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鳥籠の幻

元ネタはありますが、作品が作品なので伏せさせていただきます。
原作設定で三角関係、描写はぬるいですがやってる最中の話なので注意です。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

なにを食べても太らないと言っていたその身体は本当に細くて、薄い胸に掌を置けば、そのまま心臓を握り潰せそうな気すらした。
肉よりも骨の感触の強いその胸には翼の刺青が左右対に彫られていて、両腕にも同じそれが広がっている。色素の薄い髪がシーツに散らばり、骨張った長い手足は投げ出されている。飛ぶ術を無くした鳥を手飼いにした気分だった。
繋げた腰を揺らしてやれば、薄い唇からかすれた声が漏れる。声量もなく、嬌声というには苦しげな喘ぎ。
声を出さないセックスなんて興醒めだと普段は思うが、俺はこの男の耐える様がひどく好きだった。眉根を寄せて俺の動きに堪え、肉のない体に汗を滲ませて胸を上下させている。

鳥のように喉仏の尖った首を見る。
こちとら伊達に身体は鍛えていないし、両手をかけて力を込めれば、すぐに手折れそうだ。けれど、そんなことはしない。そんなことがしたい訳ではないのだ。

「…なあ、写真撮らせろ」

「、は!?ちょ、止め…っ!」

男が声をあげるよりも前に、俺は携帯を手にしていた。派手なシャッター音が空間を切り取る。広げた掌はカメラを防げず、乱れた上半身がきちんと画面に収められていた。

「…あんた、本当に悪趣味…」

「…は、お互い様だろ」

そう切り返すと、察しのいい男は顔を歪めた。どうして。どうしてどうして。その言葉を何回繰り返したか分からない。
なんであんな被虐趣味のペシミスト野郎なんかをこいつは好きで、俺は駄目なんだろう。
こんな風に、暴力の延長みたいなセックスまで強いるから?けれどそれはお前が俺を見ないからであって、それじゃあ俺はどうすればいいんだろう。
こんな風にシーツの上で所有者気分になれるのも、いまこのときだけだ。

(やはり、脚の1本でも折ってしまえば、)

ふと、脳裏に暴力的な考えがよぎる。
そんな思想はいつものことだし(実際俺はよく男に拳を振るう)、いまこの状況だって、男にとっては暴力となんら変わらないのだろう。
ああでも、やっぱり違う。お前が好きだ。俺のものに、俺だけのものにしたい程に。けれど、壊したい訳じゃない。どんなに身体を傷付けても、それだけは出来ない。それはやさしさというより、きっと臆病者の表れなんだろう。口元に自嘲の笑みが浮かぶ。

「写真だけじゃ足りん。次はムービーな」

「っ、な、…っ!」

呆れて開いたままの口から抗議が吐かれる前に、俺は腰の動きを再開させた。
荒い呼吸とかすれた声の合間に、最後の抵抗じみた舌打ちが聴こえる。その悔しげな表情も、俺はしっかりと携帯に収める。
なあ、許せよ。お前を手に入れたと錯覚出来る時間を、俺はここに閉じ込めるのだ。
画面越しに男を見つめながら、俺はいま繋がっている熱を感覚に刻みつけようと躍起になるのだった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

関係自体もそうなんですが、とある1コマに萌え過ぎた末の乱文でした…。


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