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嫉妬眼鏡

レスお借りします。
夏戦争でカズケン←佐久間
初めてなので至らない点多いかもしれませんが、よろしくお願いします。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

夏休みも残すところあと10日。健二が東京に帰ってきた。
「疲れてるだろうけど、バイトちょっと詰まってるんだ。フォローしに来いよな。」
そう佐久間から電話をもらった健二は家に荷物を置いて物理部の部室に向かっていた。
「まだあっついなー。」
8月も終わりだというのに学校の廊下は蒸し暑い。部室に辿りつくと健二はがらりとドアを開けて定位置にどかっと座り込み、手でぱたぱたと扇いだ。
「よう。人気者。」
画面に目を向けたまま佐久間が茶化してきた。健二がこの夏にやったことについて言ってるのだろう。
「何だよ人気者って。別にそんなんじゃないよ。」
「どうかな?あれ以来キングカズマと行動をともにするぶさカワリスに嫉妬のコメントが絶えないみたいだけど?」
ニヤニヤしながらログインをしている健二の顔をぐっと覗き込む。
「別に佐久間に関係じゃないじゃん。」
健二はそう言ってそっけなく佐久間の顔を押しのけた。

「何だよ。冷たいの。」
内心は大分ムッとしたが、こらえた。
実は佐久間はずっと健二が好きだった。だからOZ内で佳主馬と一緒にいるのも気に食わないし、よく連絡を取り合ってるのも正直むかついた。
(刺客登場、か・・・)
健二の隣は自分のものだと思っていたから、佳主馬の登場は予想外だった。
自分が隣にいないときに、あっさりと健二の隣を奪われてしまった。
(まあ、当のご本人は無自覚なんだろうけどな。)
「でさ、バイトだけど。」
「うん。」
「お前のアバター仮だから何にもできないんだった。」
「はあ?!」
健二がガバっと振り返った。
「何だよー。早く気づいてよそういうの。」
せっかく暑い中チャリ飛ばしてきたのにー・・・といいながら机に突っ伏す。
そんな健二の背中を見ながら気づかれないように笑う。バイトが詰まってる、なんていうのは口実でただ健二と同じ空間に居たかっただけなのだ。
「ま、せっかく来ちゃったんだし外が涼しくなるまでここに居れば?」
「・・・ん。そうする。あ、メール。」
「誰?」
「佳主馬くんだ。えっと、『パーツ見たいからついて来て。いつものとこ。』って。」
(またか)
「ふーん。どうぞ。」
佐久間が不機嫌そうに椅子をくるりと回して画面に向かうのに、健二は気づかなかった。

それからはしばらく無言で、キーボードを叩く音とマウスをカチカチとさせる音しかなかった。
作業の手を休めてちらりと横を盗み見ると、健二はキングカズマもとい佳主馬と楽しそうにチャットしながらOZ内のショップを回ってる。
(なんか、ムカつく)
そっと音を立てないように席を立ち、健二の後ろに立つ。
「あれ、佐久間どうしたの?」
「ん。なんでもない。」
「ふーん・・・。」
そう言って佳主馬との会話に戻ろうとする健二の動きを後ろから抱きすくめるようにして封じる。
「あ、え、ちょちょちょちょちょっと・・・!佐久間?」
「何?」
「えっと・・・なんていうか・・・その・・・・・・・これ。」
「何?」
「・・・具合でも、悪い?」
「・・・・・・。」
はあ、と体勢はそのままにがっくりとうなだれる。
(マジかよ・・・こりゃないぜ・・・。)
「ちょっと佐久間!?マジで大丈夫?」
黙り込む佐久間を心配して振り向きたいのか、必死に体をよじろうとする。

そんな健二をよそにふと画面を見ると。いきなり動かなくなった健二を心配した佳主馬のメッセージの吹き出しが何個も表示されていた。
(いいこと思いついた)
「よいしょっと。」
健二を抱きしめたまま自分の椅子に座る。健二は引きずられて佐久間の膝の上に座る形になる。
片手で慌てふためく健二の体をがっちりとホールドしたまま、パソコンを操作して佳主馬たちがいるところへ行った。
『やあ佳主馬くん。健二と買い物?』
『どうも。そんなところです。でもあの、健二さんなんだか止まっちゃったみたいで。』
『そっか。あのさ佳主馬くん。ちょっと伝えたいことがあるんだけど。』
『?』
『健二の一番近くに居るの俺だってこと、忘れないでね。健二の隣は俺のものだから。』
『!!!!!!!!!!!!!』
『じゃ、それだけだから。買い物楽しんでね。』
これだけ言うと返事を待たずに佐久間はさっさとログアウトしてしまった。
『俺のもの宣言』の一部始終を見ていた健二はおそるおそる佐久間に尋ねた。
「あの佐久間これはどういう・・・?」
やっとこうしている意味がわかったのか、心なしか健二の耳が赤くなってるのが見えた。
「こういうことなんだけどなー。」

ぐいっと健二の顔の向きを変え、キスをする。触れるだけではなく、深く舌を絡めて。
「ん・・・!んんん・・・!」
何度も向きを変えているうちに、本当に苦しくなってきたのか佐久間の胸をどんどんと叩いてきたので佐久間は健二を離した。
飲み込みきれなかった唾液が健二の口の端を伝うが、酸欠でそれどころではないのか肩で息をしている。
佐久間はそれを拭ってやると、茹でダコのように真っ赤になった健二を見て声を出さずに笑った。
「な、こういうこと。」
「なななななななななななななな・・・!」
佐久間を押しのけて立ち上がるとあわてて自分の椅子に座りなおして、佳主馬に
『ごめん急ぎの用事ができた!!』
『えっ、ちょ、健二さん?!』
『ごめんパーツ選びはまた今度付き合ってあげるから!』
そういい残してOZからログアウトしてウインドウを閉じた。

「じゃじゃじゃじゃじゃじゃあ、僕、帰る!!英語の宿題まだ終わってないから!」
「おい、ちょっと待てよ!」
「待たない!」
そう有無を言わせない勢いで走り去って行った。
「行っちゃったか・・・」
佐久間はため息をつくと伸びをした。
(でも、今日はこれで満足かな。続きはまた今度でいいか。)

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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