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きっかけ

1乙!

一角獣の唄鍵盤。鍵盤視点。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

感覚が消えない。ただ、後ろからギター弾くの手伝ってもらっただけなのに、身体が熱くなってる。
「……なんでだよ」
その場ではなくて、後でこんな風になってる自分にツッコミを入れた。
「ちくしょう……」
今まで意識しないようにしてきたのが、悪い方向に出て悔しい。感触を思い出して、身体がまた熱くなる。
「……好きなのかなあ」
一度言葉にしてしまえば、気持ちは簡単にふくらんだ。
「……好きなんだよね、きっと」
ため息と一緒に呟きももれる。友達、親友……この先には、富士山よりも、エベレストよりも高い壁が待ってる。それでも、抑えられない気持ち。
「片思い……かあ」
辛いなあ、呟いた自分の言葉に身体が震える。辛いって解ってるのに……言えない。
迷惑だよなあ……男に好きだって言われたって。
今、買い物に出てるけど、戻ってきたらどんな顔したらいいんだろう。
「あー、もう悩むの止めよう」
パチパチと軽く頬を叩いて別の部屋の鏡の前に立つ。
「こんな顔、見せたら駄目だ、笑え」

困って眉が下がった情けない顔から笑顔を作る。後ろから突然声がかかった。
「なに、百面相やってるんだよ」
鏡の中には酒を手に下げた彼が立っている。
「い、いや、別に」
振り返ると彼は笑う。俺の名前を呼んで、どうした?と心配そうな顔。
「具合悪いのか?」
「違うよ、酒買ってきてくれた?」
「おう」
聞いてくれよーと言いながら彼はソファーに座る。
「ファンにバレかけてさ、大変だった」
「うわ、災難だったな、次は俺行くよ」
「行かなくてもいいから、何かご褒美くれ」
彼の言葉に、はいはいとあいずちをうちながら酒を飲み始める。お互いが持ってるのが最後の一缶になったところで、彼がまた言いはじめた。
「なー、ご褒美くれって」
「えー?何が欲しいの?」
彼の顔が真剣なのに気付いて、俺も真剣な表情に変わる。彼はテーブルを迂回して俺の隣に来た。座り込んで、二、三回深呼吸している。
「……何でもいいのか」
搾り出すような声に俺は頷く。

そこからは早かった。あっという間に腕の中に抱きすくめられて、キスされる。舌が唇を割って入ってきた。……タバコと酒の混じった味。
「っ……ふ……ん」
彼の唇が離れる。
「ご褒美……もらったから」
笑顔で言われて、俺もなんとか笑顔を作る。……これだけでいいの?……言いそうになった言葉を飲み込む。
「なん……で」
彼はニコリと笑って言い放った。
「興味あったから……嘘だって」
俺をもう一度抱きしめて耳元で囁く。
「……いつの間にか、好きになってたから」
気持ち悪がられても……と言い続ける彼の唇を塞いだ。唇が離れると彼は驚いた声で俺の名前を呼ぶ。
「俺も好きだよ」
それに被せるようにはっきり伝えた。彼が俺を抱きしめる力が少し強くなる。
「「……なんだ、両思いだったんだ」」
言葉がほぼずれもなく重なった。目を見合わせて笑いあう。新たな関係は恋人。今までと違うところはただ一つ、お互いが好きだって事。
「これからもよろしくね」
「おう」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あえて名前出さないで書いてみた
久々に萌えの原点見返したら、ふと浮かんだんだ…
オチがきちんとついて無くてスマソ


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