最終幻想4カイエジ
更新日: 2011-04-25 (月) 15:16:14
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└──────│>>1乙です!最終幻想4でカイエジだよ!
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「恨んでいるんだろう?俺のことを」
やや見上げた先にあったのは、孤独に囚われた青い瞳だった。
なんて、月が似合う男なんだろう。金の髪が、揺れていた。
静まりかえった夜の街の中、彼の周囲だけが色づいているように見えた。
「……おめえは操られてたんだ。だから恨んでねえよ」
それは、嘘だった。カインへ向けた鬱々とした思いで、眠れぬ夜もあったからだ。
逆恨みだとは分かっていた。けれど、暗くなっていく心を止められなかった。
「見え透いた嘘を」
カインが、唇の端を上げる。
そんな暗い感情を止めたのは、カインの、切なげな青い瞳だった。
「……俺は、お前の国を落とすことに加担した。恨まないほうがおかしい」
「恨んでねえって言ってんだろうが」
「どうだかな」
ひゅっ、という音と共に、カインが跳んだ。太い木の枝に飛び乗り、手招きをする。
「これくらいの高さ、何てことないだろう?……王子様」
煽るような言葉とは裏腹に、とても静かな声だった。
忍者であるエッジの跳躍は鮮やかだった。足音一つたてず、彼は俺の傍にやってきた。
王子様――エッジは、面白くなさそうな顔をしていた。
「その、王子様って言うのはやめろ」
ちら、と緑色の瞳をこちらに遣りながら呟いた。
まじまじと見つめれば見つめるほど、エッジの体は細かった。
胸板が薄い。首も、そして腕も細い。自分達騎士のものとは違う筋肉は、まるで野生の獣のようだ。
俊敏さに特化した体は、俺の中にある何かを呼び覚ます。
この感覚の正体はなんなのかと自分に問うたけれど、答えは見つからなかった。
「おめえは馬鹿真面目過ぎるんだ。そんなんだから、操られちまうんだよ。俺みたいに、気楽に生きようぜ」
他の人間が言うと胸に突き刺さるであろうその台詞も、彼が言う、それだけで優しい言葉になる。
俺は、彼が気楽に生きているとは思わない。ただ彼は、気楽に生きているフリをするのが上手いのだ。
「だって、笑っているほうが楽しいだろ?」
口元に巻かれた布で、唇の動きは分からない。それを補うほどの満面の笑みで、彼はにいっと笑う。
エッジの国を滅ぼしたのは、他でもないこの俺なのだ。巨人を復活させることにも、加担した。
『操られていたから』。そんな言葉で赦されるはずがない。
黙っている俺を見て、エッジは刀を取り出した。抜き身にされた刀身が、ちらと光る。
「……確かに、色々思うところはあるさ。親父とお袋は死んじまったし、国の民達も犠牲になった。
これっぽっちも恨んでねえって言ったら……嘘になる」
しばらくの沈黙の後、「でもよ」と言って、エッジは俺の首に刀の刃を押し当てた。
ひんやりとした感触に、俺は身動きが取れなくなる。
微かな痛みに、息を詰めた。
「おめえを殺したところで、俺の親は帰ってこねえ。
崩れた城がぴかぴかになるわけでもないし、ゼムスがいなくなるわけでもない。何の特にもなりゃしねえ」
うっすらと血がついた刀を、懐から取り出した布で拭い、
「だから、恨んでるとか恨んでないとか、そんなことはもうどうでもいいんだ。
ゼムスを倒せば、平和が訪れる。平和になったら、国の復興に全力を尽くす。
俺には、それだけだ。それだけでいい。難しいことは苦手だからな」
傷ついた俺の首を撫でて、ぐいと体を抱き寄せてくる。心臓が大きくはねた。エッジからは、香のような匂いがした。
髪をかき混ぜられる。鼓動が酷くうるさかった。
「……一緒にゼムスを倒すぞ、カイン。両親やエブラーナだけじゃなく、
俺はお前の仇も討ちたいって、そう思ってるんだからな!」
「……俺の、仇?」
「上手く、言えねえけど……おめえの心のどっかを壊した、その仇だ。
ゼムスの野郎が殺したのは、人間の体だけじゃねえだろ?」
俺の胸の中にぽっかりと空いた、大きな穴。
風穴のようなそれは、広がるばかりで閉じ始める気配すらない。
「おめえは、いつだって辛そうな顔をしてる。
背は高いってのに下ばっかり向いて、パーティの一番後ろを歩いて、ほんのちょっとしか笑わねえ」
エッジの手が、俺の髪に触れた。
ぐしゃぐしゃとかき回して、目を細める。
「俺は、好きだぜ。お前の笑ってる顔」
年上の癖に少年のような表情を見せる男の顔を見つめながら、
ただただ、この胸の高鳴りの正体は何なのだろう、と考え続けていた。
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◇,,(∀・ ) オウジサマヨビニモエル!
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