キスのその後
更新日: 2011-04-25 (月) 15:22:02
お借りします。
本スレのここ数レスから受信しました。
ルク/ス・ペ/インで劉アツです。
|〉PLAY ピッ ◇⊂(・∀・) ジサクジエンガ オオクリシマース!
どうしてこいつは俺が同じ部屋に居るのに平気な顔で眠ったり着替えたり、
あまつさえ風呂上がりにTシャツと短パンだけなんて姿でうろちょろしたりするのか。
誰にでもそうだと言うなら腹立たしい。だが俺だけがそれくらい安全な相手だと
思われているというのもまたしゃくにさわる。人の気も知らないで。
しかも、先週キス……してしまったというのに全く態度が変わらないのは何故なんだ。
気にもしていないのか、それとも眠すぎたから覚えていないとでもいうのだろうか。
いや……別に何かしようとか考えていたわけじゃないぞ。あいつが眠そうな顔で
おやすみなんて言いながらもたれかかってくるから……つい…だな、……。
まあその時はそのまますぐに眠ってしまったしいつもは寝顔にしかしないから……
……ち、違うぞ!別にいつも勝手にしてるわけじゃない!ほんの数回だ数回!
大体だ、所長が経費を削って仕事の度に俺達を同室にするのが悪い。
今日も薄着で、シャワーを浴びたばかりの髪はまだ僅かに水気を残していた。
その格好のまま俺のすぐ隣に座る。
「どうした?」
いつもの無表情でじっと俺を見上げてくる。そのまま何故か距離を詰めてきた。
「アツキ?」
押し退けるのは簡単だ。だが一体どうしたというのだろうか。
とりあえず見ていると、アツキは俺の膝を跨いでそのまま座り込んでしまった。
「こら、本が読めない。寝呆けるならベッドに入れ」
「眠くない」
アツキは俺の左手を取ると手の甲を自分の唇に押し当てた。そのまま動かない
何がしたいのか、というかいい加減密着し過ぎだ。
俺が……このままだとまずい。……色々と。
「おい、一体何なんだ?」
「どうしよう。これでダメならどうすればいいのかわからない」
「何の話だ?」
表情はやはり殆ど変わらないがどうやら困っているようだ。
「リュウ・イーはオレが起きていたら嫌なのか?」
いきなり何を言いだすんだ。
「何故そう思った?」
「……寝ている時とか、その、寝たふりをしている時にしか……キス、しないから
……それにリュウ・イーが何でするのかもオレにはわからなくて」
寝たふり、だと?
「それなら起きている時に自分からしてみたらどうだって言われて……
ごめんなさい。やっぱり嫌なんだな。何だか顔が恐くなっている」
いや違う!違うぞ!
「誰にそんなアドバイスをされたんだ?」
「桐生」
あの小僧!またアツキに余計なちょっかいを……。
しかしアツキはちゃんと理解しているのか?今わからないと言ったし……。
試してみるか。
「……だったらちゃんとしてみろ」
「え?な、何をだ?」
「キス。してくれるんだろう?」
「ちゃんと?……どうやって……したら、いいんだ……?」
「俺がしたのと同じ場所に。出来ないならやめてもいいんだぞ」
というかやめるなら早くしろ。俺はもう限界だ。
こら、そんなにくっつくと当たるだろ。まずいんだ本当に、冗談で済まなくなる。
「わかった」
そうかわかったか、ならばさっさとどけ……………………………何だと?
「アツキ、寝ていなくても目は閉じるものだぞ」
目を開けたまま普段とまったく変わらない態度で唇に触れるだけのキスをされた。
しかし俺の手を握ったままの手も、乗ってくる脚も強ばっていて
アツキがかなり緊張しているのが伝わってきた。
「ああ、じゃあ次は閉じるから……」
「もういい」
今度は俺のほうから口づけて抱きしめた。
「寝る前のキスって、何だか家族を思い出して嬉しかったんだ」
事を終えた後にそんな言葉を聞かされて俺は凍りついた。
そんな微笑ましさとは無縁の行為にアツキは後悔していないだろうか。
だがそれは杞憂だったようだ。
「だから、もう一度してくれないだろうか」
疲れて眠たげな瞼と唇と額に何度目かのキスをして、
それから俺達はようやく眠りについた。
□STOP ピッ ◇⊂(・∀・) イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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