った弟子の一人の面倒を見ることになった。
かつて師匠がしたように私は弟弟子に自らのキ風をぶつけ、彼は鈍く執拗な攻めキ風に育つ。
私の苦闘、悲痛、醜態の側に常に居たその子は、次第にHUBに執着するようになった。魅入られた、といってもいい。
HUBを付け狙い、研究し、終にはタイトルをもぎ取ることに成功した。

それが彼だ。

その過程で、彼も少しづつ歪んでいった。
一人の相手に研究を絞り込み、没頭する彼のやり方は、キシの命ともいえる准尉戦リーグでは裏目に出た。
対個人の相性に振り回され、勝ち星を揃えられず、クラスの間を流離いつづける。
度重なる不運に耐えるため、彼は闘志はそのままに感情だけを鈍らせていった。
「HUBさんは特別なんかじゃない。特別かもしれないけれど、僕は鈍くてそれが解らない」
そういいながら、HUBのいない棋戦でもHUBのことばかり語り続ける。
空っぽの目で、柔らかいけれど抑揚のない声で。そして盤上で何度もHUBを追い詰め犯した。

時間が来たので起こそうと思いそっと触れると、彼は既に静かに目覚めていた。
「HUBさんは神様でも化物でもない、唯の人間だということを、僕は勝って皆に教えてやるんだ」
呪文のように呟きながら、彼の背中は微かに震えていた。
背負った責任の重さに慄いているのではない。HUBが人間ではない可能性を、彼はただ悲しんでいるのだ。
それでも、私は。
(何度も遊んだ。旅行にも行った。でも同じ人間だと思ったことなんてただの一度もなかったよ)

決戦の地は、センダガヤ。いつものあの建物だ。
ああ、人類の命運をかけた一戦だというのに東京ドームひとつ用意できないとは、
世界不況もここに極まったか・・・と私は心中で嘆き眼鏡を拭いた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
大本営に負けず劣らずのgdgdかつ早投げですみません。

※以下、変化手順※
「対局室に現れたのは・・・ちがう、HUBじゃない!F井だ!F井だぞ!!」
「何てことだ・・・F井も将/棋/星/人だったなんて・・・」
「人類・・・始まったな!!」
「いやまて、防衛者は付加裏だ・・・付加裏にF井は、まずい!」
「誰か、お客様のなかに終盤を間違えない方はいらっしゃいませんかー!?」

俄矢倉党を叩きのめすのは、熟練した矢倉の専門家であるべきだ。呼吸を整え私が名乗りを挙げようとした
ちょうどそのとき、その場に異様な雰囲気を撒き散らしつつ、半泣きで乱入してきた男が居た。
「四間飛車は死んでいない! 私が貴方に勝ってそれを教えてやる!!」
まさにその瞬間まで(半ば意識的に)存在を忘れていた、それは私のもう一人の弟弟子だった。
※まで、人類劣勢※

  • 涙が止まらないんですが。いったいどうしたら。 -- 2017-07-18 (火) 23:04:36

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