追憶と始まり
更新日: 2012-04-23 (月) 19:24:04
携帯獣のジョウトチャンピオンとトキワのボス
捏造たっぷりの設定です
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
鬱蒼と生い茂る木々に囲まれ、葉と葉の間の僅かな隙間から洩れるだけの光に包まれた森。
緩やかな風が葉を揺らす音以外には何も響かない。
スーツを纏った男は気配を感じ取り足音を潜め慎重に辺りを見回すと、視界の端に赤髪の少年が映った。
少年は顔を膝に埋め隠すように腕で覆い、隣にはミニリュウが身を寄せていた。
男はペルシアンに目で合図を送り足を止めると、手にしていた写真と少年を何度か見比べてからポケットに丁寧に仕舞い込んだ。
「ワタル。帰ろう」
「……誰」
「君を探すようご両親から頼まれた者だ。君のお母さんとは面識があるから適任だと思われたのだろう。もう時間がないそうだ」
ワタルは握っていた拳を固く握りなおした。
「フスベにはもう帰らない。僕は此処で生きる」
「私はこの森の恐ろしさを誰よりも知っている。君とそのミニリュウだけでは森に居続けることは不可能だと断言できる」
「……」
男は辛抱強く沈黙が終わるのを待ったがワタルが折れる様子がないことが分かると口調を和らげた。
「よかったらそこまで嫌がる理由を教えてくれないか」
ワタルは漸く顔を上げちらりと横目で男を見、男の他に誰もいないのを素早く確認した。
それでも迷う素振りを見せ口を開きかけては閉じるのを繰り返したが、いつまでも男が離れようとしないのに耐えかね重い口を開いた。
「……今、フスベでは次のジムリーダーを決める為に騒動が起きているんだ。ジムリーダー様は候補として僕とイブキの名前を上げた」
「でも本当はイブキがなるはずだったんだ。村は二つに分かれた。僕達の気持ちなんかそっちのけで僕とイブキのどちらがジムリーダーに相応しいか、いつも喧嘩するんだ。僕もイブキも、そんなことしてほしくないのに」
吐き捨てると勢いが治まらないまま、顔を覗き込むミニリュウを睨んだ。
「ポケモンなんか嫌いだ。僕達を苦しめるだけだもの。……大きらいだ」
「心にも思っていないことを言うものではない。ポケモンは主人の感情に敏感だ。ミニリュウを見れば君を信頼しきっていることが一目で分かる。」
ワタルは目を大きく見開いた。
「ミニリュウが、僕を……?」
擦り寄るミニリュウに暫く黙り込むと申し訳なさそうにおずおずと抱きしめ、小さな声でごめん、と呟いた。
ペルシアンは場を和ませるように一声鳴き、ワタルの足元に腰を下ろすと顔を寄せ頬を舐めた。
「ポケモンが君の心を傷つけることはあるかもしれない。だがこうして癒すこともある。意地を張っているだけで本当は分かっているのだろう?」
ワタルは黙ったまま男に真っ直ぐ視線を向けた。
「村の争いごとが嫌ならば頂点を目指したらどうだ。ジムリーダーさえも越した誇り高き場所。もちろん後継者の争いは丸く収まるし君の嫌う束縛はない。そこにあるのは光だけだ」
言い終えるなり背を向け森の入口へと歩き出した男にワタルは慌てて続く。
言わなければならないことが多くある気がするのに言葉にならない。
ワタルはもどかしく思いながら唇を噛んだ。
「おじさん、名前は」
気付いたら言葉にしようとしていた想いのどれでもないものを口にしていた。
男は静かに立ち止まると振り返らずに口端を僅かに上げて笑った。
「君がジムに挑戦してきた時、教えてあげよう」
「次のニュースです。連日の報道でロケット団のニュースは皆さんご存じだと思いますが、壊滅させた人物について知っている方は少ないのでは?写真をご用意致しました。マサラのレッドさんです。」
「こんなに若いトレーナーが立ち向かったとは驚きですね。しかしまさかロケット団のトップがトキワのジムリーダー、サカキとは困ったものです。このようなことが二度と起こらないようにしなくてはなりませんね」
「本当ですね。さて、次のニュースは……」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
携帯からの為、見づらかったらごめんなさい…
- N -- 2012-04-23 (月) 19:24:02
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